知りたい!サイエンス
江戸の天文学者 星空を翔ける
--幕府天文方、渋川春海から伊能忠敬まで--
- 中村士 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2008.6.25[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 248ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3515-1
サポート情報
概要
江戸時代は日本の科学技術の時代であるともいわれます。なかでも天文学は数学とならんで独自の研究が発展していました。そのような天文学を切り開いた一人が江戸幕府で初代の天文方に任命され渋川晴海です。本書は彼以降、天文方のなしたことを時系列的に追う中で、当時天文学はどこまで進んでいたのか、観測はどうやって行われどこまで分かっていたのか、歴法はどのような変遷をたどったのかを追います。そして使われていた望遠鏡や観測機器、星図、民間学者などにもスポットを当て、いろいろな角度から当時の天文学に迫ります。
こんな方にオススメ
- 天体観測・天文学に興味がある方
- 日本の天文学と暦の変遷に興味がある方
- 江戸時代の科学技術に興味がある方
目次
第1章 日本天文学の幕開けと渋川春海
- 1・碁打ちの天文学
- 2・中国からの暦・天文学の導入
- 3・平安から中世・戦国時代へ
- 4・貞享暦への道
- 5・渋川春海の天文観測技術と星図
第2章 天文将軍、吉宗の登場
- 1・実学を好んだ吉宗
- 2・二人の数学者の助言
- 3・吉宗の創案した装置と天文観測
- 4・長崎の眼鏡師、森仁左衛門
- 5・宝暦暦の失敗-幕府天文方と京都土御門との確執
第3章 麻田派天文学者と寛政の改暦
- 1・蘭学の勃興と西洋天文学の導入
- 2・麻田剛立の天文学
- 3・高橋至時と間重富
- 4・寛政の改暦
- 5・『ラランデ天文書』の舶載と至時
- 6・『寛政暦書』の天文儀器
第4章 浅草天文台と伊能忠敬の日本全国測量
- 1・浅草天文台の人々と忠敬の入門
- 2・忠敬の測量行
- 3・忠敬隊が使用した天文測量器具
- 4・測定器の目盛の話
- 5・地方の天文・測量家の活躍
- 6・幕末の天文方と近世星図
第5章 日本人を魅了した新奇な西洋天文儀器
- 1・オクタントとセキスタント
- 2・オクタントの日本への渡来
- 3・日本天文学の恩人、コルネリス・ダウエス
- 4・日本の天文学者の反応
- 5・日本独自の測量器具としてのオクタント
- 6・謎のオランダ製天文象限儀
第6章 望遠鏡の製作と在野の天文家たち
- 1・望遠鏡の伝来
- 2・東アジアでの望遠鏡製作
- 3・岩橋善兵衛の望遠鏡
- 4・国友藤兵衛の反射望遠鏡と天体観測
- 5・遊歴の天文啓蒙家朝野北水と葛飾北斎
第7章 いつの時代も天体観望は皆の楽しみ-星空ロマン
- 1・橘南谿が主催した天体観望会
- 2・天文ファン儒学者と幕府天文方との交流
- 3・殿様の時計・天文趣味
- コラム1 望遠鏡の種類と構造
- コラム2 精密角度目盛の製作法
- コラム3 「歴史的三角点」の提唱