Ubuntu Weekly Recipe

第238回 夏休み特別企画・MixxxでDJになろう!

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

あなたはこの夏,デビューしましたか?

夏もそろそろ終わりですが,夏といえばいろいろなことにデビューする季節です。学生のみなさまは新学期に向けていろいろ道を踏み外しているはず。そこで,のがたは社会人ながらも,DJデビューをしてしまいました。

DJというとラジオでしゃべるDJもありますが,今回はそちらのDJではなく,音楽をかけて場を盛り上げるほうのDJをUbuntuを使ってやろうではないかというお話です。

Mixxxとは

Mixxxは,PCを使ってDJプレイをおこなう「PCDJ」のためのソフトウェアです。

DJは,2つのターンテーブル(レコードプレーヤー)やCDJ(CDプレーヤー)と音をミックスするミキサーを使って交互に切れ目なく音楽をかけ,場を盛り上げていきます。Mixxxではターンテーブルの代わりに2つのデッキがあり,そこに楽曲ファイルをセットし,内蔵ミキサーで音を切り替えながらDJプレイをしていきます。

Mixxxの代表的な機能をピックアップすると,次のとおりです。

  • 2つのデッキと4つのサンプラーデッキ
  • 自動BPM検出と自動テンポ同期
  • DJ MIDIコントローラ,タイムコードレコード/CD※1コントロール対応
  • Shoutcast/Icecastを使ったストリーミング対応

才能と努力以外※2),PCDJに必要な機能が揃っています。

※1
レコード/CDプレーヤをDJコントローラとして利用するために使う特殊な信号が録音されたレコード/CDです。詳しくはマニュアルをご覧ください。
※2
MixxxマニュアルMixxx User Manual » Mixxx User Manualの冒頭,Mixxxの説明で「(except talent and hard work.)」と言及されています…。(´;ω;`)

Mixxxをインストール

Mixxxをインストールするには,Ubuntuソフトウェアセンターから「mixxx」で検索してインストールします。

図1 Ubuntuソフトウェアセンター

図1 Ubuntuソフトウェアセンター

Mixxxは開発コミュニティがPPAからパッケージを提供している※3ため,Precise以外の方はこちらを利用するとよいでしょう。

$ sudo add-apt-repository ppa:mixxx/mixxx
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install mixxx libportaudio2
※3
Mixxx Releases: "Mixxx Release Managers" team

Mixxxの起動と設定

Mixxxをはじめて起動すると,ライブラリディレクトリを指定するためのダイアログが開くのでmp3ファイルがあるディレクトリを設定してください(オプションで変更可)。設定するとメインウィンドウが開きます。

図2 Mixxx

図2 Mixxx

使いはじめる前にいくつか設定しなければいけません。メニューの「オプション」から「設定」を開き,各種設定をしていきます。

サウンドハードウェアの設定

オプションウィンドウを開きます。最初の設定はサウンドハードウェアです。

Mixxxを使うには独立した2組の音声出力を使います。一組は再生する曲を外部へ流す出力(出力タブの「マスター」)です。もう一組は次に流す曲を選択するためにモニターする内部の出力(出力タブの「ヘッドフォン」)です。大抵の場合,それぞれステレオ2チャンネルとなり,音声出力は合計4つ必要となるでしょう。

サウンドカードに4チャンネル以上の出力があればよいのですが,PCDJでよく使うノートPC環境は2チャンネルしか使えない場合がほとんどです。そのため,ここではUSB接続のサウンドハードウェアを追加しました。外部(マスター)用にはUSB接続のサウンドデバイス,選曲(ヘッドフォン)用にはノートPC内蔵のサウンドハードウェアを割り振ります。このハードウェア構成を図にすると,次のとおりです。

図3 サウンドハードウェアの最小構成

図3 サンドハードウェアの最小構成

「サウンドAPI」「サンプルレート」「レイテンシ」については,基本変更する必要がありません。ただしこの場合,Ubuntu標準のサウンドサーバーであるPulseAudioとサウンドハードウェアを「取り合う」状態となりますので,Mixxx以外のサウンドアプリケーションは終了しておくのがよいでしょう。なお,MixxxはJACKサウンドサーバーと併用することも可能です。

コントローラの設定

次にDJプレイのメインとなるコントローラの設定です。Mixxxはキーボードでも操作できますが※4),快適に操作をするのであれば専用のMIDIコントローラがあると便利です。

筆者が使用しているNumark DJ2GOというMIDIコントローラは基本機能しかありませんが,選曲のみと割り切るなら機能は十分です。

図4 DJコントローラを追加

図4 DJコントローラを追加

USB MIDIコントローラはUSB端子に差しておくと(使える使えないは別として)認識されます。認識されたコントローラを選択すると,次のような画面が表示されます。

図5 Mixxx設定MIDIコントローラ

図5 Mixxx設定MIDIコントローラ

まずは「有効」のチェックボックスにチェックを入れます。次に「プリセット」をロードしますが,DJ2GOの設定ファイルはMixxxには添付されていません。Mixxx WikiのDJ2GOのページに,有志の方が設定ファイルを作成されているのでそれを利用します。

利用方法はダウンロードした設定ファイル「Numark DJ2GO(OSX).midi.xml」を,ホームディレクトリの ~/.mixxx/presets/ に移動しておきます。そしてMixxxを起動するとプリセットとしてリストアップされるので選択します。

設定は以上です。しかしながらDJ2GOの設定ファイルは,CUEボタンになぜかフランジャー(エフェクト)が割り当てられているため,「MIDIマップ」のコントロール値で「Flanger」になってる部分を「cue_default」に変更しておくとよいでしょう。

※4
7. Controlling Mixxx » Mixxx User Manualを参照。
ハードウェアの情報について

コントローラなどのハードウェア情報は,Mixxx WikiのHardware CompatibilityページForumの「Controller presets/mappings」に情報が集まっています。Mixxxに対応したハードウェアを購入する場合,これらのページを見て情報収集をしておくとよいでしょう。

また,使いたいコントローラが対応コントローラにない場合,「MIDI Lerningウィザード」からMIDIコントローラ設定のひな形を作り,それを元に設定を作成することもできます。ただし全部の機能とコントローラのボタンやスイッチなどが対応しているかを一つ一つ押して確認し,抜けているMIDI情報の追加するなど,かなり骨が折れる作業が必要になります(それだけにコミュニティに貢献できるチャンスでもあったりします)。

著者プロフィール

のがたじゅん

Debian JP Projectメンバー。普段は関西Debian勉強会やDebian Liveで活動中。ほかにはオープンソースカンファレンスKansai@Kyotoの実行委員や地元,兵庫県姫路市でIT系勉強会「姫路IT系勉強会」の主催。そしてラジオに出たりDJイベントに出たりと,よくわからない人物になってきました。

コメント

コメントの記入