今回は,無償で利用できるVMware ESXiを使った仮想化環境の構築方法を解説します。
VMware ESXiとは
VMware ESXi(以下ESXi)は,VMware社のハイパーバイザーである「vmkernel」をベースにした仮想マシンの実行環境で,無償で利用できるようになっています。
- VMware ESXi 製品情報ページ
- URL:http://www.vmware.com/jp/products/esxi/
無償版ESXiでは,仮想マシンを停止せずに仮想ホストを移動する「VMotion」など便利な機能は利用できませんが,1台の仮想ホスト上でいくつかの仮想マシンを動かすような小規模な用途では十分に活用できます。
VMware社の製品のうち無償で使えるものとしては,実行専用の「VMware Player」や,サーバ用の「VMware Server」がありますが,どちらもWindowsなどの上で動作するホストOS型の仮想化環境です。初めてハイパーバイザー型のVMware製品を使う人が基本的な操作方法などを習得するのに適した製品と言えます。
ESXi 3.5との違い
ESXiは3.5の時から無償化されたため,すでに使ったことがある方も多いのではないでしょうか。vSphere 4へとバージョンアップした後もESXiは無償ですし,機能的にも大きく変わったところはありません。今のところ,ESXi 3.5が安定的に稼働しているのであれば,急いでバージョンアップする必要はないと言ってもいいと思います。
VMware ESXiを実行するハードウェアの準備
VMware ESXiを実行するにあたって,ハードウェアの準備にやや苦労するかもしれません。ESXiではデバイスドライバがvmkernelに組み込まれているため,vmkernel専用のデバイスドライバが必要です。そのため,通常のWindowsやLinuxなどに比べると対応しているハードウェアの種類が限られてくるからです。XenやHyper-VはWindowsやLinuxのデバイスドライバをそのまま利用できるので,幅広いハードウェアに対応できる点と対照的です。ただし,vmkernel組み込みのデバイスドライバは性能等で有利ということとのトレードオフであることは理解しておくべきでしょう。
ドライバの対応で特にひっかかるデバイスは,ネットワークインターフェースとハードディスクコントローラでしょう。
ネットワークインターフェース
ESXiはサーバ用途のため,廉価なネットワークコントローラには対応していません。Intel製ならほぼ動きますが,Broadcom製は型番によるでしょう。廉価製品の定番であるRealtek製(いわゆるカニ)は動作しないでしょう。
きちんとした仮想マシンの実行環境を構築するのであれば,ネットワークインターフェースは複数用意したいところですが,今回のようなお試し環境であれば,1つあれば十分です。
ハードディスクコントローラ
サーバ用のRAIDコントローラなどがあればベストですが,オンボードのSATAコントローラ+SATAのハードディスクはサポートはされているのですが正常に動かない場合があります。ただし,ESXiは後述するようにUSBメモリにインストールでき,ストレージとしてiSCSIやNFSなども使うことができます。ネットワークインターフェースさえ動くのであれば,ストレージはローカルには置かず,ネットワーク経由で利用するようにしてもよいでしょう。
いずれにしろ,VMware社がサポートしているサーバマシンが用意できれば,あまり苦労することはないと思いますが,廉価なサーバマシンや自作マシンの場合には,特にネットワークのコントローラの種類をしっかりとチェックして,場合によってはネットワークカードを増設してみる必要があるでしょう。
USBメモリにインストールする場合
ESXiの特徴として,USBメモリにインストールすることができます。ESXi 3.5の頃は手動でUSBメモリにコピーする必要がありましたが,ESXi 4からはインストーラがUSBメモリへのインストールを標準でサポートしています。
USBメモリは2Gバイトの容量のものがあればインストールに利用できます。うまくインストーラでインストール先として認識されない場合には,BIOSの設定でUSBメモリをどのように扱うかの設定を変更するなどしてみてください。初期化はインストール時に行われますので,事前の初期化は不要です。

