低価格なPCサーバで低コストの業務効率化を!――NEC「Express5800/S70 タイプSD」レビュー

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Vine Linuxで運用してみる

PCサーバとして運用する場合,Windows系ならWindows Server 2008などを採用することも考えられますが,Express5800/S70 タイプSDの場合,コストメリットを考えた選択肢もありそうです。そこで導入してみたくなったのがLinuxです。Linux系のOSなら,リーズナブルなものも多く,無料で配布されているものもあります。⁠Vine Linux」はフリーOSの代表でもあり,X.Org Foundationのプロダクトを搭載しデスクトップ環境にGNOMEが採用されています。一般的にいわれる「X Window System」によってGUIで操作できるのもメリットです。

図16 Vine Linux 4.2のデスクトップ画像。作業の多くがGUIで行えます。

図16 Vine Linux 4.2のデスクトップ画像。作業の多くがGUIで行えます。

今回はVine Linux Homepageから最新版となる「Vine Linux 4.2」を入手してみました。Vine Linux 4.2はISOデータでダウンロードされるため,イメージディスクを作成できるツールでCDメディアを作成するか,ISOイメージのマウントツールで中身を開き,データを丸ごとCDにコピーします。

図17 Vine Linux 4.2のインストール初期画面。BIOSでCD-ROMブートを選択しておいてください。

図17 Vine Linux 4.2のインストール初期画面。BIOSでCD-ROMブートを選択しておいてください。

図18 インストール中はウィザードに従って初期設定を行います。

図18 インストール中はウィザードに従って初期設定を行います。

図19 特別な知識がない場合は,すべてデフォルトを選択した状態でも正常にインストールできます。

図19 特別な知識がない場合は,すべてデフォルトを選択した状態でも正常にインストールできます。

インストールは簡単で,作成したCDをドライブに入れてCD-ROMブートさせるだけです。マウス操作可能なウィザード形式で作業できるので,それほど難しい知識は必要ありません。Express5800/S70 タイプSDの場合,容量にもよりますが,ハードディスクのフォーマットを含めても,インストール時間は長くて30~40分程度でしょう。

実際に行ったインストール作業も実にスムーズでした。しかし,インストールは完了するものの,Xを起動させることはできませんでした。どうやらVine Linux 4.2が持っているG33系のオンボードグラフィックス(今回はGMA3100)用intelドライバが正常に機能していないようです。現状でVine Linux 4.2はG33系のintelドライバに対応しているとありましたのでいろいろ試した結果,CUIのままroot権限でログインし,vi /etc/X11/xorg.conf でコンフィグを開き,⁠Section"Device"」の欄にある「Driver」「"intel"」から「"vesa"」に変更することで,vesaドライバを利用してX Window System環境で稼働させることができました。

図20 Express5800/S70 タイプSDのオンボードグラフィックス GMA3100ではXが起動しませんでした。

図20 Express5800/S70 タイプSDのオンボードグラフィックス GMA3100ではXが起動しませんでした。

図21 /etc/X11/xorg.confの変更点。このようにしてvesaドライバを流用すればX Window Systemを起動させることも可能です。

図21 /etc/X11/xorg.confの変更点。このようにしてvesaドライバを流用すればX Window Systemを起動させることも可能です。

この状態でVine Linux 4.2をX Window Systemで利用していても,レスポンス的に不安定さを感じることはありません。しかし,せっかく空いているPCI Expressスロットがあるので,NVIDIAのGeForce 6600搭載のグラフィックスボードを挿してVine Linux 4.2を再インストールしたところ,今度はスムーズに作業が完了しました。

図22 GeForce6600をPCI Expressスロットに挿してVine Linux 4.2をインストール。ネットワーク設定を済ませればFireFoxでホームページを閲覧できるようになります。

図22 GeForce6600をPCI Expressスロットに挿してVine Linux 4.2をインストール。ネットワーク設定を済ませればFireFoxでホームページを閲覧できるようになります。

Express5800/S70 タイプSDでVine Linuxを活用するうえで,グラフィックス機能はそれほど気にならないでしょう。上記の不具合が出た場合,別途古めのグラフィックスカードを活用するのもひとつの方法だと思います。どうしてもオンボードグラフィックスのGMA3100を利用しなければならない場合は,先ほど述べたようにvesaドライバを利用することも念頭に入れておいてください。

VGA関係でもうひとつ気になることがありました。それはメモリスロットの爪の位置です。下の写真のようにPCI Expressへグラフィックスカードを挿そうとすると,ほぼ隙間のない状態となります。グラフィックスカードを導入する際には十分気を付けてください。

図23 PCI Expressにカードを挿したところ。

図23 PCI Expressにカードを挿したところ。

Sambaを導入してファイルサーバ化

Linux環境とWindows環境の混在でファイル共有を行う場合,もっとも一般的な方法として用いられるのが「Samba」です。Vine Linux 4.2にもデフォルトでSambaが組み込まれていますが,インストール時のオプション選択によってはSambaはインストールされていない状態になっています。その場合,Rootターミナルを起動しapt-get update を入力,情報を取得したらapt-get upgrade を実行し,続いてapt-cache search samba でアップデートとしてSambaとその設定ツールの「SWAT」をインストールします。また,追加パッケージを

apt-get install samba samba-client samba-common samba-doc samba-libsmbclient samba-libsmbclient-devel samba-swat

としてインストールしておきます。

図24 RootターミナルからコマンドでSambaとSWATをインストールします。

図24 RootターミナルからコマンドでSambaとSWATをインストールします。

これで一通りの機能が使えるようになるので,あとは運用レベルに合わせて設定すればよいでしょう。Sambaの設定はブラウザからSWATを起動して設定を行うことも可能ですし,RootターミナルなどのCUIツールを使ってコマンド操作をしたほうが便利な場合もあります。この辺の選択は好みや管理者のレベルに合わせてよいと思います。

図25 SWATを使えばGUIでSambaの設定が行えます。

図25 SWATを使えばGUIでSambaの設定が行えます。

著者プロフィール

中山一弘(なかやま かずひろ)

テクニカルライター歴10年。ライティングプロダクションエースラッシュの代表でもある。アウトドアからPC,IT,ビジネスまで幅広いジャンルで執筆活動を展開中。

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