R Markdownで楽々レポートづくり

第6回 レポート形式自由自在 ~R MarkdownからWord,PDF形式への変換~

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

はじめに

これまでの連載ではR MarkdownによってHTMLレポートを作成する方法を解説してきました。個人的にな経験から言えば,R Markdownによるレポート作りのオートメーション化では,

  1. HTMLレポートを使う
  2. 細かい見た目,フォーマットやスタイルを気にしすぎない

という2点を守ることが,効率化への近道だと感じています。

ところが世の中とは理不尽なもので,これが許されない状況もあるようで,例えば「そのレポートワードでくれ」とか「ブラウザでレポート見るとかアリエンアリエン。PDFでよろしく。」とか……。

R Markdownでは,HTML以外にも様々な形式のレポートを作成することができます(実際はPandocの力によるところが大きいです)⁠そこで,今回と次回でHTMLレポート以外の形式のレポートを作成する方法を解説していきます。

とは言っても,レポートを作成する流れはこれまでと変わりありませんし,これまでの連載で解説してきたテクニックのほとんどは,HTML以外の形式のレポートを作成するときにも使うことができます。R Markdownでレポートのタネを作っておけば,必要に応じて,ほんの少しの変更で出力フォーマットをHTMLにもWordにもPDFにもできるということです。

ただし細かい「見た目」を気にしすぎないことが重要です。とにかく細かいことは気にしないのが重要です。

こまけぇこたぁいいんだよ!!ヾ(´∀`ヾ)

広告のコンペではないのですから,伝えるべきことが伝わればいいのだ,という心構えでいきましょう。メインのタスクである解析処理では様々な要因について気にしすぎるくらい気にしてクオリティコントロールやミスの防止策を施す必要がありますが,レポート作りに関しては細かいことは気にしないようにしましょう。

R Markdownで作成できるレポート形式

R Markdownで現在公式にサポートされている出力形式は次のとおりです。

HTML
これまで紹介してきたHTML形式のレポートです。
PDF
PDFファイルを出力します。
Word
WordのDOCX形式のファイルを出力します。
Markdown
Markdown形式のファイルを出力します。
ioslides
Google I/O 2012という形式のWebスライド(ブラウザで表示できるスライド)を出力します。
Slidy
Slidyという形式のウェブスライドを出力します。
Beamer
BeamerというLaTeXスタイルによるPDF形式のスライドを出力します。

.Rmdファイルの内容にはほとんど変更を加えずに,連載第4回で解説したYAMLフロントマターでの設定を変更することで,どのような形式のレポートを出力するか指定できます。

Word形式のレポート作成

(´°∀°`).oO(ワードでくれ)

今までどれだけの技術者がこの言葉に打ちのめされたてきたことでしょう。21世紀に入って十余年たってなお,世の中のフロントエンドの大半はワードとエクセルで動いているようです。実際,私も論文とかワードで書いてますし。自分一人で書くならR Markdown+GitHubでやりたいのですが,共著作業になるとなかなか難しいところがあります。

R MarkdownではYAMLフロントマターのoutputword_documentを指定するだけで,MS WordのDOCX形式のレポートを作成できます。以下に簡単な例を示します。

---
title: "R MarkdownでDOCX"
author: "@kohske"
output: word_document
---

マークダウン記法は対応するワードスタイルになります。

# リスト

- あいうえお
- かきくけこ

## 番号付きリスト

1. さしすせそ
1. たちつてと

---

表を出力してみましょう。

```{r}
knitr::kable(head(iris))
```

図を出力してみましょう。

```{r}
plot(iris)
```

サンプル出力(DOCXファイル)はこちらです。

いかがでしょう。見た目を気にしなければ,これまで作成した.Rmdファイルから一瞬でワード形式のレポートを作成できます。

著者プロフィール

高橋康介(たかはしこうすけ)

東京大学先端科学技術研究センター特任助教。専門は認知科学,認知心理学,認知神経科学。どうやったら人が幸せな気持ちになれるのか研究中。著書に「R言語上級ハンドブック」(分担執筆・C&R研究所),「ドキュメント・プレゼンテーション生成」(共立出版)。趣味はラテ・アート。

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