組込みプレスSelection 組込み開発現場のプロジェクトマネジメント&プロセス改善
- 組込みプレス編集部 編
 - 定価
 - 2,948円(本体2,680円+税10%)
 - 発売日
 - 2010.4.9
 - 判型
 - A5
 - 頁数
 - 248ページ
 - ISBN
 - 978-4-7741-4221-0
 
概要
組込みプレスの再編集本第5弾で、組込みにおけるプロジェクトマネジメント、プロセス改善に関する記事をまとめています。組込みソフトウェアの大規模化に伴い、少人数での開発経験をそのまま活かすのは難しくなっていますが、本質は変わりません。本書では組込みソフト開発における普遍的な考え方と、プロジェクトの大規模化への対応について紹介します。各メーカーで数多くの組込みソフトウェア開発の現場においてプロジェクト経験を積み重ねてきた著者陣が、プロジェクトを成功に導くためのノウハウをあますことなく解き明かしています。
こんな方にオススメ
- 新人管理者
 - プロジェクトリーダー、マネージャー
 
目次
PART 1 新人管理者のためのマネジメントの基礎知識
Chapter 1 組込みソフトウェア開発を取り巻く状況
- 1-1 組込み系ソフトウェア開発を取り巻く状況
- 製品開発の現状
 - ソフトウェア開発の大規模化
 - 共同開発
 
 
Chapter 2 四種の神器 その1「QCD」
- 2-1 QCDとは
- Quality(品質)
 - Cost(費用)
 - Delivery(納期)
 
 
Chapter 3 四種の神器 その2と3「PDS」と「段取り」
- 3-1 Plan-Do-See
- Plan(計画)
 - Do(実行)
 - See(評価)
 
 - 3-2 段取り
- 段取りとは
 - リスク管理
 
 
Chapter 4 四種の神器 その4「地図」
- 4-1 「地図」とは
- SWEBOK
 - PMBOK
 - CMMI
 - UP
 
 
Chapter 5 四種の神器を超えて
- 5-1 マネージャの仕事とは
- モチベーション管理
 - コミュニケーション管理
 - プロジェクトを守るということ
 
 - 5-2 まとめ
 
PART 2 現場が共鳴する開発管理の姿
Chapter 6 組込みソフトを取り巻く環境の変化
- 6-1 間違いだらけのアプローチ
- 改善されない現場
 
 - 6-2 市場の多様化
 - 6-3 ビジネスモデルの変化
- ブルー・オーシャン戦略
 
 - 6-4 種類を増やすアプローチとは
- 「ソース自動生成」と「テスト自動化」と「再利用」
 
 
Chapter 7 改革/改善できない本当の理由
- 7-1 変化に取り残される開発現場
- メンバーが増えていく開発現場
 
 - 7-2 どうしても人に依存してしまう開発現場
- 仕事が増え続ける開発
 
 - 7-3 開発技術の退行
- PDCA(Plan-Do-Check-Action)の不在
 
 - 7-4 改善/改革できない理由
- 非技術的要素
 - 人的要素
 
 - 7-5 開発管理の必要性とそのポイント
- 開発管理はできていますか?
 - 開発管理のポイント
 
 
Chapter 8 実戦的な開発管理のヒント
- 8-1 開発管理とは
 - 8-2 開発管理の問題
- 「それは管理者の仕事」という認識
 - 開発者自身も認識すべきこと
 
 - 8-3 CMMIやPMBOKが目的ではない
- 実践開発における問題点
 - 本来の目的
 
 - 8-4 現場中心の管理スタイル
- 管理内容の共有
 - 新たに管理要素を追加する場合
 - まずはやってみる
 
 - 8-5 改善するための具体的なヒント
- 手法によるのではなく、手法の考え方による改革69
 - 変えるところ、変えないところ
 - 課題を解決するアプローチ
 - 開発者の気づきをどう促進するか
 - 良いツールは、それを使うことで勉強できる73
 
 - 8-6 まとめ
 
PART 3 実践的プロジェクト計画の立て方
Chapter 9 プロジェクトマネジメントとは
- 9-1 プロジェクトマネジメントの必要性
 - 9-2 プロジェクトマネジメントの考え方
- プロジェクトマネジメントの注意点
 
 - 9-3 本当のプロジェクトマネジメントとは
- ソフトウェア開発の階層構造
 
 - 9-4 プロジェクトマネジメント作業の進め方
- プロジェクトのプランニング
 - 円滑なプロジェクト運用のための管理
 - 開発管理
 - 設計・開発・製造
 - 開発環境・ツール
 - 成果物とプロジェクトの総括
 
