テック・ライブ!
国産エコ技術の突破力!
―日本が世界のグリーンニューディールをリードする
- 永井隆 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2009.10.1[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3999-9
サポート情報
概要
これから巨大なビジネスチャンスがある環境技術は、日本が技術立国として勝ち残るための生命線だ。ハイブリッドカー、CCS(CO2回収技術)、セルロース系バイオ水素燃料、エコジェット機、ニッケル水素電池、電気自動車…など、注目の国産エコ技術の開発者たちへの取材を通じて、その技術の先進性と将来性を明らかにする。実用化に奮闘する技術者たちのドラマを軸に、先端の環境技術がわかるノンフィクションエンターテインメント。日経BPネットで連載中の「フロントランナー」の記事をまとめて単行本化。
こんな方にオススメ
- 日本がこれから依って立つ環境技術を知りたい方
- 環境技術をビジネスに変える方法論を学びたい方
- エコカー、CO2固定、ニッケル水素電池、バイオ水素などの業界関係
目次
1章 ハイブリッド車をすべての人に──ホンダ「インサイト」
- 1-1 開発目標は廉価なハイブリッド 日程や生産工場は自分で決めろ
- 1-2 環境性能だけでない魅力的なクルマをめざせ
- 1-3 軽量化が最大の切り札「極限まで部品を削れ!」
2章 乾電池に代わる充電池を求めて──三洋電機「エネループ」
- 2-1 答えのないプロジェクト発進
- 2-2 エコ商品だから甘えは許さない 技術の融合が突破口に
- 2-3 運を天にまかせる決断 ヒットの影に徹底した顧客志向
3章 エコを翼に飛ぶ半世紀ぶりの国産旅客機──三菱航空機「MRJ」
- 3-1 「環境」軸に世界市場攻略 半世紀ぶりの国産旅客機開発へ
- 3-2 日本だからできる省エネ機
- 3-3 航空機産業の生き残りをかけた挑戦
4章 世界初のクリーンディーゼルでガソリン車を凌ぐ──日産自動車「エクストレイル20GT」
- 4-1 環境でガソリン車に勝つクリーンディーゼルの挑戦
- 4-2 部下には言えない開発の不安 革新技術と販売のはざまで
5章 CO2回収に独走する技術──三菱重工業「CCS」
- 5-1 そこまでやる必要があるのか! CO2回収にかける孤高の道
- 5-2 原油回収につながるCO2回収を 世界に10年先行する強い技術
6章 電気代・水道代・乾燥時間を半分に──パナソニック「ヒートポンプななめドラム洗濯乾燥機」
- 6-1 「等身大のエコ」が見つけたヒット商品の条件
- 6-2 社内異業種の融合が結実 世界初の洗濯機が完成
7章 脱ガソリン、クリーンな電気自動車へ──三菱自動車工業「i-MiEV」
- 7-1 電気自動車は技術者の魂 経営危機からの再生を期す
- 7-2 着手から40年目の商品化決定 パラダイムシフトのリーダーに
8章 バイオ技術でセルロースから水素を生む──サッポロビール「セルロース系バイオ水素燃料」
- 8-1 闇研究を認める風土が画期的な技術を生む
- 8-2 生き抜く強さと高効率を併せ持つ水素発酵菌を汚泥に求める
- 8-3 未踏の領域をひらく技術者 不況にブレないブラジルと組む
プロフィール
永井隆
1958年生まれ。群馬県桐生市出身。明治大学卒。東京タイムズ記者をしていた1992年8月、販売不振から同紙が突如休刊し、失業を経験。その後はフリー。著書に『人事と出世の方程式』(日本経済新聞出版社)、『技術屋たちの熱き闘い』(日本経済新聞社)、『ビール最終戦争』(同)など多数。テレビ朝日「報道ステーション」、NHK「経済ワイドビジョンe」などテレビでも活躍。1998年2月から日刊現代にて酒のコラム『グラスの中の経済学』を連載中。
著者の一言
「温室効果ガスの排出量を、2020年までに1990年比で25%削減する」。鳩山首相は我が国の地球温暖化防止対策の中期目標を、国際公約しました。現実に達成できるのかどうかは別にして、いまや温暖化防止は各国が取り組む共通テーマであるのは間違いありません。
本書は、我が国の環境技術および環境製品の開発ストーリー8話で構成されてます。具体的には、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、高性能ヒートポンプを使った省エネ家電、CCS(CO2回収・貯留)、二次電池、クリーンディーゼル車、燃費性能の高い旅客機、セルロース系バイオ水素燃料です。
温暖化対策の切り札は、環境技術です。技術なくして温暖化防止は叶いません。世界各国のグリーンニューディールを主導できる先行技術を、日本は既に有しています。この点を示すと同時に、開発に賭けたエンジニアの熱い思いを通し、ものづくりの楽しさや喜びを特に若い世代に伝えられればと、狙っております。ものづくりは、環境へと大きく転換しています。