Ubuntuのデスクトップ向けインストールCD(Desktop CD)は,LiveCDとなっています。今回と次回は,これを使いこなす方法について説明します。
Desktop CDの概要
LinuxのLiveCDの実装は複数存在しますが,現在のUbuntu Desktop CDではSquashFSをCD上に置き,UnionFSでWritableにする,という方法を取っています(注1)。
Desktop CDが提供するソフトウェア環境は,HDDへインストールした後に利用できるものと同じで,SquashFS部分は「UbuntuをHDDにインストールした初期状態」と同等のものを圧縮したものを用いています。ただし,インストールに用いるUbiquityやGNOME Partition Editor(gparted)といったツールが導入されている点と,異なるマシンで起動させるため,起動時に自動的にXの設定を生成する,といった点は異なります。
- 注1)
- 過去(Hoary Hedgehog; Ubuntu 5.04)にはcloop imageを用いてLiveCDを構築していたこともありますが,充分な性能が得られなかったため,現在は用いられていません(https://wiki.ubuntu.com/
LiveCDUnionFSとhttps://wiki.ubuntu.com/LiveCDDesignに,SquashFSが提案された頃のドキュメントが残っています)。
“Persistence”機能を使う
通常,LiveCDセッションでは,作成したファイルなどは再起動により失われてしまいます。
しかし,Desktop CDではUSBメモリなどの保存領域を用意することで,変更内容をシステムの再起動後にも持ち越せる仕組みが用意されています。この機能は“Persistence”と呼ばれます。
“Persistence”を利用するための条件は,次の通りです。
- CD起動時のオプションに,“persistent”が含まれていること。
- 保存領域に“casper-rw”というボリュームラベルを持ち,かつ,完全な形でUnix permissionを保存できるファイルシステムが用意されていること(注2)
以上の条件が満たされている場合,/以下の全域に対して行われた書き込みが“casper-rw”領域に保存され,次回以降の起動時には自動的に読み込まれます。
具体的な手順は次の通りです。すでに保存領域にあたる領域のフォーマットは終了しているものとします。
- 注2)
- Linuxで使われる通常のファイルシステムを使う,という意味です。ext2/3,ReiserFS,JFS,XFSなどが適合します。FAT16/32,NTFSなどは用いるべきではありません(動いてしまいますが,permission周りの問題が起きます)。
1.保存領域の作成
前述の通り,保存領域のボリュームラベルは必ず“casper-rw”としなければなりません。次のコマンドを利用してファイルシステムを準備します。以下の例は対象デバイスを/dev/sda1であると仮定しています。
$ sudo mkfs.{ext2,ext3,xfs} -L casper-rw /dev/sda1 //※ext2/3, xfsの場合
$ sudo mkfs.reiserfs -L casper-rw /dev/sda1 //※reiserfsの場合
既に存在するファイルシステムのボリュームラベルを変更する場合は,以下のコマンドを利用します。gpartedで領域を作成した後,これらでラベルだけを変更しても構いません。
$ sudo e2label /dev/sda1 casper-rw //※ext2/ext3の場合 $ sudo xfs_admin -L casper-rw /dev/sda1 //※xfsの場合 $ sudo reiserfstune -l casper-rw /dev/sda1 //※reiserfsの場合
2.CDブート時の起動オプション変更
Desktop CDからブートする際に[F6]キーを押下し,起動オプションの末尾にpersistentキーワードを追加します(図1)。
機能としては"Persistence"ですが,オプションは"Persistent"であることに注意してください。
これにより“Persistence”機能が有効になり,起動後に行った変更が“casper-rw”領域に保存されています。
/mntなどにこの領域をmountすると,デスクトップ上に作成したファイルが/mnt/home/ubuntu以下に保存されていることが分かります。これにより,変更点が再起動後も保持されます。
ただし,再起動のたびに[F6]キーを押し,persistentキーワードの追加を行う必要があります。この作業を省略できるDesktop CDの作成方法があるので,次回説明する予定です。

