Ubuntu Weekly Recipe

第137回 PulseAudioを活用する

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Audacityを使って,ライン入力を視聴しながら録音する

Audacityでライン入力を視聴しながら録音したい場合は,Audacityの設定ウインドウの項目「録音」において,⁠ソフトウェアによるスルー再生」を有効にしてください。録音を開始すると,pavucontrolのPlaybackタブにAudacityが表示されますので,出力したいサウンドデバイスを指定します。今回は「Internal Analog Stereo」に出力してあげます。

図9 Audacityの設定画面

図9 Audacityの設定画面

図10 Audacityからの出力

図10 Audacityからの出力

本格的なレコーディングには,JACK環境がおすすめ

デジタルレコーダーとして使う場合は,Adobe Flash Playerの録音とはまた違ったところ(サウンドデバイスでアナログ/デジタル変換をする際のサンプリング周波数や量子化ビット数,クリッピングなど)に注意する必要があります。

これらやリアルタイムエフェクトおよびDTMに興味のある方は,Jack Audio Connection Kitを中心としたJACK環境を利用してみることをおすすめします。マルチメディア編集環境に特化しているUbuntu Studioは,標準状態でJACKとその関連パッケージが使えるため,そのような用途にぴったりです。

Open Sound SystemソフトウェアをPulseAudioで使う

PulseAudioはOpen Sound Systemにも対応しています。そこで次に,Open Sound SystemソフトウェアをPulseAudioで使う方法を説明します。

ただしLucid環境では,ALSAが標準のサウンドドライバとなっているため,Open Sound Systemをバックエンドに使うソフトウェアは通常使えません。Open Sound Systemをサウンドドライバにするには,ALSAの削除,パッケージ「oss4-dkms」の導入,PulseAudioのOpen Sound System用モジュールを有効にする設定など,面倒な操作が必要です注5)⁠

注5
しかし筆者の環境ではエラーが出てインストールできなかった。どうやら既知のバグらしい。

そのため,アプリケーションのバックエンドにALSAやPulseAudioを設定することができるのなら,Open Sound Systemではなくそちらを選択するのが無難です。しかし,GTKメトロノーム「gtick」などはバックエンドを選択できません(gtickでは,デバイスファイルである「/dev/dsp」しか指定できません)⁠このような場合は,ALSAもしくはPulseAudioのOpen Sound Systemエミュレーションモジュールを利用します図11)⁠

図11 上はALSAによるOpen Sound Systemエミュレーション,下はPulseAudioによるOpen Sound Systemエミュレーション

図11 上はALSAによるOpen Sound Systemエミュレーション,下はPulseAudioによるOpen Sound Systemエミュレーション

ALSAのOpen Sound Systemエミュレーションモジュールを使う場合は,Synapticなどでパッケージ「alsa-oss」をインストールします。実行の方法は,起動したいプログラムの前に「aoss」をおきます。例えばgtickの場合は,以下のようになります。

$ aoss gtick

PulseAudioにもOpen Sound Systemエミュレーションモジュールがあり,こちらは標準でインストールされています。パッケージ名「pulseaudio-utils」に含まれている「padsp」です。使い方はalsa-ossと同じく,以下のようになります。

$ padsp gtick

好みのエミュレーション方法のコマンドを,ランチャーに登録しておくと便利です。

Linuxにおけるサウンド関係は,ALSAやOpen Sound System,FFADO,PulseAudio,JACK,GStreamer,Xine,Phonon,SDL,PortAudio,一昔前のEsounDやaRtsなど,いろんな技術が入り混じっていてわかりにくい印象があります。しかし,Ubuntuは標準状態においてPulseAudioとALSAを中心とした構成となっているため,この2つの設定とその変更方法を把握できれば,様々なトラブルに対応できると思います。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。