Ubuntu Weekly Recipe

第274回 Fcitxを使用する

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そこでFcitx

IBus 1.5だとこれまでと同じように使うことができない,かと言って1.4はすでに開発が完了している,となるとIBus以外の日本語入力にするしかありません。IBus 1.4と同等以上の使い勝手で現在も活発に開発されているもの,ということでFcitx注7⁠[ˈfaɪtɪks])に白羽の矢を立てました。fcitx-anthyやfcitx-mozcがあったのもポイントが高いです。

注7)
http://code.google.com/p/fcitx/

とは言え,最初はほとんど翻訳されていなかったので,まずは翻訳することから始めました。fcitx-anthyはほぼ使いものになりませんでしたが,根気強く問題点を報告して現在では一点を除いて注8実用レベルになりました注9)⁠fcitx-mozcに関しては,⁠筆者がしたことはとくにないのですが)ibus-mozcと同等の使い勝手となりました。と言うわけで,UbuntuがIBus 1.5以降に移行してもこれまでと使い方を変えたくないという方は,Fcitxの使用を検討しても良いのではないでしょうか。

注8)
ATOKキーバインドユーザは[変換]キーをよく使うと思うのですが,現段階ではこれが機能しません。ただし,これを見て「困る」と思わなければ,とくに問題ないでしょう。修正にはFcitxそのものに手を入れる必要があるらしく,すぐに修正するのは難しいようです。
注9)
あくまで筆者の感覚ですが。

Fcitxのインストール

Fcitxのパッケージはいくつか13.04にもありますが,今回は一切使用しません。現在は筆者のPPAにあるものを使用することになりますが,13.10では全部は無理かも知れませんが可能な限りオフィシャルのリポジトリから取得できるようになればいいな,と思っています。

次のコマンドを実行して,インストールしてください。

$ sudo add-apt-repository ppa:ikuya-fruitsbasket/fcitx
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install fcitx fcitx-anthy fcitx-mozc libfcitx-qt5-0

Fcitxへの切り替えは,⁠システム設定][言語サポート][キーボード入力で使用するIMシステム][fcitx]にしてください。

図8 ⁠キーボード入力で使用するIMシステム][fcitx]に切り替えます。

図8 [キーボード入力で使用するIMシステム]を[fcitx]に切り替えます。

システムまるごとの設定を行いたい場合は,

$ sudo im-config -c

でim-configコマンドを実行し,指示に従って[fcitx]を選択してください。通常は前者でいいでしょう。切り替え後,ログアウトして再ログインすれば使用できます。

半角/全角キーを押せばMozcが起動します。状態パネル(これはFcitx用語で,IBus用語だと[言語パネル]のこと)が小さすぎる場合は,⁠dark]スキンを使用するといいでしょう。状態パネルを右クリックするなどして表示される[スキン]から変更できます。設定方法などはまた別の機会で解説できればと思います。

ただし,Unityで使うと不具合注10があります。Ubuntu Kylin注11のデフォルトはFcitxなのでさぞかし困っていると思うのですが,14.04でUnity Nextになればなし崩し的に問題がなくなる注12ので,修正されるのが望ましいものの,修正されなくてもいずれは解決されます。

注10)
https://bugs.launchpad.net/bugs/1175669
注11)
https://wiki.ubuntu.com/UbuntuKylin
注12)
厳密にはおそらくUnityで採用しているツールキットであるNuxのバグですが,これはUnity Nextでは採用されないことになってます。詳しくは第269回をご覧ください。

余談:UnityとGNOME Shellで異なるIBusアイコンが表示されない理由

Ubuntu 12.04までのUnityでIBusのアイコンが表示されなかったのは,単純に起動のタイミングの問題です。インジケーターアプレットよりもIBusが先に起動すると,それはアイコンの表示は無理というものです。結局これは10秒待たせる注13というアドホックな方法で解決しました。im-configは,よりエレガントな方法で解決しています。

注13)
http://bazaar.launchpad.net/~ubuntu-branches/ubuntu/quantal/im-switch/quantal-updates/revision/14

一方GNOME ShellでIBusアイコンが表示されないのはまったく別の話ですが,筆者の力量では原因が特定できませんでした。gnome-control-centerパッケージにパッチを適用し,IBusとの統合部分は削除されています。ほかにインジケーターに対応するパッチも当たってはいるものの,いずれも表示されない原因にはならないように思えます。そればかりか,なぜかibus-daemonのverboseオプションが有効にならないので,なおさら原因追求が困難でした。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。