Ubuntu Weekly Recipe

第274回 Fcitxを使用する

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今となっては「日本語入力」というのは不正確で「インプットメソッド(入力メソッド)」という言い方が正確なのですが,わかりやすいのでここでは日本語入力としましょう。もちろんUbuntuの連載なのでUbuntu固有のことについて述べます。

昨今の日本語入力事情

Ubuntu 13.04では,表面的には日本語入力に関して大きな変化はありませんでした。IBusも1.4系列の最新版(そしてたぶん最終版)の1.4.2です。しかし内部的には大きく変わっています。と言うのも,日本語入力を自動的に起動するしくみとして,これまでは[im-switch]を採用していましたが,13.04からは[im-config]になりました。しかし,この変化を通常は意識することはないでしょう。明確なメリットとしては,今まではときどきインジケーターにIBusのアイコンが表示されないことがありましたが,これが最終的に解決されたことです注1)。しかも,upstartの新機能で起動しています注2)。

注1)
ちなみに12.04や12.10でも解決しているように見えますが,これはIBusの起動を数秒間遅らせるというアドホックなものです。
注2)
http://bazaar.launchpad.net/~ubuntu-branches/ubuntu/raring/im-config/raring-proposed/revision/25

次はIBusの話に移りますが,先程も申し上げたとおり13.04のIBusは1.4.2です。しかし,本稿執筆時のIBusの最新版は1.5.2です。IBusを最新版にしていないのには理由があり,GNOME 3.6以降にIBusが統合されたのです注3)。「統合」というとIBusの機能が完全に取り込まれたかのような印象を与えますが,そういうことではなく,[システム設定][地域と言語]で,IBusで使用するAnthyやMozcなどの変換エンジンを切り替えられるようになったのです。ただし統合の対象となるIBusのバージョンは1.5(とその開発版)以降であり,1.4以前は対象外です。

注3)
https://live.gnome.org/ThreePointFive/Features/IBus

それだけであればよかったのですが,IBusのあり方が大幅に変わってしまいました。まずは[IBusを起動する]という概念がなくなり,[日本語キーボード]から[Anthyが使用できるキーボード]注4[Mozcが使用できるキーボード]などに切り替えることによって起動とする,ということになりました。[入力ソース]のスクリーンショットは,つまりはそういうことです。ログイン直後に一番上になり,あとは下へ下へ切り替えていくということです。そして,その『切り替えキー』[Ctrl+Space]であり,これまでのように[半角/全角キー]での起動ができなくなりました注5)。

注4)
正確にはキーボードではなく入力ソースという言葉を使っています。
注5)
まだ確定ではないものの,次のバージョンのIBusではSuper+Spaceキーになる見込みです。

図1 IBusを統合すると,[地域と言語]から設定できるようになります。これはFedora 18のスクリーンショットです。

図1 IBusを統合すると,[地域と言語]から設定できるようになります。これはFedora 18のスクリーンショットです。

図2 これは手元で作成したUbuntu 13.04で動作するIBus 1.5.1です。「切り替え」というイメージが伝わったと思います。

図2 これは手元で作成したUbuntu 13.04で動作するIBus 1.5.1です。「切り替え」というイメージが伝わったと思います。

他にも[IBusの設定]のスクリーンショットを見ていただければ一目瞭然ですが,設定できる項目が著しく減少しています。1.5に関する議論で実際に出てきた話題としては,[IBusの設定][詳細]タブにあった[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを使用する]がなくなったのはとても困る,とのことでした。IBus 1.5だとこの機能がデフォルトでオンになっており,オフにすることはできません。たしかにWindows 8では[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを使用する]に相当する機能がデフォルトでオンになり(Windows 7以前ではオフでした),言語パネル相当機能も表示されなくなり,このあたりの影響を受けていると思われます。

図3 IBusの設定画面です。随分すっきりしたことと,Ctrl+Spaceキーで切り替えることがわかります。

図3 IBusの設定画面です。随分すっきりしたことと,Ctrl+Spaceキーで切り替えることがわかります。

図4 図2のアイコンと一致しており,ここにリストされたものを切り替えているということがわかると思います。ちなみにGNOMEと統合すると,図1で設定することになります。と言いますか,統合したらこのIBusの設定画面自体使うことがほぼなくなります。

図4 図2のアイコンと一致しており,ここにリストされたものを切り替えているということがわかると思います。ちなみにGNOMEと統合すると,図1で設定することになります。と言いますか,統合したらこのIBusの設定画面自体使うことがほぼなくなります。

図5 図7との比較用に掲載しました。

図5 図7との比較用に掲載しました。

しかし,いずれも隠されていますが設定を変更すれば切り替えはできます。GNOMEは可能な限り設定機能を少なくする方向なので,そもそも選択肢がなくなったのと,言語パネルはGNOME Shellとの兼ね合いでなくなったのかも知れません。

たしかに機能としてはインジケーターに統合されるべきであるとも考えられます。しかし,ついつい右下を見る癖はなかなか治らないので,言語パネルが表示されるほうが個人的には嬉しいです。筆者が困ったのはこの言語パネルが表示できなくなったことと,[半角/全角キー]で起動できなくなったことです。

なお13.10では,今のところはアナウンスがないもののIBus 1.5に移行するものと思われます。IBus 1.4まではUnityのインジケーターに対応するためのパッチが適用されていましたが,1.5では適用できません。しかし,よりきちんと実装したIndicator keyboard注6がCanonicalの社員によって開発されているのです。Canonicalも人材が潤沢というわけではないので,一社員が趣味で作っているとは考えにくい,ぐらいの根拠しかありませんが。

注6)
https://code.launchpad.net/~attente/indicator-keyboard/trunk

図6 IBus 1.4.2の設定画面です。図3と比較してください。

図6 IBus 1.4.2の設定画面です。図3と比較してください。

図7 IBus 1.4.2の設定画面です。図5と比較して,[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを使用する]があります。

図7 IBus 1.4.2の設定画面です。図5と比較して,[すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを使用する]があります。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

コメント

  • Lbuntuですが

    この方法でFlashも、ワープロも動きました。

    fcitx で Mozc してます。

    Commented : #2  うふふ (2014/02/23, 15:53)

  • 助かりました。ありがとうございます。

    Ubuntu 13.04のibus-mozcで、firefoxの入力箇所で日本語入力ができないという現象で困っていました。

    Fcitxをインストールしたら、firefoxでも日本語入力できるようになりました!! ありがとうございました。

    Commented : #1  てつろう (2013/08/06, 15:14)

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