Ubuntuで構築したデスクトップ環境を使っていく上で,どうしてもテスト的にソフトウェアをインストールしたいことがあります。こうした場合,常用環境を壊さないように,別のマシンで試してみたくなるはずです。ですが,そうそう多くの物理的なハードウェアを用意することはできません。
その際,仮想マシンを使うのが常套手段です。そこで今回は,(多少ハードウェアを選ぶとはいえ)Ubuntuで手軽に仮想マシンを使う方法を説明します。
Ubuntuにおける仮想マシン
「仮想マシン」とは,ソフトウェアを用いて物理的なハードウェア(PC)をエミュレーションし,あたかも複数台のPCが存在するかのように扱うことができる技術のことを指します。古くから存在するVMwareなどが代表的な例ですが,Microsoft VirtualPC・VirtualBox・Xen・KVMなど,代表的なものだけでも多くの実装が存在します。
仮想マシンソフトウェアを導入すれば,アプリケーションの一つとして仮想マシンを動作させることができます。
どのような形で仮想マシンを使うにせよ,仮想マシンイメージをどこかから入手するか,作成する必要があります。Ubuntu上でもVMwareやVirtualBox・Xen・KVMを利用することができ,また,VMwareとVirtualBoxについてはJapanese Teamのページから仮想マシンイメージをダウンロードすれば,それだけで仮想マシン上で動作するUbuntuを手に入れることができます(注1)。
- 注1)
- いずれも約700MBほどのファイルです。詳しい利用法は各ダウンロードページを参照してください。
通常の場合,仮想マシンは通常のPCを起動したのと同じように動作しますので,Ubuntuのインストールも通常通りに行えば問題ありません。
ですが,UbuntuにはServer Edition向けの機能として,「コマンドラインから仮想マシンイメージを生成する」という機能があります。今回はこれを使って,KVMを使った仮想マシン環境を手軽に構築してみましょう。
注意:
今回紹介するKVMによる仮想マシンを利用するには,Intel VT(VT-x)もしくはAMD-Vをサポートする環境が必要です。お使いのPCの対応を確認してください。
- Intel Core2 Duo・Quadの多くはIntel VTをサポートします。ただしCore2 Duoの一部の機種(プロセッサーナンバーがE4x00やE7x00,T5x00の一部ステッピング)のもの,Core2 QuadのQ8x00系ではVT-xには対応していません。Core i7やXeonは現在入手可能なほぼすべてがVTをサポートしています。
- ほとんどのSocket AM3/AM2+/AM2・Socket Fを採用するAMD製CPUは,AMD-Vをサポートします。
- いずれの場合も,システムBIOSで有効・無効を制御できる可能性があり,BIOSで無効になっているとVT/AMD-Vは機能しません。
ubuntu-vm-builder
それではUbuntu独自の仮想マシン作成機能,ubuntu-vm-builder(注2)を使ってみましょう。この機能は8.10以降で利用できますが,快適に利用したい場合は9.04を利用する方が安全です(この内容も9.04が前提です。9.04はすでにAlpha6で,あと一ヶ月程度でリリースされますので,実験的な環境を準備できない方はリリース日である4月23日をお待ちください(注3))。
ubuntu-vm-builderはコマンドラインから利用するユーティリティなので,以下の操作は全て[アプリケーション]→[アクセサリ]→[端末]とたどり,gnome-terminalを起動して操作します。
まず,ubuntu-vm-builderを次のコマンドでインストールします。
$ sudo apt-get install ubuntu-vm-builder
- 注2)
- これはvmbuilderコマンドのフロントエンドで,本体となるvmbuilderパッケージはこれはpython-vm-builderパッケージが提供しています。操作を把握できればvmbuilderコマンドを直接利用してもいいのですが,できるだけ簡単に仮想マシンを作成したい場合,ubuntu-vm-builderコマンドを利用した方が簡単です。
- 注3)
- ハードウェアが1台しかないような環境では,まだ9.04は試さない方がよいでしょう。……ということで,この記事の主旨である「ハードウェアが足りない場合に仮想マシン」という主張は,9.04がリリースされるまでの間は無力なわけですが。

