Ubuntu Weekly Recipe

第350回 UbuntuのためのEPUBリーダー「Beru」

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スマートフォン・タブレット用に開発しているUbuntu Touchでは,今のところ既存のデスクトップアプリケーションは動きません。そのためコミュニティでは,いくつものUbuntu Touchとデスクトップ版の双方で動くようなアプリケーションを開発中です。EPUBリーダーは「Beru」はそんなアプリケーションの1つです。

Ubuntuのための電子書籍リーダー

Ubuntu TouchはディスプレイサーバーとしてMirを使っているため,そのままでは既存のX Window System向けのアプリケーションは動きません。しかしQt/QMLとUbuntu UI Toolkitを使ってアプリケーションを開発できるため,多少の調整は必要ではあるもののUbuntu Touch向けのアプリケーションをほぼそのままデスクトップ上で動作させることは可能です。

図1 Ubuntuで動くEPUBリーダー

図1 Ubuntuで動くEPUBリーダー

今回紹介するBeruはそんな,Touchとデスクトップ双方で動作する,EPUBリーダーです。⁠The Basic Epub Reader for Ubuntu」という名前にもあるように注1)⁠元々は1年前に行われたUbuntu Touch向けのアプリコンテストで開発されたアプリケーションで,そのまま開発を継続し2014年の11月にめでたく1.0がリリースされたばかりのアプリケーションでもあります。

注1)
この「Basic」は必要最小限というよりは,使い方が簡単とか複雑ではないという意味で使っているそうです。
  • 対応しているのはDRMなしEPUBファイルのみ
  • 日本語に対応(ただし目次や表紙の日本語で一部化けることがある)
  • 縦書きや縦中横,異体字,外字なども表示可能
  • 埋め込みフォントの対応
  • 透過画像を含むページ内部の画像を表示可能

QtのQtWebKitエンジンをベースに開発しているOxideを利用しているため,WebViewで表示できるコンポーネントならほぼ問題なく対応しているという状況です。目次や表紙については本文と異なりWebViewではなく自前でレンダリングしている都合上,文字化けする場合があります。

もう1つ致命的な問題として,縦書きを表示した時,ページ送りがうまくできないことがあるようです。

デスクトップにインストールする

デスクトップにインストールする場合はPPAを利用します。Ubuntu 14.04 LTS,Ubuntu 14.10どちらにもインストール可能です。14.04の場合のみ,先頭行のように「ubuntu-sdk-team」のPPAも追加します注2)⁠

注2)
Beruのバージョンが上がって,より新しいQtやUbuntu UI Tookitを必要とした場合は,14.10でもubuntu-sdk-teamのPPAが必要になるかもしれません。
sudo add-apt-repository ppa:ubuntu-sdk-team/ppa
sudo add-apt-repository ppa:rschroll/beru
sudo apt update
sudo apt install beru qmlscene

あとはDashからBeruを検索して起動するだけです。初回起動時はEPUBファイルの保存場所を設定します。そのまま「Create Directory」を押した場合は,ホームフォルダーの「Books」以下になります。

図2 ダイアログがオーバーラップしているが「Books」は変更可能

図2 ダイアログがオーバーラップしているが「Books」は変更可能

図3 EPUBファイルを移動したら「Search Again」で再読み込みできる

図3 EPUBファイルを移動したら「Search Again」で再読み込みできる

あとはBooks以下にEPUBファイルを置いてBeruを起動すれば,自動的にLibraryに読み込まれます。

図4 右上でLibraryの設定変更,再読み込みなどができる

図4 右上でLibraryの設定変更,再読み込みなどができる

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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