Ubuntu Weekly Recipe

第515回 Ubuntu 18.04 LTSとSnapパッケージ

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

Snapパッケージの特徴とコマンド

Snapパッケージは,従来のDebianパッケージと多くの点で異なります。その中でも「チャンネル」Channels「制限」Confinementはユーザーとして意識しておくといい大きな違いとなっています。

チャンネル

「チャンネル」は細かいところでいろいろとあるものの,ユーザーとしてはリスクレベルとして"stable", "candidate", "edge", "beta"の4つがあることを覚えておけば充分でしょう。Ubuntuのproposedリポジトリと同じくテスト用のリポジトリが用意されているということですが,特に設定を変更しなくても複数のチャンネルからパッケージをダウンロードし,任意に切り替えることができます。

LibreOfficeを例にすると,本記事の執筆時点ではstableのバージョンは6.0.2.1で,candidateには6.0.3.2があります図5)⁠

図5 Snapパッケージ版LibreOfficeの執筆時点でのバージョン

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stableのバージョンをインストールする場合は次のコマンドを実行します。

$ sudo snap install libreoffice

続けてcandidateのバージョンをインストールするには次のコマンドを実行します。

$ sudo snap refresh --candidate libreoffice

この状態だとcandidateのLibreOfficeが有効になっています。状態を確認する場合は次のコマンドを実行します。

$ snap list

無効になっているバージョンも表示したい場合は次のコマンドを実行します図6)⁠⁠Rev」はリビジョンですが,これには重要な意味があります。

$ snap list --all

図6 現在インストールされているすべてのSnapパッケージのバージョン

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stableのバージョンに戻したい場合は次のコマンドを実行します。

$ sudo snap revert libreoffice

candidateのバージョンに戻したい場合はリビジョンを指定します。図6のとおり6.0.3.2のリビジョンは59なので,次のコマンドを実行します。

$ sudo snap revert libreoffice --revision 59

stableのLibreOfficeを削除したい場合は次のコマンドを実行してください。

$ sudo snap remove libreoffice --revision 55

もし複数のバージョンをインストールしたくない場合は

$ sudo snap install libreoffice

を実行し,続けてチャンネルの変更を行います。

$ sudo snap switch libreoffice --candidate

さらにアップデートします。

$ sudo snap refresh

これでcandicateのバージョンだけをインストールできます。

制限

「制限」は,Snapパッケージを利用するだけなら「classic」だけを知っておけばいいでしょう。例えばAtomをインストールしようとし,

$ sudo snap install atom

を実行すると図7のような警告が表示されます。そこで,次のコマンドを実行します。

$ sudo snap install atom --classic

図7 Atomのパッケージをインストールしようとするとエラーが表示される

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なお,Atomは例として挙げただけであり,実際の使用のおすすめをするわけではないので注意ください※2)⁠

※2
Snapパッケージ版のAtomは現在のところ日本語入力できません。

UbuntuソフトウェアとSnap

Ubuntu 18.04 LTSのUbuntuソフトウェア※3は,Snapパッケージのサポートがさらに進んでいます。インストールしたいパッケージ(今回はLibreOffice)の個別ページを開き,下部にスクロールするとチャンネル(Channel)が選択できるようになりました図8)⁠特に変更せずに「インストール」をクリックするとstableのバージョンをインストールします。candidateのバージョンをインストールしたい場合はcandidateのバージョンの横にある「Switch」をクリックし,⁠更新」をクリックします図9)⁠これでcandidateのバージョンになります。すなわち前述のsnap switchコマンドを実行しているのと同じ挙動です。

※3
ちなみにUbuntu 17.10のUbuntuソフトウェアにはこの機能はバックポートされていません。サポートがあと3ヶ月で切れることを考えると当然だと思います。

図8 ⁠Stable」をクリックするとポップアップが表示される

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図9 ⁠更新」をクリックする

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インストール後「Permissions」をクリックして表示されるメニューでパーミッションを変更することもできます図10)⁠

図10 パーミッションを変更することもできる

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追記

本記事の公開時点ではLibreOfficeのバージョンが6.0.3.2(リビジョン59)になっています。LibreOfficeのほか,ChromiumやFirefoxなどバージョンアップの間隔が短いものであれば各チャンネルのバージョンに違いがあることが多いので,本記事の検証を行いたい場合はそれらのパッケージのバージョンをsnap infoコマンドで確認してみてください。

第507回の補足

第507回でSnapパッケージ版LibreOfficeを紹介しましたが,少なくともUbuntu 18.04 LTSで6.0.3.2(リビジョン59)を使用する限りではインプットメソッドとメニューのフォントに関して問題となるところは見つからず,普通に使用できるようになっていました。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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