徹底取材!注目企業たちのクラウドコンピューティングへの取り組み

ファーストサーバ編

インタビュイー

池内康郎 氏

ファーストサーバ株式会社 事業推進本部 サービス開発部 部長補佐

カスタマー部門を経て、2003年からレンタルサーバを中心としたサービス全般の商品企画に携わる。

ファーストサーバは共有サーバやマネージドサーバ、専用サーバなどの各種ホスティングサービスを提供するレンタルサーバ事業者です。レンタルサーバ事業者が考えるクラウドコンピューティングへの展開について伺いました。

Q:ファーストサーバとしてのクラウドに向けた取り組みについて教えてください。

A:弊社では、ホスティングサービスを通してWebやメールなどのSaaSを提供してまいりました。昨今のクラウドに代表されるIaaSは、弊社のビジネスモデルを加速的にRestructuringすることが可能で、これによりお客様のビジネス改革の一助となるような今までに出来なかった新たな価値を市場に提供することができます。

弊社は、今まで以上にお客様にとって有意義なSaaSを次々と提供できるようなサービス開発を進めています。

Q:想定するターゲットと利用シーンについて教えてください。

A:現時点では、サーバを複数台利用されているお客様、またはアウトソーシングユーザなど、従来の専用サーバのお客様が対象となっていますが、この流れがさらに加速化され、可変化するIT投資とキャパシティのバランスが取れなくなった中規模以上のお客様を中心にクラウドへと雪崩現象がおきると見ています。

また、この雪崩現象を皮切りに、コンピュータリソースの大半は外部調達するとした考え方が一般的となり、クラウドが台頭すると予測しています。

Q:ファーストサーバで提供する「Cloud Hosting」のメリットと特徴について教えてください。

A:Microsoftが提供する仮想化技術「Hyper-V」と、NECが提供するハイエンドIAサーバ「Express5800/スケーラブルHAサーバ」を基盤とし、インターネット回線経由で高信頼のITリソースをご提供いたします。

クラウド型のプラットフォームサービスをご利用いただくことにより、お客様は機器調達、機器セッティング、サイジングなどの時間と手間から開放され、スピーディーにITリソースを利用することが可能となります。

Cloud Hosting
URL:http://cloudhosting.jp/

Q:今回クラウド型サービスを提供されることになりました。既存ホスティングとの共存についてどのように考えていますか?

A:最初に述べたように、私たちは、クラウドコンピューティングは、既存ホスティングと比較、共存するものではなく、既存ホスティングにクラウドのエッセンスを加えてより良いサービスに発展させていくものだと考えています。

たとえば、既存のホスティングサービスでは、お客様が利用規模をある程度想定し、最初から大きめのサービスを使うか、初期投資を抑えるために小さなサービスを買い、使いながらスケールアップするしかありませんでした。クラウドを使うことで、小規模から大規模までスケールアウトで対応することができ、ユーザは適切な投資とデータ移行などに伴うリスクの大幅な低減が可能となります。

Q:最後に、日本のクラウドシーンに向けて一言お願いいたします。

A:クラウドは、インターネットを基点としたITの産業革命の起爆材としての役割を担うものであると確信しております。新しいものを導入する際には必ずなんらかの摩擦や不安があると思いますが、恐れていては何も変わりません、大胆な判断と慎重な行動でインターネットの恩恵を平等に享受して頂きたいです。

また、弊社を含めサービス提供者側も単に欧米への追随ではなく、日本文化(日本品質)を活かす使命を担い、グローバルでありながらも、日本色がアピールできるサービスで、市場貢献すべきと考えております。

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