Ubuntu Weekly Recipe

第348回 新フレーバー,Ubuntu MATE入門

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

コンポーネント

コンポーネントの多くもGNOME 2.xから派生しています。その中で,名前が大幅に変わったものだけをピックアップします。

Atril

AtrilはEvinceから派生したドキュメントビューアーです。スペイン語で「聖書台」⁠講義台」の意味です。現在開発中のバージョンでは独自にEPUBサポートが追加されているなど,Evinceとの違いも見えてきました注4⁠。

注4)
Evinceは現在もEPUB未サポートですが,次のGNOME 3.16ではGNOME DocumentsでEPUBをサポートするそうです。

Caja

Cajaはファイル(Nautilus)から派生したファイルマネージャーです。スペイン語で「箱」の意味です注5⁠。見た目的には昔のNautilusという感じですが,中身は結構書き換えられています注6⁠。

注5)
発音は(正確にカタカナにするのは不可能ですが)⁠カハー」に近いです。
注6)
CajaだけではなくMATE全体的にそうなのですが。

Engrampa

EngrampaはFile Rollerから派生したアーカイブマネージャーです。スペイン語でステープル(ホッチキス)を意味するようですが,残念ながら確証は得られませんでした注7⁠。

注7)
少なくともいくつかの辞書にはありませんでした。

Marco

MarcoはMetacityから派生したウィンドウマネージャーです。スペイン語で「枠」を意味する言葉だそうです。ちなみにMetacityはGNOME 3.xではMutterとして派生しており,Metacity自身は長らくメンテナンスされているとは言いがたい状態でした。しかし最近はGTK+ 3にポーティングされるなど,奇しくもMetactyとMarcoは似たような道を歩んでいます注8⁠。

注8)
Marcoを始めいくつかのMATEコンポーネントは,すでにGTK+ 3もサポートしています。

Mozo

MozoはAlacarteから派生したメニューエディターです。スペイン語で「接客係」を意味します注9⁠。もともとあまり変更するところもないからか,派生後の変更点はあまり多くありません。

注9)
発音は「モッソー」に近いです。

Pluma

Plumaはgeditから派生したテキストエディターです。スペイン語で「ペン」を意味します。

インプットメソッド

Ubuntu MATEにはインプットメソッドはありません。厳密にいえば開発中に一度IBusが入りましたが,即座に削除されました注10⁠。というわけで好きなものをインストールすれば良いのですが,他のデスクトップ環境と比較しても選択肢が豊富で,インプットメソッドに関心がある人はMATEを選択すると良いのではないでしょうか,と思うくらいです。

注10)
これは現時点では賢明な判断だと言わざるを得ません。

IBus

IBusは今のところUbuntuではデフォルトのインプットメソッドですが,正直な話,MATEの古風なルック&フィールを気に入る人がIBusの新しい挙動を気に入るとはちょっと思えないので,この組み合わせで使う人はあまりいないのではないかと思います。とは言えどうしてもIBusのほうが良いと言う場合もあるでしょう。というわけで,インストールする場合は⁠ibus⁠パッケージと⁠ibus-mozc⁠パッケージをインストールしてください。⁠ibus-mozc⁠以外にも⁠ibus-anthy⁠⁠ibus-skk⁠や新顔の⁠ibus-kkc⁠でも良いでしょう。

Fcitx

MATEで使うならFcitxがベストチョイスだと思いますので,特にこだわりがない場合はこれをインストールすると良いでしょう。⁠fcitx⁠⁠fcitx-mozc⁠パッケージをインストールしてください。⁠fcitx-skk⁠も使用できるようになりました。wikiを参考にカスタマイズするとより良いでしょう。

uim

MATEはuimとの相性が良いです。uim-skkを使用したい人はMATEにすると良いのではないでしょうか注11⁠。ツールバーをシステムトレイに埋め込むことにより,画面を広く使うことができます。ただ,配色に難があるので変更すると良いでしょう。

注11)
uim-mozcはあまりオススメしません。Mozcを使用したいならIBusかFcitxがオススメです。

“uim⁠パッケージと⁠uim-skk⁠パッケージをインストールし,ログアウトして再ログインすると使用できるようになります。テーマは[システム][設定][外観][テーマ]で変更できます。図4では[BlueMenta]にしてみました。

図4 右上にuimのツールバーを埋め込むことができる

図4 右上にuimのツールバーを埋め込むことができる

ATOK X3

決してオススメするわけではないのでインストール方法の紹介はしませんが,ATOK X3との相性も良いです図5⁠。

図5 ATOK X3が動作しているところ

図5 ATOK X3が動作しているところ

カスタマイズ

GNOME 2.xをお使いだった方はご存知だろうとは思うのですが,上下のパネルを右クリックするとさまざまなカスタマイズを行うことができます。アイテムの追加や削除はもちろん,各アイテムを右クリックすると[ロックする]があるので,このチェックを外すと任意の場所(もちろんパネル内である必要がありますが)に移動できます。また[システム][設定][外観の設定]でテーマなども柔軟なカスタマイズが可能であり,自分の好みのデザインにすることができます。この強力なカスタマイズ性もMATEの魅力です。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。