 
Chapter 10 組込みソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメント
- 10-1 組込みシステムの特徴
- プロジェクトマネジメントのポイント
 
 
Chapter 11 アローダイアグラムによるプロジェクト計画の立て方
- 11-1 アローダイアグラムとは
- 従来方式との違い
 - アローダイアグラムの表現方法
 
 - 11-2 アローダイアグラムの作成
- プロジェクト計画
 - リスク管理
 - アローダイアグラムを作成する
 - 実際の作成にあたって
 - 完成したアローダイアグラムの検証
 
 - 11-3 アローダイアグラムでの進捗管理
- アローダイアグラムへの実績の記入
 - 実際の運用を効果的に行うために
 
 - 11-4 まとめ
 
PART 4 プロセス改善のススメ
Chapter 12 組込みソフトウェア開発現場の現状
- 12-1 混乱する現場
- 多人数での開発
 - スケジュールの逼迫
 - 変わりやすい要求仕様
 - 改造の繰り返し
 - 外部リソース依存
 - 不透明な進捗
 
 
Chapter 13 混乱を抑えるのに有効な技術
- 13-1 ソフトウェアアーキテクチャ設計
 - 13-2 UML/MDA
 - 13-3 リファクタリング
 - 13-4 CMM
 
Chapter 14 プロジェクトの混乱を抑えるには
- 14-1 ソフトウェアプロセスとその改善活動
- 改善活動のトラップ
 - 改善活動の推進者
 
 - 14-2 改善活動の形態
- トップダウン的な改善活動
 - ボトムアップ的な改善活動
 
 - 14-3 効果的な改善活動を実施するには
 
Chapter 15 取り組み事例
- 15-1 ソフトウェアアーキテクチャとプロセス改善
 - 15-2 支援対象のプロジェクト
- 改善担当の位置付け
 - 改善活動の進め方
 
 - 15-3 改善事例
- 基本設計書の標準化
 - 単体試験の改善
 - 構成管理の改善
 - その他の改善項目
 
 
Chapter 16 改善活動を推進する方のためのヒント
- 16-1 今すぐできること
 - 16-2 心がけておくとよいこと
 - 16-3 準備しておくとよいこと
 - 16-4 ノウハウ・コツ
- プロジェクトは「生もの」
 - 銀の弾丸はない
 - 気づきを促すのが◎
 - やってくれない理由はいろいろ
 - 改善のサイクルは小回りよく
 - プロジェクトの中に改善リーダーを見つける
 - ときにはプロジェクトの開発者として作業を請け負う
 
 - 16-5 まとめ
 
PART 5 勘違いだらけのプロセス改善
Chapter 17 プロセス改善とは何だったか
- 17-1 プロセス改善とは何か
 - 17-2 改善は必要か
 - 17-3 いつ始めたらよいのか
 - 17-4 どこから始めたらよいのか
- 現状を認識する
 - 事実を見えるようにする
 - CMM/CMMIを参考にする
 
 
Chapter 18 CMM/CMMIの上手な使い方
- 18-1 CMM/CMMIをめぐる葛藤
- CMM/CMMIに取り組むきっかけ
 - 認証取得が最終ゴールなのか?
 
 - 18-2 CMM/CMMIは使いよう
- CMM/CMMIの本質
 
 
Chapter 19 プロセス改善の勘違いと落とし穴
- 19-1 たちまち仕事が楽になる?
 - 19-2 たちまち工数が削減される?
 - 19-3 目に見えて生産性が向上する?
- どんな無駄が減らせるか
 
 - 19-4 まずは十分な教育から?
- 教育と実践、どちらが先か?
 
 
Chapter 20 身の丈に合ったプロセス改善
- 20-1 正しいプロセス改善とは
 - 20-2 定着しなければ意味がない
 - 20-3 プロセス改善は活動し続けるもの
 - 20-4 目的を明確にする
- きれいな規定書を作ることが目的ではない
 
 - 20-5 ツールは道具
- 危険な「ツールありき」の取り組み
 
 - 20-6 外部から見てもらう
 - 20-7 改善は組織全体の取り組み
 - 20-8 まとめ
 
Chapter 21 どうしてプロダクトラインなのか?
- 21-1 組込み開発の上流をさかのぼる
- なぜ再利用がうまく進まないのか?
 
