使える!サーバ運用の実践テクニック

第5回 “ユーザ系”インフラエンジニアが運用で気をつけるべき4つのポイント

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

全てのインフラエンジニアが運用で気をつけることのひとつに「システムヘルスの把握」があるかと思いますが,事業会社のインフラエンジニアとしてはさらに一歩踏み込んで,⁠そのシステム(処理)特性」も理解しておくことが望ましいでしょう。今回は,ユーザ系インフラエンジニアがユーザ系ならではの運用を中心に記載したいと思います。

インフラエンジニアの仕事

ユーザ系,またはメーカ,ベンダ系の職種と問わず,インフラ系エンジニアがユーザ系企業に携わる場合,事業を展開するサービスを日々運用します。そのために,各システムのリソースヘルス状況について,一般的な指標を用い安定運用に勤めます。その中で,一般的な障害(比較的メジャーなもの,決定的でないもの)を解決するような能力,スキルが求められます。これらはシステムを利用する上での最低限のオペーレション,一般的なITスキル等があれば対応できる事が多いです。

その他では,業務効率改善,新規ステム,既存システムの入れ替え等,更なる安定性の向上,TCO削減に向けた活動として,インフラを用いて解決できるか検討,提案活動等を実施し,必要に応じて対応します。

ユーザ系インフラエンジニアの仕事

先記の仕事に関しては,比較的メーカやSIerなどでも対応できる仕事です(※1)⁠ユーザ系インフラエンジニアの場合,それらの知識,技術の他に,ユーザ系ならではの醍醐味があります。それは事業の内容,特性を理解することに尽きると思います。

その内容について少しだけ述べたいと思います。

運用(障害含む)

たとえば,負荷急上昇によるバッチなどの滞留が発生したとか,何らかの原因で障害が発生したなどといった場合,インフラ(リソース)的な技術的解決のほかに,対象バッチの処理や,後続のRe-RUNについての判断(有識者への連携)などが求められます。

さらに,モバイル向けコンテンツプロバイダなどでは,自サイトだけではなく,docomoなどの各キャリア,その他大手ポータルなどに情報を提供するべく連携処理などを行っている場合があります。影響を与える可能性についてはなるべく正確に,それも瞬時に切り分け,そして判断する必要があります。

実際には,これだけではまだバックエンド(バッチ)のみの話で,ユーザ向けサービス部分に関しては,たとえば入退会,課金,画面遷移などに関わる部分かどうかなども瞬時に切り分ける必要があります。

ネットワーク

自社で契約しているネットワーク回線の仕様は,きちんと押さえておく必要があります。

その他にも,上位レベルのネットワーク接続装置等の仕様,特に定期的にファームの状態等はチェックしておく必要があります(逆に一切触らない⁠塩漬け⁠という選択もあります)⁠特にネットワーク装置はメーカや製造年等によって,ボトルネックになる可能性もあったりします。せっかく外向けの回線が1G(ベストエフォート)でもネットワーク装置が700Mあたりでパケットロスが多くなるような機種である場合,回線を使い切っていないということになります。そのような状況でも装置ごとに役割を変えたり,1G使い切らなくても良いなどポリシーを作っておく事が必要でしょう。

また,ユーザ系ならではとしては,新サービス(機能)の追加,等で一気にトラフィックが増える可能性等もあります。音楽配信系であれば,ヒット曲に恵まれる時期であったり,ミュージックステーション等のTV番組で一気にトラフィックが上がったりしがちです。

また,地味かも知れませんが,特に人気ドラマ(たとえば月9)の主題歌がヒットした場合,オープニングとエンディングの時間帯にトラフィックが上がったりします。これはたとえば時間帯でいえば,21:00~21:03,21:54~21:58などです。この時間帯にサーバメンテナンス,資源のリリース,負荷の高いバッチ,業務系(音楽の投入)などを総合的に見てバランスよく配置する必要があります。

※1
少し語弊があるかもしれませんが,メーカやSIerは,非ユーザ系という立場から,高次元の技術や美しいドキュメンテーション等を駆使して,ユーザ企業の事業特性を理解しつつさまざまな提案をしてもらえる重要なパートナーでもあります。

著者プロフィール

高岡将(たかおかすすむ)

大手金融,独立系SIerにて気がつけば計18年以上のキャリアを重ねる。バランス感覚に長け,インフラ/アプリ,プレイヤ/マネージャなど関係なくこなし,「いそうだけどいないタイプ」と評価される。

仕事以外では,自転車,ジョギング,サックス等を趣味にし,密かに「エンジニアと健康」についてダイエット成功論の連載を企む。

コメント

コメントの記入