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第4回 Ubuntuのバックアップ(1):SBackupによるバックアップ

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PCを長く利用していくと,どうしてもハードウェア故障は避けられません。不慮の故障による影響を減らすことは非常に重要なことですが,HDDやファイルシステムの異常はバックアップなしに回避することができません。Ubuntuを利用したデスクトップ環境で,バックアップを行うツールを中心にしたレシピを紹介します。

今回は「デスクトップで手軽にバックアップを行う」レシピと,「バックアップとはどう考えるべきか?」ということを説明します。「サーバ用途でのバックアップ」や,「リモートバックアップ」など,より詳細なバックアップを実現する方法を来週お届けする予定です。

Simple Backup(SBackup)によるバックアップ

Simple Backup(SBackup)は,Ubuntu向けに開発されている注1バックアップソフトウェアです。その名の通りきわめてシンプルな機能を持っており,データ保存のためにバックアップを行いたい,というユーザの要望を満たしてくれるはずです。これまでバックアップの習慣がなかった方にお勧めします。

注1)
Ubuntuのソフトウェアパッケージの大半はDebianの開発版("sid")から,半年に一度ポーティングされることで構築されていますが,一部に「Ubuntu向け」に開発されたソフトウェアも存在します。SBackupは「Ubuntuを中心に」開発されたソフトウェアです。Google Summer of Code(2005年)で採択されたソフトウェアです。

SBackupのインストール

SBackupのインストールは[アプリケーション][追加と削除...]から行うことができます(Synapticやapt-getからインストールすることもできますが,ここでは初心者でも意味をとりやすい[追加と削除...]から行っています)。ウインドウ右上の表示:ドロップボックスで全てのオープンソースアプリケーションを選択して"sbackup"を検索してください。

図1 sbackupのインストール

図1 sbackupのインストール

表示されたSimple Backup ConfigSimple Backup Restoreの両方にチェックを入れ,[変更の適用]を行ってください。SBackupに必要なパッケージが一括してインストールされます。

SBackupは,通常のソフトウェアのような[アプリケーション]メニューではなく,[システム][システム管理]にインストールされます。

図2 システム管理メニューの一部としてインストールされたSBackup

図2 システム管理メニューの一部としてインストールされたSBackup

SBackupの設定とバックアップ

SBackupの使い方は非常に単純です。主な使い方は最初に設定を行い,あとは自動的に日々のバックアップを取得させることです。この場合,ユーザはあまりバックアップの存在を意識せずに利用することができます。

また,手動でバックアップを開始し,自動実行させない使い方も可能です。

いずれの場合も,最初に[Simple Backup Config]を起動し,バックアップ対象の設定が必要になります。順に作業を見ていきましょう。

メニューから[Simple Backup Config]を起動すると,次のような設定ダイアログが表示されます。

図2 SBackupのGeneral設定

図2 SBackupの“General”設定

この画面でSBackupが行うべき動作のうち,大まかな方針を決定します。各メニューで指定される方針は次の通りです。いずれの場合も,原則としては/var/backup以下に,「年-月-日_時-分-秒-ミリ秒-ホスト名-バックアップ種別」(YYYY-MM-DD_hh.mm.ss.ms.%hostname%.{full,inc})というディレクトリにバックアップが取得されます。

使い方にもよりますが,ごく一般的なユーザであればUse recommended backup settingを選択し,後は忘れてしまうことができるようになっています。

Use recommended backup settings

SBackupが推奨するバックアップ対象・周期を用いてバックアップを行います。

バックアップ対象は/home, /etc, /usr/local, /varディレクトリです。ただし,ホームディレクトリにあるゴミ箱やキャッシュファイル,/var/cache, /var/spool, /var/tmp,拡張子がmp3, avi, mpeg, mkv, ogg, isoのファイルと,10MBを越えるファイルはバックアップされません注2)。

バックアップは毎日0:00に実行されます。また,7日に一度フルバックアップを取得し,あとの6日はフルバックアップに対する差分のみバックアップします。

注2)
当然のことですが,バックアップが格納されている/var/backupディレクトリも自動的に無視されるようになっています。
Use custom backup settings

バックアップ対象をユーザが指定するモードです。バックアップしたいディレクトリ・除外する条件などはすべてユーザが指定できます。

また,バックアップ周期やフルバックアップ・差分バックアップの指定も自由に行えます。

この設定では,ユーザが指定したタイミング(例えば,平日・朝の7:00)で自動的にバックアップが取得されます。

Manual Backups only

Use custom backup settingsと同じように,バックアップ対象を指定することができます。

バックアップは自動的には実行されず,ユーザが能動的にバックアップ開始を指示する必要があります。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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