生きる技術!叢書シリーズ日本を再生!ご近所の公共哲学
―自治会から地球の裏側の問題まで

[表紙]日本を再生!ご近所の公共哲学―自治会から地球の裏側の問題まで

四六判/268ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-4707-9

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書籍の概要

この本の概要

私たちはいま,地球規模の問題からご近所のもめごとまで,「簡単には答えが出ないむずかしい問題」に囲まれて生きています。このような時代こそ哲学の出番。ということで,共同体の崩壊,孤独死,無縁社会,移民との共生……などさまざまな難題に対し,哲学カフェを主宰する著者が,新しい形の社会参加=公共哲学の知見をもって解決に臨みます。哲学とご近所の底力で日本を再生させるマニュフェスト。ご近所よ,哲学せよ!

こんな方におすすめ

  • 新しい公共,新しい政治参加について考えたい方

目次

  • はじめに ご近所の底力の「そこ」にある力

第一章 公共哲学の時代──公と私は対立するものか?

  • 「自治会問題」はリバタリアンとコミュニタリアンの対立/「私」が社会にいかにかかわっていくべきかを考える学問/社会のために生きることに目覚めた台湾時代/実は長~い公共性の歴史/市場でも国家でもない第三の領域/アーレントが主張した多様性の大切さ/「私」と「公」の二極分化から脱却できるか/自分を犠牲にすることなく公的なものにかかわる/「公」の領域は共有可能性にさらされる/「新しい公共」の概念/グローバルかつローカルな公共性を目指す/イエスマンシップにのっとり/何かをすることによって前に進むのが人生/自分で選ばない限り真の自由はない

第二章 正義の行方と討議する市民社会──エリート民主主義は克服できるか?

  • 正義はどこへ消えた?/哲学は時代が求めるもの/ロールズ「正義論」のエッセンス/不公正な状態を私たちが是正したくなる理由/日本人は議論が苦手か?/熟議の時代/コミュニケーション成立のための三つの原則/民主主義の危機/政治を非日常の事象から日常の事象へ/インターネットを使った新しい民主主義?/公民教育後進国・日本/「哲学カフェ」の効用/哲学カフェがまちづくりに

第三章 流行りの共同体論──無縁社会はどう乗り越えられるか?

  • 共同体についての議論が盛り上がる背景/共通するのは「つながりの欠如」/世界中でコミュニティの再生が求められている/サンデル教授の授業が面白い理由/リベラル・コミュニタリアン論争とは?/コミュニタリアンたちの様々な立場/文化の多様性を重んじる/地縁型コミュニティからテーマ型コミュニティへ/「シェア」を構成する三つの要素/シェアするコミュニティ/「濃密さ」を回避し「新しい親密さ」を構築する/ムエン社会からゴエン社会へ

第四章 行動する哲学者のまちづくり──限界集落はなくなるか?

  • つなぐまちづくり/市民社会の力が求められる時代/市民参画はなぜ積極化しないか/ユニバーサル参画社会/哲学カフェから映画祭へ/公共哲学がまちを元気にした/都市と農村の接続/限界集落,限界団地,果ては限界国家まで/人間の心には限界は存在しない/私たちに備わっている「美徳」という概念/都市と農村の未来はつながっている

第五章 教育をめぐる侃々愕々──ニートとひきこもりをゼロにできるか?

  • 子どもたちは学校で何を学んでいるのか/地域が運営するコミュニティスクール/社会を変えるのは「言葉と説得」である/シティズンシップ教育が欠けている/政治参加のリテラシーを涵養するために/日本人の苦手な批判的思考/少人数教育の実現と教師の質の向上が必要/哲学はニートとひきこもりをゼロにできるか/存在の不安定さがもたらす問題/相互承認を求める絶え間ない努力が必要

第六章 あえてインターネット批判──ケータイは善か悪か?

  • 「ネット頭」の増殖/いわれなき誹謗中傷が横行しやすい世界/バーチャル・コミュニティを生きるには/世の中はケータイを中心に回っている/倫理による規制論/ケータイのない世界も「あり」/新たなルールづくりこそ新しい公共性/ツイッター亡国論!?/ゆるいメディアの「きつい」点/ツイッター上のつぶやきは「エイワの木」になりうるか/ツイッターに公共性をもたらすための三つの条件

第七章 差異と対立に満ちた社会──移民たちとの共生は可能か?

  • ご近所のイスラーム/最大多数の最大幸福か,共同体の美徳か/宗教における公共性とは/明日は我が身の移民問題/マルチチュードと〈帝国〉/外国人参政権の問題/いじめ問題と相互承認/画一的に正義をふりかざすと抑圧が生じる/老若男女の対立/「ワーク・ライフ・バランス」を公共哲学的視点からみると/過去の世代から受けた恩を未来世代に返す

第八章 地球サイズの公共性──利己主義は乗り越えられるか?

  • 本当にモッタイナイと思ってる?/人間が一番ではないことに気づかせてくれる/グローバルなコミットメントが求められている/自国の中だけで正義を実現していればいいのか/貧困の放置は一種の加害行為?/私たちはみな地球というチームの一員/どうして戦争をやめられないのか?/アウシュビッツのリアリティ/心を打つ音楽・言葉は争いを思いとどまらせる/グローバリゼーションの公共哲学/グローバリゼーションに対する三つの立場と多極主義/ご近所の公共性は地球の公共性とつながっている
  • おわりに 「ご近所よ,哲学せよ!」
  • 付録1──「哲学カフェ」マニュアル
  • 付録2──公共哲学を知るためのブックガイド

著者プロフィール

小川仁志(おがわひとし)

1970年,京都府生まれ。京都大学法学部卒。名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。徳山工業高等専門学校准教授。米プリンストン大学客員研究員(2011年度)。商社,フリーター,市役所を経た異色の哲学者。商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど,市民のための哲学を実践している。専門は公共哲学。著書に『市役所の小川さん,哲学者になる 転身力』『哲学頭の仕事術』『人生が変わる哲学の教室』『ヘーゲルを総理大臣に!』『はじめての政治哲学』『世界一わかりやすい哲学の授業』『人生をやり直すための哲学』『悩んだときは哲学者に聞け!』がある。