 - 21-2 プロダクトラインとは?
- 3つの基本的な活動
 - プラクティスエリア
 - プラクティスパターン
 
 - 21-3 まとめ
 
Chapter 22 3つの基本活動
- 22-1 プロダクトラインの考え方
 - 22-2 ・コア資産開発
 - 22-3 ・製品開発
 - 22-4 ・管理(マネジメント)
 - 22-5 まとめ
 
Chapter 23 プラクティスエリア
- 23-1 29のプラクティスエリア
- (1)アーキテクチャ定義
 - (2)アーキテクチャ評価
 - (3)コンポーネント開発
 - (4)COTSの利用
 - (5)既存資産の発掘
 - (6)要求エンジニアリング
 - (7)ソフトウェアシステム統合
 - (8)テスト
 - (9)関連ドメインの理解
 - (10)構成管理
 - (11)データの収集/メトリクス/追跡
 - (12)内作/購入/発掘/委託の分析
 - (13)プロセス定義
 - (14)スコープ定義
 - (15)技術計画策定
 - (16)技術リスク管理
 - (17)ツールによる支援
 - (18)ビジネスケース作成
 - (19)顧客インタフェース管理
 - (20)調達戦略策定
 - (21)資金調達
 - (22)プロダクトラインの着手と制度化
 - (23)市場分析
 - (24)プロダクトライン運営
 - (25)組織計画策定
 - (26)組織リスク管理
 - (27)組織編成
 - (28)技術予測
 - (29)トレーニング
 
 - 23-2 まとめ
 
Chapter 24 プラクティスパターン
- 24-1 デザインパターン
 - 24-2 (1)カリキュラムパターン
 - 24-3 (2)必須範囲パターン
 - 24-4 (3)統合運営パターン
 - 24-5 (4)商品開発パターン
 - 24-6 (5)資産確立パターン
 - 24-7 (6)部品開発パターン
 - 24-8 (7)生産ラインパターン
 - 24-9 (8)製品生産パターン
 - 24-10 (9)コールドスタートパターン
 - 24-11 (10)作動パターン
 - 24-12 (11)監視パターン
 - 24-13 (12)プロセスパターン
 
Chapter 25 プロダクトラインの実践
- 25-1 プロダクトライン型再利用開発プロセス
 - 25-2 プロダクトラインとCMMI
 - 25-3 プロダクトライン導入アプローチ
 - 25-4 何をもってプロダクトラインと言えるのか?
 - 25-5 まとめ
 
プロフィール
井上樹
Part 1
(株)豆蔵にて組込ソフトウエアを中心にオブジェクト指向/UMLの導入、プロセス改善等に関する教育、コンサルティングを担当。最近はモデルを活用したシステムエンジニアリングに注目中。
杉浦英樹
Part 2
1986年、富士ゼロックス(株)に入社。以来、複写機の組込みソフトウェア開発を担当。複数のドメインを複数のパラダイムで開発。開発現場の問題のほとんどが、コミュニケーションに起因し、真の管理の重要性を痛感。SESSAMEメンバー。
竹山寛
Part 3
ビジネスモデル構築、ソフトウェア開発プロセス、プロジェクト推進支援、品質管理、プロジェクト管理、開発工程管理、セミナーなどITコンサルタントを手がける。著書に『管理者になって困らない[実践的]ソフトウェア開発工程管理』(技術評論社)がある。
玉木裕二
Part 4
(株)東芝 ソフトウェア技術センター所属。入社以来十数年、社内のソフトウェア開発部門各所に、アーキテクチャ設計提案、プロセス整備やインフラ整備、コーディングやデバッグなど、いろいろな立場で関わってきた。それなりに知見も増えてきたけれど、まだまだ足らないと実感する毎日。
荒見美香子
Part 4
(株)東芝 ソフトウェア技術センター所属。十年以上に渡り、CMM/CMMIなどのモデルを活用したプロセス改善活動に従事。社内のソフトウェア開発部門への改善コンサルに奔走しつつ、効果的な進め方を模索中。最近は、社内のプロセス資産化やインフラ整備に注力。
杉本恭子
Part 5
横河ディジタルコンピュータ(株)所属。最初の仕事はソフトウェアプログラマ。その後開発ツールベンダのテクニカルサポートやマーケティングを経て、現在はプロセス改善関連の企画営業を担当。日々、お客様の生の声やお困りごとに接し、支援部隊への橋渡しをしている。
今関剛
Part 6
(株)ビズモ コンサルティング部所属。日ごろから開発現場でオブジェクト指向やプロセス改善の指導をしているが、解決方法やツールを利用することが目的化して玉砕しているところが多いと感じる今日この頃。現在は、アーキテクチャリファクタリング、テスティング、モデリングを組み合わせ、人材や既存資産の能力をうまく引き出しながら、全体最適の視点に立った再利用型ソフトウェア開発を目指す。
IEEE、SEA、SESSAME、EEBOFメンバー。