Ubuntu Weekly Recipe

第168回 PreziとUbuntuでプレゼン資料を作る

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PreziとUbuntuでプレゼン資料を作る

prezi.comというプレゼンテーション資料作成サービスをご存知でしょうか。プレゼンの資料といえば,PowerPointやOOo Impressで作成する「ページをめくっていく紙芝居タイプ」のものが一般的だと思います。Preziは「プレゼン資料全体を一枚の絵とし,その中を回転,拡大,縮小しながらカメラを移動させていく見せ方」をするツールです。

今週のレシピは,先日4月16日のオープンソースカンファレンス2011 Kansai@Kobeにて筆者が行なったプレゼンテーションの資料を題材に,prezi.comとそのオフライン版クライアントであるPrezi Desktopを紹介します。

なお,筆者が行ったプレゼンテーションの資料は次のものです。Preziで作成したプレゼンがどのように見えるのか,参考になれば幸いです。

Prezi.comにアカウントを作成する

PreziはFlashベースのWebサービスですので,UbuntuからもFirefoxやChromeといったWebブラウザから利用することができます。

まずはPreziのアカウントを作成しましょう。prezi.comへアクセスし,"Sign up now"をクリックしてください。Preziには無料で使える⁠Public⁠ライセンスの他に,年59ドルの⁠Enjoy⁠ライセンスと,年159ドルの⁠Pro⁠ライセンスが存在します。Publicライセンスではオンラインでのプレゼン作成と,完成したプレゼン資料をWindows/Macの実行形式へのエクスポート(後述)機能のみが利用でき,ストレージ容量は100MBとなっていますが,試しに利用してみるには十分といえるでしょう。後述するオフラインクライアントであるPrezi Desktopを利用するためにはProライセンスが必要になりますが,登録してから最初の30日は無料で試用することが可能です。

ここでPublicライセンスの⁠Get⁠をクリックすると,レジストレーション画面に移ります。名前,メールアドレス,パスワードを入力して,登録を完了してください。

図1 Preziのライセンス選択画面。Publicライセンスならば無料で作成できる

図1 Preziのライセンス選択画面。Publicライセンスならば無料で作成できる

Webブラウザでプレゼン作成

PreziはFlashベースのWebアプリですので,Flashプラグインをインストールしておく必要があります。flashplugin-installerパッケージやubuntu-restricted-extrasパッケージなどを事前にインストールしておいてください。

flashプラグインのインストール

$ sudo apt-get install flashplugin-installer

登録が完了したら,prezi.comから⁠Log in⁠をクリックしてログインしてください。ログインが完了すると,自動的にPreziのマイページに移動します。ここではプレゼンの新規作成や,既存のプレゼン一覧が表示されます。プレゼンを新規作成するには⁠New prezi⁠をクリックします。また既存のプレゼンを開く場合は,開きたいプレゼン資料をクリックしてください。

新規作成の場合は,⁠Create a new Prezi⁠というダイアログが表示されますので,プレゼンのタイトルと解説を入力し,⁠New prezi⁠をクリックします。

図2 Preziのマイページ。プレゼンを新規作成するには⁠New prezi⁠をクリックする

図2 Preziのマイページ。プレゼンを新規作成するには“New prezi”をクリックする

図3 新しいプレゼンを作成する場合は,タイトルを入力する必要がある。なお,解説は空白でもかまわない

図3 新しいプレゼンを作成する場合は,タイトルを入力する必要がある。なお,解説は空白でもかまわない

プレゼンが作成され編集画面に遷移すると,最初にチュートリアルが表示されます。ここでオブジェクトの移動,拡大縮小,パスの指定といったPreziの基本的な編集方法を学ぶことができますので,一度は目を通しておくとよいでしょう。

Preziで描けるオブジェクトは非常に単純で,次のようになっています。

  1. テキストの入力(Write)
  2. 画像,YouTube動画の挿入(Insert)
  3. 矢印,マーカーの描画(Shapes)
  4. 枠線,丸,四角の描画(Frame)

画面左上にあるリング状のメニューからこれらを選択し,クリックやドラッグでキャンバス上に配置していきます。配置したオブジェクトをドラッグで移動,拡大縮小,回転させ,最後に⁠Path⁠メニューでオブジェクトの表示させたい順番を指定すれば,プレゼン資料は完成です。このようにPreziは非常に直感的なインターフェイスになっていますので,Adobe IllustratorやMicrosoft Visioなどを触った経験がある人ならば,すぐに馴染めるのではないでしょうか。

完成したプレゼンは⁠Show⁠メニューから見ることができます。矢印ボタンをクリックするか,キーボードの←→キーでページを送ることができます。カメラがキャンバスの上を移動し,オブジェクトの大きさや向きにあわせて拡大,縮小,回転がなめらかに行なわれるプレゼンは,なかなか視覚的に訴えるものがあります。

図4 初回起動時に実行されるチュートリアルは一度目を通しておくとよい

図4 初回起動時に実行されるチュートリアルは一度目を通しておくとよい

図5 リング状に配置されたメニューをクリックして,各種操作を行う

図5 リング状に配置されたメニューをクリックして,各種操作を行う

なお,作成したプレゼンはデフォルトで⁠Public & allow copy⁠(誰でも閲覧可能かつ複製可能)に設定されています。複製を禁止することはできますが,Private(非公開)にするにはEnjoyライセンス以上が必要ですので,社外秘な資料をPublicライセンスのPreziで作成したりしないよう注意してください。

作業に伴う問題点

Webブラウザ上で簡単にモダンなプレゼン資料が作成できるPreziですが,使ってみるといくつかの問題も目につきます。

1. 重い

ブラウザ上で動作するということもあり,とにかく重いです。筆者はCore i3/メモリ2GBのマシンでプレゼンを作成していましたが,キャンバス上のオブジェクトが増えるにしたがい,キャンバスのスクロールすらおぼつかないほど動作が重くなることを何度か経験しています。

2. オブジェクトが掴めなくなる/消える

作業をしていると,オブジェクトがクリックで掴めなくなることがあります。また,掴んだオブジェクトをドラッグで移動させようとした際に,オブジェクトが消失してしまう問題にも遭遇しました。このような場合は一度⁠Exit⁠してから再度プレゼンを開きなおすと症状は改善します。

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。株式会社インフィニットループ所属。

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