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VirtualBox 7.0がリリース、仮想マシンのフル暗号化をサポート

Oracleは10月10日(米国時間⁠⁠、オープンソースの仮想化プラットフォーム「VirtualBox 7.0」のリリースを発表した。2018年12月にリリースされた「VirtualBox 6.0」以来、3年10ヵ月ぶりのメジャーアップデートとなる。

Changelog -VirtualBox 7.0.0 (released 2022-10-10)

VirtualBox 7.0ではVM構成ログを含め、仮想マシンを完全に暗号化できるようになった。ただし現時点ではコマンドラインのみのサポートとなる。また、クラウド(OCI)でホストされている仮想マシンをローカル仮想マシンとしてVirtual Machine Managerに追加し、リモートコントロールできるようになっている。

GUIに関しても多くの改善が行われており、実行中のゲストの状態(CPU使用率、RAM使用率、ディスクI/Oレートなど)を一覧表示するtopやresource monitorに似たユーティリティが追加されたほか、ゲストOSの無人インストールを統合したウィザード、ユーザマニュアルのナビゲートと検索を可能にする新しいヘルプビューアウィジェット、実行中のプロセスを表示し、エラー報告を行う通知センターなども追加されている。また、Linux/Windows/macOSのすべてのプラットフォームでテーマのサポートが改善された(LinuxとmacOSはネイティブエンジン使用、Windowsは個別実装⁠⁠。

その他の主な変更点は以下の通り。

  • WebMコンテナのデフォルトオーディオ形式にVobrisを採用(Opusは終了)
  • Linuxゲストの「Guset Addictions」の自動更新のイニシャルサポート
  • VBoxManagerを介して「Guest Additions」をアップデートする際、ゲストを待機または再起動させる機能を実装
  • VBoxManagerの「Guest Control」にサブコマンド「waitrunlevel」を追加、ゲストが任意のランレベルに達するまで待機可能に
  • Windowsホストで、セッション0での実行(ユーザが誰もログインしていなくても仮想マシンを起動する)を実験的にサポート(デフォルトでは無効)
  • macOSホストですべてのカーネル拡張機能を削除、現在はAppleが提供するハイパーバイザとvmnetフレームワークに完全に依存、内部ネットワーク機能は未実装
  • Apple Silicon CPU(M1/M2)に対応したデベロッパプレビューパッケージを提供
  • DirectX 11にもとづく新しい3Dサポートの実装(Windows以外のホストはDXVK)
  • 仮想IOMUデバイスの追加(Intl/AMD)
  • EHCIおよびXHCI USBコントローラデバイスがオープンソースの基本パッケージの一部に
  • EFIセキュアブートのサポート
  • GDBによるゲストデバッグの実験的なサポート、KD/WinDbgによるゲストデバッグの⁠非常に⁠実験的なサポート
  • 全体的なアクセシビリティの向上、最新のQtバージョンの実装、ホストのスクリーンセーバーを無効にするオプションなどGUIが大幅に改善

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