知りたい!サイエンス
乱流と渦
―日常に潜む不連続な“魔の流れ”―
- 白鳥敬 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2010.1.23
- 判型
- 四六
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4147-3
サポート情報
概要
空気や水などの流れは、ときとして急激な流れの変化を生じることがある。例えば乱流や乱気流と呼ばれるもので、生活圏に生じると飛行機事故や水難事故につながることもある。また渦を形成することもあり、周りとは不連続な空間として現れる。本書は「乱流や渦」を切り口に、気象現状の乱気流や川の渦など生活スケールの事象を中心に、物質を超低温にすると現れる量子渦から宇宙規模の渦までの題材までいろいろなスケールの乱流と渦を取り上げ、面白く分かりやすく紐解いていく。
こんな方にオススメ
- 気象現象に興味がある人
- 航空機に興味がある人
目次
第1章 気象に潜む乱流と渦
- 1-1 飛行機さえも墜落させる巨大な乱気流エネルギー
- 1-2 乱れはどうしておこるのか
- 1-3 低気圧が引き起こす上昇気流と雲
- 1-4 竜巻は半径数10メートルの細い渦管
- 1-5 地上最強の低気圧、台風
- 1-6 風下側で強力な山岳波
- 1-7 大気下層、エクマン層の乱流
- 1-8 積乱雲の下に吹き出す強風 ダウンバースト
- 1-9 大気の乱れと温度風
- 1-10 地球規模の気流の蛇行と低気圧・高気圧
第2章 航空に関わる乱流と渦
- 2-1 揚力は流体力学の主役
- 2-2 境界層にできる渦が立役者
- 2-3 気流が剥離して起きる失速
- 2-4 粘性と渦がつくる抗力
- 2-5 翼端渦の乱気流ウェイク・タービュランス
- 2-6 回転する気流の乱れ
- 2-7 渦を減らしてエネルギーを効率的に活かす
第3章 物理学における乱流と渦
- 3-1 自然界の美しい造形のルール
- 3-2 表面張力によって起きる対流
- 3-3 カオス理論とハリケーン
- 3-4 極低温の渦量子渦
- 3-5 ローター船はなぜ走る
- 3-6 流線型の秘密
- 3-7 スクリューを破壊する渦の力
- 3-8 短距離離陸を可能にするコアンダ効果
- 3-9 翼端渦がつくる騒音
- 3-10 飛行機雲と渦
- 3-11 身近な渦
プロフィール
白鳥敬
サイエンスライター。成蹊大学文学部日本文学科卒業。出版社の編集者を経てサイエンスライターとして独立。文系の視点から自然科学・工学など幅広い分野を対象として執筆活動を行っている。著書は「大人の科学と学習 定理と法則101」(学習研究社、2009)、「飛行機がわかる」(技術評論社、2007)、「よくわかる最先端科学研究所ガイド」(ぱる出版、2007)など多数。