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第75回 SMPlayerで擬似HD(High Definiton)動画再生

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SMPlayerの設定

アップスケーリング機能を有効にするには,[ビデオ]-[フィルター]-[ソフトウェア スケール]にチェックを入れます。SMPlayerが画面いっぱいに広がるので,有効になったことがすぐにわかります。他には,次の項目にチェックを入れておくといいでしょう。

  • 後処理
  • 位相の自動検出
  • ブロック消去
  • リング消去
  • ノイズ除去 通常

なお,これらの設定はある程度高速なCPUで使うことを想定しています。処理落ちが発生する場合は,これらのフィルタをオフにしてください。

また,[ビデオ]-[インターレース解除]でインターレース解除も可能で,[Yadif ⁠ダブル フレームレート)]がオススメです。

基本的にこれらのオプションは再生時にその都度設定する必要がありますが,[オプション]-[環境設定]-[全般]-[ビデオ]タブで[後処理]と[インターレース解除]はデフォルトとして設定することができます。

もちろんこれらは万能ではなく、再生する動画のタイプによって適宜設定を調整してください。

図2 環境設定ダイアログ。これはIntelオンボードグラフィックでの使用例

図1 環境設定ダイアログ

DVDを再生する場合の注意

ここでいうDVDとは市販されているDVD-Videoのことを指します。市販DVDの多くにはCSS(Content Scramble System)という暗号化が施されていますので,これを解除しないと再生できません。MPlayerにはこれを解除するソースが含まれていますが,Ubuntuで配布されているものでも,PPAで配布されているものでも無効化されています。よって,libdvdcss2というライブラリを別途入手する必要があります。入手方法はいくつかありますが,Medibuntuから入手するのが簡単です。普通であればリポジトリを追加しますが※6)⁠今回はその方法は取りません。libdvdcss2を個別に入手し,ダブルクリックしてインストールしてください。入手場所は以下のとおりです。

[Download libdvdcss2]の下にあるi386などのアーキテクチャをクリックすると,パッケージをダウンロードできます。そのパッケージをダブルクリックするとGDebiが起動しますので,指示に従ってインストールしてください。SMPlayerを起動している場合は,一度終了させて再起動するといいでしょう。

※6
Medibuntuにもmplayerのパッケージがあるので,リポジトリを混在させないほうがいいだろうという判断です。

動画再生支援機能を使う

NVIDIA GeForce 8000以降では,VDPAUという動画再生支援機能※7が使用できます。上記PPAで配布されているMPlayerにはこれを使用できるパッチが当たっています※8ので,一部機種を除くGeForce 8000以降のNVIDIA社製ビデオカードをお使いの場合は,使用してみるといいでしょう。設定は[オプション]-[環境設定]-[全般]-[ビデオ]タブの[出力ドライバー]を[vdpau]にします。ただし,筆者の環境※9では目立った効果は得られませんでした。もっと低速なCPUを使用するなど,条件を変更すれば効果が現れるものと思われます。

IntelのオンボードグラフィックやAMDのオンボードグラフィック/ビデオカードでもチップレベルでは動画再生支援機能が備わっていますが,現状は有効にできないか,有効にしても大して効果がないか,有効にするためにとても大変なことをしないとダメかで,いずれにせよそれほどのメリットはなさそうです。

ただし,リリースノートにもあるとおり9.04だとIntelのオンボードグラフィックは低速で,検証していてもコマ落ちすることがたまにありました。必要に応じてPPAからアップデートを行ってください。

以上はDVD再生を前提としましたが,普通の動画ファイルでも有効ですので,適宜使用してみてください。

次回はfirewallに関すること何からしいです。どうぞお楽しみに。

※7
厳密にいえばVDPAUはAPIなので,この表現は正しくありません。
※8
ただし9.04用と8.10用で,8.04用ではVDPAUは使用できません。
※9
Intel Core 2 Duo E8400 + Intel G33 + ICH9R + 4GBメモリ + Seagate 7200.12 500GBがベースで,GeForce 9400 GTとRADEON HD 4650を必要に応じて増設して検証を行いました。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。