Ubuntu Weekly Recipe

第8回 体感速度の改善 : bootchart, concurrent boot, readahead, preloadの利用

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今回は,Ubuntuの起動速度の計測・OSブート時間の短縮・デスクトップ環境のレスポンス速度を改善させる方法など,体感速度を改善させる方法を紹介します。

なお,今回の手法のうち幾つかはきわめて富豪的なものですので,十分なパフォーマンスがあるシステムで速度を稼ぐためのものです。低速なPCを利用している場合,これらのレシピを適用するとかえって体感速度が低下する可能性がありますので,無条件に適用することは避けてください。

おおむね2005年以降のPCで,かつ,メモリが1.5GB以上搭載されていれば効果があると考えられます。

富豪的アプローチを採用しているレシピには,(※富豪的)という目印をつけてあります。

起動速度の計測 / bootchartのインストール

一般にパフォーマンスチューニングを行う場合に,最初に行うべきはプロファイルを取得し,どこで起動に時間がかかるのかを判定することです。Ubuntuでは,OS起動時にどの処理で時間がかかっているのかを確認し,問題を改善するためにはbootchartというツールを用いるのが一般的です。

bootchartはmainリポジトリに収容されていますので,aptやSynapticからインストールします。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install bootchart

bootchartをインストールしてシステムを再起動すると,bootchartによって起動時の各プロセスの動作状況が記録され(さらに,起動時に自動的にグラフを生成し),/var/log/bootchart/ディレクトリに起動時に行われた処理をグラフにしたものがPNGファイルとして記録されます。

図1 /var/log/bootchart/ディレクトリをFirefoxで表示させた例

図1 /var/log/bootchart/ディレクトリをFirefoxで表示させた例

このグラフには起動時にかかった時間だけでなく,その時点でのCPU/Diskの利用率といったパラメータも記録されています。以下は筆者が利用しているPCのグラフの例です。

図2 筆者のPCのBootchartの例

図2 筆者のPCのBootchartの例

このグラフから,起動に39秒かかっていること,CPUパフォーマンスにはまだ余裕がありそうなこと,Disk utilizationがグラフの上限ぎりぎりである時間が長いこと(=CPUよりもDiskの性能が足を引っ張っていること)が見て取れます。これはこのPCがノートPCであるため,2.5inch HDDのパフォーマンスがボトルネックになっている可能性が高いためと思われます。このPCにハードウェア的な措置を行って起動時間を短縮させる場合,HDDを交換する(SSDを用いる)のが良さそうです。

また,bootchartは起動時に実行されるプロセスごとに経過時間を計測できますので,起動に異常に時間がかかるような問題が起きている場合の原因追求に利用することができます。今回の例で見ると,少なくとも異常に長い時間動作しているプロセスはありませんので,どれか特定のプロセスの処理に問題が起き,それによって起動が遅延しているわけでもなさそうです。なお,筆者の所有するPCの中ではこのマシンがもっとも起動が遅いので,Ubuntuの起動の平均時間が40秒程度だと思うのは正しくありません(EeePCはSSDの効果もあってか極端に起動が速く,30秒かからず起動します)。

普通のユーザであれば頻繁に行うことではありませんが,PCの乗り換え時にbootchartを使えば,客観的に性能の向上を見て取ることができます。一度はbootchartを取得してみることをお勧めします。bootchartが不要になった場合,/boot/grub/menu.lstのbootオプションに"bootchart=disable"を追加すれば停止することができますが,通常はパッケージを削除した方が手軽です。

$ sudo apt-get remove bootchart

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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