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第48回 デュアルディスプレイを使う

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トラブルシューティング

xrandrは便利で強力な機能ですが,意に反して正常に動作しないこともありえます。ここでは筆者が体験したことのある幾つかのケースと,その回避策を紹介します。

特殊なデバイス認識が行われる場合

前述の通り,xrandrを実行した際に列挙されるポート情報が期待される対応になっていないケースもしばしば存在します。これは複数のディスプレイ出力(たとえばアナログ出力とHDMI,あるいはアナログ出力とDisplay Port注2といったもの)や,ドッキングステーションと接続することでディスプレイポートが追加されるようなノートPCで発生することがあります。

たとえば筆者の手元にあるノートPCの中ではThinkpad X200がこうした問題に該当し,⁠接続されてもいないHDMI-1・HDMI-2というポートの対応解像度は表示されるが,なぜかアナログ外部出力は選択肢として表示されない」という現象が発生しました。なおThinkpad X200本体にはHDMI出力などのデジタル出力は搭載されていないのですが,X200ウルトラベースを接続することでDisplay Portによるデジタル出力が利用できるため,これらのポートがHDMIポートとして認識されているのではないかと考えられます。

なぜこうした挙動になるのかは非常に謎ですが,利用していないHDMI-1・HDMI-2をlxrandrから明示的に無効にしたところアナログ外部出力が認識されるようになり,プロジェクタを利用することができるようになりました。

注2)
「Display Port」はVESAが策定したデジタル出力の一種です。

「screen cannot be larger than ****x****」と表示されてしまう

xrandr・grandr・lxrandrのいずれを利用している場合でも,⁠screen cannot be larger than ****x**** (desired size ****x****)」といったメッセージが表示され,拡張デスクトップが設定できないことがあります。本来は設定ツール側で自動的に処理されるべきですが,/etc/X11/xorg.confに以下のような記述を行う必要があります。

Section "Screen"
        Identifier      "Default Screen"
        Monitor         "Configured Monitor"
        Device          "Configured Video Device"
        SubSection "Display"
                Virtual 2840 1050
        EndSubSection
EndSection

すでに「Section "Screen"」が存在するのであれば,上記の設定とすりあわせる必要があります。

面倒であれば[システム]⁠⁠設定]⁠⁠画面の解像度]から設定を行うことで,これらの記述が自動的に追加されます(そして追加後はgrandrやlxrandrで設定を行います)⁠

NVIDIA製GPUを利用している場合

NVIDIA製GPU(GeForceシリーズ)を利用し,プロプライエタリなドライバを利用している場合注3)⁠xrandrでは接続したディスプレイが認識されないことがあります。図8はアナログ出力モニタを接続した状態のlxrandrの画面なのですが,追加したアナログ出力ディスプレイが認識されていません(xrandrに対応していないのです)⁠

図8 NVIDIA GPU環境でのlxrandr

図8 NVIDIA GPU環境でのlxrandr

このような場合[アプリケーション]⁠⁠システムツール]からNVIDIA X Server Setting Toolを起動してください図9)⁠このツールを使うことで,⁠TwinView」という特殊な設定を利用することができ,xrandrや関連フロントエンドを使う場合と同じように,Xの再起動なしに設定を変更することができます。

図9 NVIDIA X Server Setting

図9 NVIDIA X Server Setting

こちらから設定を行うことでデュアルディスプレイにすることができます。

注3)
[システム]⁠⁠システム管理]⁠⁠ハードウェア・ドライバ]などから制限付きドライバをインストールしている場合が該当します。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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