Ubuntu Weekly Recipe

第264回 NUCでUbuntu超小型PC生活

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"言葉には言霊が宿る"と昔から言われていますが,声に出した言葉は現実に影響を与えてしまう力があるようです。「このNUCいいなぁ」とつぶやいたら,Ubuntu Japanese Teamの黒幕の人に「お買い上げRecipe執筆よろしくお願いします」と言われ,気がついたら購入ボタンをポチっと押してました。言霊こわいよ言霊!

今回は,NUCという小型PCならびにThunderboltをUbuntuで使う方法を紹介します。

NUC旋風の到来

2012年末ごろから自作PC分野でNUCという小型PCが話題になっています。NUC(Next Unit of Computing)とは,Intelによってデザインされた小型PCフォームファクターのことで,約10cm四方の手のひらに乗せられるほどのサイズのPCです。CDケースを4枚重ねたものより一回り小さい,と言えば想像がつくでしょうか。これほど小さなため,VESAマウント対応のディスプレイの後ろにNUCを設置することも可能です。

図1 NUC本体はこんなに小さい

図1 NUC本体はこんなに小さい

このような製品が登場した背景として,最近はスマートフォンやタブレットなどのARMアーキテクチャーのデバイスに需要が移っており,x86アーキテクチャーのデスクトップPCの需要が減少すると予想されている事情があります。

このため,Intelは今後3年をかけてデスクトップPC向けマザーボード事業を縮小し,その分NUCやUltrabookなどのより新しく収益の上がりそうな事業に力を入れる予定です。NUCはサイズを小型にすることでデジタルサイネージ,キオスク端末,ホームシアターといった分野への需要など,従来のデスクトップPCより広い利用用途が見込まれています。

ハードウェア構成

今回テストしたハードウェアの構成です。

執筆時点(2013年2月)では3機種のNUCベアボーンが発売されており,DC3217BYはそのうちのCore i3 3217U/Thunderbolt搭載モデルです。他の2モデルはThunderboltが非搭載の代わりに有線LANが搭載されており,CPUにCore i3 3217UとCeleron 847を採用したモデルがそれぞれラインナップされています。また,NUCのマザーボード単品でも購入することができますが,価格差があまりないためNUCベアボーンを買うのがお勧めです。

購入する際は,NUCベアボーンの他に少なくともメモリー,SSD注1),3ピン電源ケーブル注2の3つも入手する必要があります。内蔵の無線モジュールは,NUC本体との同時購入のみ可としている店が多いので必要であれば一緒に購入しておくことをお勧めします。また購入後は,数々の問題が修正されているためBIOSを最新版にアップデートすることをお勧めします。

注1
NUC本体が小型なためSSDも通常のSATAコネクターではなく,より小さなmSATAコネクターのSSDが必要になります。
注2
NUCベアボーンにはACアダプタが付属していますが,コンセントとACアダプタをつなぐ電源ケーブルは別途購入する必要があります。ACアダプタ側のコネクターは3ピン(通称:ミッキー型)で少し特殊なので購入の際に間違えないようにしてください。

Ubuntuのインストール

今回はUbuntu 12.10 Desktop amd64のisoイメージを元に,[スタートアップ・ディスクの作成]を利用してUSBメモリーにインストールイメージを書き込み,NUCにインストールしました。

USBメモリーから起動させるため,電源を入れた後F2キーを押し続けてUEFIセットアップ画面を開きます。[Boot]カテゴリを開き,[Boot Priority]の項目でUSBドライブを一番上に移動させてください。設定が完了したら,F10キーを押した後で確認のYキーを押して設定を保存します。

再起動後にUbuntuインストーラーの指示どおりにインストールを進めれば,特に問題なくインストールが完了しました。HDMI接続によるディスプレイ表示やUSBなども正常に動作しており,内蔵の無線モジュールでWifi接続したり,Bluetoothを利用してApple Magic Trackpadが動作することも確認できました注3)。

注3
Thunderbolt非搭載のDC3217IYEなどのモデルでは有線LANにIntel 82579Vチップが使われているため,Ubuntu 11.04以降(正確にはカーネル2.6.36以降)で有線LANが動作するはずです。現実にUbuntuをインストールする場合は12.04以降が多いと思われるので問題ないでしょう。

3Dアクセラレーション

Unityを動作させるにはOpenGL 2.0対応のグラフィックカードが必要になります。次のコマンドでUnityに対応しているかを確認できます。

$ /usr/lib/nux/unity_support_test -p

DC3217BYはグラフィック機能としてIntel HD Graphics 4000をCPUに内蔵しており,フルHD動画でも快適に再生できます。

図2 すべて「Yes」となっておりUnity 3Dに対応していることが分かる

図2 すべて「Yes」となっておりUnity 3Dに対応していることが分かる

NUCの消費電力

ワットモニターを使ってNUCの消費電力計測を行いました。大きさの割に電源OFF時の待機電力がやや高めですが,フルHD動画再生などの負荷の高い作業でなければ使用時の消費電力は15~20W前後で省電力です。

  • 電源OFF時:3W
  • アイドル時:10W
  • 最高負荷時:39W

著者プロフィール

黒瀬修史(くろせしゅうし)

Ubuntu Japanese TranslatorsメンバーでUbuntuをはじめ他のアプリの翻訳も幅広く行っている。最近なかなか翻訳の時間が取れないのが悩み。

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