小型/堅牢/メンテナンスフリー OpenBlockS 600の限界に挑戦

第1回 10年も続く小型サーバの魅力を知ろう

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GUIによる管理ツール

OpenBlockS 600ではWebインターフェースの採用により,WebブラウザからのGUI操作でサーバの運用管理を行えるようにしてあります※2⁠。おもに次のようなことが行えます。

ネットワーク,ユーザ情報などの基本設定
SSD/Linuxのネットワーク,ユーザ,グループ,時刻などの基本設定図1

図1 ネットワーク設定

図1 ネットワーク設定

グラフィカルシステムモニタ
運用中のCPUやメモリ,ネットワークなどの負荷状況を記録し,グラフとして表示図2

図2 グラフィカルシステムモニタ

図2 グラフィカルシステムモニタ

データのバックアップ/リストア
追加プログラムや設定情報,ログなどを指定のUSBメモリなどを使ってバックアップ/リストア
テクニカルサポート補助
障害発生時や異常の前兆とおぼしき動作が起きたときに必要な情報を一括で取得できる
アプリケーションマネージャ
Webインターフェース上のカタログ機能を用いて,各種アプリケーションのインストール/更新/削除が可能

標準搭載の「アプリケーションマネージャ」は各種アプリケーションの導入/管理をWebインターフェースで簡単に行えるツールです図3⁠。アプリケーションマネージャからインストールできるおもなアプリケーションを表3に記します。とくに無償のOSSであるDHCP,DNS,NTP,Syslogに関しては,頻繁に利用される機能の設定用にWebインターフェースを付与してパッケージ化してあるため,導入と運用がしやすくなっています。

図3 アプリケーションマネージャ

図3 アプリケーションマネージャ

表3 アプリケーションマネージャで提供される主なアプリケーションと提供形態(2010年6月)

アプリケーション提供形態
Denbun有償
desknet's有償
Hinemos Light有償
PacketiX VPN 2.0有償
PacketiX VPN 3.0有償
PacketiX Desktop VPN Business有償
DHCP PlusOSS+GUI
DNS PlusOSS+GUI
NTP PlusOSS+GUI
Syslog PlusOSS+GUI
festivoiceフリーソフトウェア
その他OSSバイナリ
※2)
もちろんコマンドラインによる操作もできます。

ファームウェアの作成も可能

SSD/Linuxはファームウェアの開発環境としての機能も持っています。クロス開発環境はVMware PlayerやVMware Serverで利用可能な仮想マシンのイメージファイルとして提供されており,i386アーキテクチャの仮想マシン上で,OpenBlockS 600向けのPowerPCバイナリを出力可能です。

また,OpenBlockS 600上で行うセルフ開発環境もあります。コンパイル速度が遅いという問題はありますが,クロス開発とは違い,とくに予備知識がなくてもi386環境のLinuxに近いイメージで開発を進めることができます。これらの開発環境を利用して,オリジナルのファームウェアを作れます。

もしオリジナルファームウェアの作成に興味を持たれた場合は,特集「小型Linuxサーバの最高峰 OpenBlockS 600活用指南」第5回第6回を参照してください。

多様な活用例

OpenBlockSを使えば,パケットキャプチャ/解析,ブリッジ型デバイス,LAMP(Linux,Apache,MySQL,PHP)運用,ネットワーク監視,分散メモリキャッシュサーバ,それにグループウェアやスパムフィルタのようなトラフィック処理性能を要するサービスへも活用が可能です。ほかにも以下のような活用が考えられます。

困難な設置環境に
前述のとおりOpenBlockS 600は耐高温,耐粉塵に優れたハードウェアなので,オフィスの床下や配線盤の中,さらには工業検査環境といった過酷な環境下でも使用可能
ネットワークアクセスコントロール(NAC)
未知のパソコンのネットワーク進入防御,阻止システムとして
VPNサーバに
VPNソフトウェアを搭載すれば,イーサポートに接続するだけで仮想ネットワークが構築可能
ブロードバンドルータ兼各種サーバに
ルータに必要なインターフェースを備えているうえ,Linux OSを自由に操作できるため複雑なルーティング設定や複数拠点とのVPN経路の構築もできる
ルータやファイアウォールに
標準で2つのサブネットを構成できるルータ機能と,DHCPサーバや簡易ファイアウォールを構築可能
監視・中継サーバに
監視カメラや各種センサー機器を接続し,それらを統括した死活監視,異常検出,状態に応じた装置の制御などを行うサーバを構築できる
時刻配信サーバに
電波時計式やGPS式の時刻取得デバイスを接続すれば,ntpdを用いて閉じられたネットワーク上でも時刻配信サーバが構築可能
認証サーバに
認証サーバは365日休まず稼働し続けることが要求されるため,堅牢性とメンテナンスフリーの利点が活かせる
システム監視に
高いサービス継続率維持のためにシステムを安全,確実に運用するには,死活監視,異常検出/通知が必須であるため,堅牢性とメンテナンスフリーの利点が活かせる
ネットワークの試験環境構築に
パケットロスや遅延,ゆらぎ,重複,順序入れ替えなどの問題/障害が発生していないか,また,端末に対する適正な回線速度が維持されているかなどの管理・監視環境が安価に構築できる

OpenBlockSシリーズの導入実績は,IP網の回線品質管理用途,セキュアVPNの構築用途,工業用機械のリモート制御用途にと,これまではおもに機器の監視/制御用途で多くの実績があります。

また,OpenBlockSシリーズはソフトウェア製品のアプライアンス製品化にも多く用いられています。Javaで開発されたソフトウェア製品のアプライアンス化を強化するため,OpenBlockS 600には標準でJava SE for Embeddedを搭載しました。これによって,大幅な開発コストの軽減が期待できます。

次回からは,OpenBlockS 600の可能性に挑戦するために,同社に寄せられた運用案件について,パフォーマンスの検証などを行いながらシステム構築の方法などを詳しく述べていきます。第2回目はロードバランサの構築を予定しています。