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第2回 Desktop CDを使いこなす(1):USBメモリとの併用・LiveCDのカスタマイズ

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リカバリCDとしての利用

Desktop CDはリカバリ用途に利用することもできます。各用途はhttps://help.ubuntu.com/community/LiveCdRecoveryを参照してください。

ただし,忘れてしまったパスワードの復旧に関しては,通常はDesktop CDを用いてリカバリを行う必要はありません。例外はrootパスワードを設定しており,かつ,それも忘れてしまった場合です。

パスワードを忘れた場合の対処は,次のようにシングルユーザーモードで起動することで行います。

1.GRUBメニューに入る

システムの起動時に,⁠Press `ESC' to enter the menu... 」と表示されるタイミングで,⁠ESC]キーを押下します図2⁠。

図2 GRUBのPress `ESC' to enter the menu...

図2 GRUBのPress `ESC' to enter the menu...

2.起動オプションの変更

GRUBから起動可能なOSのエントリが列挙されます。この状態で[e]キーを押下すると,起動オプションが列挙されたサブメニューに遷移します図3⁠。

図3 GRUBメニューの編集

図3 GRUBメニューの編集

この画面でkernel...行を選択し,再度[e]キーを押し,表示されるオプションの末尾にsingleを追加して[Enter]キーでメニューから抜けます図4⁠。

図4 kernel optionの編集

図4 kernel optionの編集

この状態で[b]キーを押してシステムを起動することでシングルユーザーモードで起動しますので,passwd〈ユーザ名〉でパスワードを変更してください。

Desktop CDのカスタマイズ

SquashFSはzlibで圧縮された,読み込み専用のファイルシステムで,通常のファイルシステムをmksquashfsコマンドで圧縮することで生成します。

Desktop CDの場合,実体はCD上のcasper/filesystem.squashfsにあり,起動時にROFSを用いて/にマウントしています。このsquashfsファイルがLiveCD環境そのものであるため,この領域を改変することで,任意の環境をLiveCD上に構築することができます。

通常はDesktop CD標準のSquashFSを一度通常のファイルシステム上に展開し,必要な改変を加えた後に再度圧縮する,といった方法でカスタマイズを行いますが,今回はウィザードを用い,こうした原理を意識せずに作業を行える方法を紹介します。

Remastersys

RemastersysはLinux Mint(Ubuntuから派生したディストリビューションです)の開発ブランチにある⁠Romeo⁠リポジトリで提供されているコマンドラインユーティリティです。⁠現在稼働している環境」をもとにLiveCDを生成することができます。中身はbashスクリプトで構成されており,GPL2でライセンスされています。

使い方は次の通りです。

1)リポジトリソースに“Romeo”リポジトリを追加

/etc/apt/sources.listに,次の行を追加します。

deb http://www.linuxmint.com/repository romeo/

2.Remastersysパッケージのインストール

Synapticパッケージマネージャを用いてremastersysを追加するか,次のようにaptを用いてインストールを行います。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install remastersys

3.ISOイメージの生成

以下のコマンドを実行し,/homeを除いたシステム環境をLiveCDにします。

$ sudo remastersys dist iso backup.iso

また,remastersysコマンドが受け付けるオプションは次の通りです。

通常は上述のようにremastersys dist iso backup.isoなどとしてシステムバックアップを作り,/homeは別の手段でバックアップするのが良いでしょう(/homeの容量が少ないか,Blu-rayドライブのような大容量ファイルを書き込めるメディアがあればremastersys backup isoでも問題ありません⁠⁠。

sudo remastersys backupシステム全体をLiveCD環境に変換したイメージを作成します。
sudo remastersys backup custom.isoシステム全体をLiveCD環境に変換したイメージを作成し,custom.isoという名前でISOイメージを保存します。
sudo remastersys cleanremastersysが使用するテンポラリファイルを削除します。
sudo remastersys dist/home以下を除いたシステム全体をLiveCDにします。
sudo remastersys dist cdfs/home 以下を除いたシステム全体をLiveCDにし,cdfs形式でファイルを出力します。
sudo remastersys dist iso custom.iso/home以下を除いたシステム全体をLiveCDにし,custom.isoという名前のISOイメージを出力します。

CDの生成には充分な空きストレージ領域(目安として5~10GB)が必要です。また,⁠Press enter when you have the Original Livecd in the cd/dvd drive⁠というメッセージが表示されたら,Desktop CDを光学ドライブに入れて[Enter]を押してください。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。