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第283回 Apache OpenOffice 4.0をインストールする

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今回は,リリースされたばかりのApache OpenOffice 4.0の紹介や,開発の様子,インストール方法を紹介します。

リリースまでの道のり

Apache OpenoOffice(以下AOO)⁠ 4.0は,新春特別企画に2013年4月リリース予定(だけど適切な時期)と書きましたが注1)⁠最初のリリース目標日は2013年6月25日になりました。進行するにつれ,これに間に合わなさそうということで次は2013年7月16日になりましたが,それでも数日遅れで進行していたものの土壇場になって不具合が見つかり結局,昨日2013年7月23日にリリースされました。

新機能も「大部分が実装されるでしょう」と書きましたが,実のところそうでもありませんでした。リリース予定日に合わせるため,それなりの機能が4.1に先送りになりました。とは言え,最大の目玉であるサイドバーは新機能として盛り込まれています。

注1)
「適切な時期」の種明かしをすると,2013年4月リリースは無理でもLibreOffice 4.1がリリースされる2013年7月末までに,LibreOffice 4.1よりは早くリリースされると思っていました。

おもな変更点

リリースノートによりますと,22の言語注2をサポートし,500以上の不具合を修正したとのことです。

新春特別企画にも記したとおり,IBM Lotus Symphony(以下Symphony)が開発を終了し,AOO 4.0に引き継がれることになったので,ユーザがスムーズに移行するためにはその特徴も引き継ぐ必要があります。その端的なものはサイドバーです。サイドバーに関しては後述するとして,それ以外の部分ですが,多くはSymphonyに施された不具合修正をAOOに移植することです。リリースノートにもあるとおり,その不具合はおもにMicrosoft Officeとの互換性に関する部分が多いです。

その他挙げるべきはギャラリーでしょう。今までのギャラリーはほぼ役に立ちませんでしたが,ようやく実用に耐えうるものになりました。テンプレートに関しても新しいものが追加されていますが,第279回で取り上げたとおり日本語ではテンプレートが古いままなので,ここで作成したテンプレートを使用すると良いのではないでしょうか。ロゴも今風のフラットなデザインに変更されています。

図1 AOO 3.4.1の情報ダイアログ。よく見たら⁠OpenOffice.org 3.4.1⁠と書いてある

図1 AOO 3.4.1の情報ダイアログ。よく見たら“OpenOffice.org 3.4.1”と書いてある

図2 AOO 4.0.0の情報ダイアログ。ロゴの違いがわかりやすい

図2 AOO 4.0.0の情報ダイアログ。ロゴの違いがわかりやすい

注2)
中国語繁体字など,今後もっと増えるはずです。ちなみにLibreOfficeは116の言語をサポートしていますが,翻訳率が低いものもあります。AOOはより厳格で,翻訳率が高いものしかリリースされないので少なくなっています。

サイドバー

サイドバーに関しては,Wikiブログで言及されています。

Symphonyからもたらされたサイドバーという説明は厳密にいえば間違いで,Symphonyにはサイドバーはありませんでした。同じように見えるものはプロパティパネルと言い,確かにSymphonyにメニューを見てもサイドバーはありませんが,プロパティパネルならあります。それに,そもそもSymphonyとAOOでは構造上の大きな違いがあります。Symphonyには拡張機能はありませんでしたし,図形描画もありませんでした。他にもいくつかの理由によってまず最初にサイドバーという「枠」を作成し,ここにプロパティパネルやタスクペイン(Impressのパネル)やギャラリーなどを移植しました。サイドバーによってカスタマイズが容易になり,また拡張機能にも対応しました。

サイドバーの特徴は,画面右に固定注3して表示されている,ということです。最近はワイドディスプレイが主流になっており,横に余裕はあっても縦にはない,というのが普通なので,縦方向に画面を広く使えるようになるのは嬉しいです。また,プロパティパネルは作業内容に応じて表示内容が変わります。換言すれば,メニューから設定を変更したりすることが減るということです。ダイアログの表示回数も格段に減ると思いますが,それだけでできないことは「詳細オプション」を起動すればいいです。このあたりはMicrosoft Officeのリボンインターフェースも同じですね。

よって,サイドバーがあるのとないので大幅に作業効率に差が出ることになるはずです。もちろん慣れの要素が大きい面もあるので,いきなりサイドバーをバリバリ活用することはないと思うのですが,まずは[表示][ツールバー][書式設定]で1つツールバーを消してみところから始めてみると良いでしょう。いかに今までのインターフェースに慣れていたのかを身を持って体感できます。

図3 Symphonyとプロパティパネル

図3 Symphonyとプロパティパネル

図4 AOO 4.0とサイドバー

図4 AOO 4.0とサイドバー

図5 起動直後の図形描画

図5 起動直後の図形描画

図6 四角形のオブジェクトを作成すると,サイドバーのプロパティパネルが変化する

図6 四角形のオブジェクトを作成すると,サイドバーのプロパティパネルが変化する

図7 内容パネルの右端には[詳細オプション]ボタンがある

図7 内容パネルの右端には[詳細オプション]ボタンがある

注3)
正確に言えばサイズも場所も可変ですし,分離することすらも可能です。ここではあくまでデフォルトで,ぐらいの意味です。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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