しくみ図解シリーズ半導体レーザが一番わかる

[表紙]半導体レーザが一番わかる

紙版発売

A5判/192ページ

定価1,958円(本体1,780円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4653-9

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書籍の概要

この本の概要

我々の日常生活を見回してみると,ビデオ機器や音楽再生装置であるCD やDVDにレーザが使われ,電話やインターネットの基幹部分にはレーザ光を使った光通信が行われています。レーザは高密度情報を扱うことができるのです。現代の情報社会は,光,それもレーザがなければ成り立たなくなっています。

ではレーザとは一体どういうものなのでしょう。一直線に伸びる光の糸(レーザ光)はどうして発生できるのでしょう。月まで行って返ってくるレーザ,そのレーザで月までの距離が計測できてしまう。はたまた,木はもとより堅い金属まで切断してしまうレーザ。光で長さを計測し,熱源として加工までできてしまうレーザの正体は一体どういうものなのだろう?

そんな素朴な疑問から本書はスタートしています。レーザはいろいろなタイプのものが開発されてきましたが,本書のメインタイトルである「半導体レーザ」は,現在最もよく使われているレーザです。半導体レーザの発明によってレーザはより身近なものとなりました。

本書では,その半導体レーザを中心に,レーザそのものの基礎知識と使い方,レーザの応用をできる限りわかりやすく,図表をふんだんに用いて解説しています。

こんな方におすすめ

  • 半導体レーザ関連の仕事に携わる人
  • レーザ関連の知識を要求される学生など

著者の一言

筆者は,半導体レーザの開発者ではなく半導体レーザ及びレーザを使用する側から深く関わってきたものです。レーザの歴史を学びながら,レーザの特性を知り,半導体レーザを使って科学機器の製作も手がけてきました。本書はそのような体験からできあがっています。

本書のサンプル

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目次

1章 半導体レーザの特徴

  • 1 半導体レーザとは
  • 2 光源としての半導体レーザの特徴① 単一波長/直進性
  • 3 光源としての半導体レーザの特徴② エネルギー密度/コヒーレン光
  • 4 光源としての半導体レーザの特徴③ 小型/容易な発振/短時間発光
  • 5 ほかのレーザと比べた特色は?
  • 6 半導体レーザ開発史
  • 7 半導体レーザの性質

2章 レーザの基礎知識Ⅰ レーザの歴史と種類

  • 1 レーザの発見と歴史
  • 2 レーザ発振のメカニズム① 誘導放出
  • 3 レーザ発振のメカニズム② 共振器
  • 4 レーザ発振のメカニズム③ 媒質の性質
  • 5 レーザの種類
  • 6 ガスレーザ
  • 7 固体レーザ
  • 8 固体レーザの仲間① YAGレーザ
  • 9 固体レーザの仲間② 固体グリーンレーザ,波長可変固体レーザ
  • 10 固体レーザの仲間③ ファイバレーザ
  • 11 金属蒸気レーザ/液体レーザ

3章 レーザの基礎知識Ⅱ レーザの特性と応用

  • 1 コヒーレント光
  • 2 ビームの拡がり① 距離とビーム径
  • 3 ビームの拡がり② 共振器との関係
  • 4 ビームの拡がり③ ビームの形状
  • 5 偏光①偏光の特徴
  • 6 偏光②偏光角度とブリュースター窓
  • 7 縦モードと横モード
  • 8 ビームの品質 - M2
  • 9 レーザの明るさ① 光の単位
  • 10 レーザの明るさ② 比視感度/照度換算/発光効率
  • 11 パルスレーザ,連続発振レーザ
  • 12 Qスイッチ
  • 13 レーザの使用応用例① 距離や水準を測る
  • 14 レーザの使用応用例② 材料加工/データ通信

4章 半導体レーザのしくみ

  • 1 半導体レーザの構造① 発光材料
  • 2 半導体レーザの構造② 発振原理
  • 3 半導体レーザの構造③ ダブルヘテロ構造
  • 4 半導体レーザの構造④ 量子井戸と光導波
  • 5 半導体レーザの構造⑤ へき開/高周波発振
  • 6 半導体レーザの構造⑥ ビーム形状
  • 7 簡単な発振回路① 初歩的な回路
  • 8 簡単な発振回路② 電流制御回路
  • 9 簡単な発振回路③ パルス回路
  • 10 発光ダイオードとの違い① LEDの基本構造
  • 11 発光ダイオードとの違い② LEDの発光原理
  • 12 発光ダイオードとの違い③ 光の性質
  • 13 半導体レーザ製品の分類
  • 14 青色半導体レーザ

5章 身の回りの半導体レーザ

  • 1 レーザポインタ/ドアセンサ
  • 2 CDピックアップ
  • 3 DVDピックアップ
  • 4 ブルーレイディスク・ピックアップ
  • 5 プリンタ光源
  • 6 光ファイバ通信① 光通信の特徴
  • 7 光ファイバ通信② 光ファイバの原理
  • 8 光ファイバ通信③ モードとモード分散
  • 9 その他の活用例 レーザ治療器/溶接機/測定器

6章 半導体レーザ部品の性能を見る

  • 1 市販製品のデータシートを読む① 外観と概要
  • 2 市販製品のデータシートを読む② 電気的光学的特性
  • 3 代表的な形状と冷却対策
  • 4 半導体レーザの安全性

7章 半導体レーザを使う

  • 1 レーザを発振させる
  • 2 レーザ光を拡げる・集光させる
  • 3 レーザ光を走査させる
  • 4 レーザ光をファイバで導く
  • 5 レーザをストロボとして使う
  • 6 半導体レーザを使ったシステム① 変位計・距離センサ
  • 7 半導体レーザを使ったシステム② 位置合わせレーザ
  • 8 半導体レーザを使ったシステム③ 物体測定/検知センサ
  • 9 半導体レーザを使ったシステム④ 熱源装置/照明用アクセサリ
  • 10 半導体レーザを使ったシステム⑤ 光通信装置
  • 11 半導体レーザを使ったシステム⑥ 特殊撮影光源

Column レーザの安全基準

  • スペックルとは

著者プロフィール

安藤幸司(あんどうこうし)

1956年 愛知県豊田市生まれ。1974年 愛知県立岡崎高等学校卒業。1978年 名古屋工業大学 機械工学科卒。1978年(株)ナック入社。2000年(株)日本ローパー入社。2001年 アンフィ(有)設立。

主な活動:画像(計測カメラ)を用いた計測システムの開発に従事。Webサイト「AnfoWorld」運営。専門は,光学,電子工学,機械工学。

著書:『光と光の記録[光編]』『光と光の記録[光編その2]』産業開発機構,『らくらく図解 発光ダイオードのしくみ』オーム社。