生きる技術!叢書シリーズ有事対応コミュニケーション力

[表紙]有事対応コミュニケーション力

紙版発売

四六判/160ページ

定価1,408円(本体1,280円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4871-7

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書籍の概要

この本の概要

未曽有の大災害に見舞われたとき,生き延びられるかどうかのカギを握るのは,言葉の力,コミュニケーションの力である。臨床哲学,武道,ジャーナリズム,医療,危機管理などそれぞれ「待ったなし」の現場を持つ5人のプロフェッショナルが,危機の現場でもなお有効な言葉の力とは? 真偽当否定めがたい雑多な情報からどれを選択しどう判断するか? ポスト3.11の日本が進むべき道は?……などについて徹底討論。これから生きていくための,総合的情報力のヒントがここに。

こんな方におすすめ

  • 3.11以降,生き方に不安をおぼえているひとに

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未曽有の大震災に、コミュニケーションの力で対抗する
本書は,上杉隆・内田樹・鷲田清一・岩田健太郎・藏本一也という異なる専門分野を持つプロフェッショナル5者による,災害時のコミュニケーションとリスク管理をテーマとしたチャリティシンポジウムの記録をもとに作られました。

目次

ACT1 情報の隠蔽と「メディアの裏」を読む力

  • 政府のコミュニケーション対応はどうだったか
  • とんでもない情報隠蔽が行われていた
  • 情報のオルタナティブを持つこと
  • メディア関係者の身体実感の情報
  • 本当に起きていることを推察する能力
  • 記者として,人間としておかしくはないか
  • 端的に言って卑怯である
  • プロの言葉の信頼がガタ落ちに
  • 政治家たちも情報を持っていない
  • 記者も専門家も真実を話すと降ろされる
  • そして危険だと言う人はいなくなった

ACT2 情報格差社会に歯止めを

  • 日本人全員が関係者になってしまった
  • 「加害者であること」の呪縛
  • 批判はできなくてもクレームはつける
  • 若い母親たちは抑制などしていられない
  • 普通に声をあげていけばいい
  • なぜ自分の判断で決められないのか
  • もとになるデータを出せ
  • 海外には流す情報を国民には知らせない
  • 既存メディアが邪魔をする
  • 急激に進む情報の階層化
  • 情報の無政府状態が起きる
  • 大量発生する情報難民
  • 情報のセカンドオピニオン
  • 信頼できる科学者は口ごもる
  • ぐずぐずしている権利を認めよ
  • 科学的ステートメントとポリティカルステートメントは分ける
  • もとになるデータがなければ判断できない
  • マスコミに対する信頼回復のためには

ACT3 3・11で顕在化したメディアの病理

  • 利益相反の問題
  • 電事連がつぎ込む巨額の広告費
  • お詫び広告打つくらいなら被災者を救え
  • 戦時中の大本営発表と同じ構造
  • ラジオのジャーナリズム性が高い理由
  • ラジオはカジュアルなメディア
  • 音声メディアはしっかり中身が伝わる
  • ラジオとツイッターが震災直後のライフラインに
  • なぜインターネットを目の敵にする?
  • テレビ局ごとの役割分担を
  • テレビは終わった
  • こうして被災地に「上を向いて歩こう」は流れた
  • 現場に行かない日本のジャーナリストたち
  • ジャーナリストにとっての現場はたくさんある
  • 現場に行かなければわからない
  • 情報を公開すればパニックにはならない
  • じつはすべてお金の話
  • 命の話をしているところが金の話に
  • 新しいものに向かうことに対する恐怖心

ACT4 「右肩上がり」的発想からの転換

  • 問題が露顕したのはむしろ東京
  • 家に帰れないというのはおかしい
  • 防災は無理,できるのは減災
  • 体は動かし,問いは深いところで受けとめる
  • 悪い情報は出してしまおう
  • どうしたら事故は起きないのかの議論
  • 危険を察知するセンサーが働く
  • 死臭を感じとることのできる看護師
  • 異変を察知する能力の研究
  • 縮小する感覚がわからない
  • 30歳以上はサポートにまわれ
  • 次の世代,次の次の世代のことを案じる
  • 発想の転換はせざるを得ない
  • 4月4日以降,日本は加害者になった
  • 放射能と一緒に暮らすための三つの提案
  • 次世代のために想像力を働かせる
  • リスク・マネジメントの欠如
  • そこにある以上,ともに生きるしかない
  • 戦後の繁栄と安全の代償として
  • 海産物調査の問題
  • 子どもと若い女性だけは守る

補稿

  • 「隔たり」は増幅するばかり  鷲田清一
  • 「疎開」のすすめ  内田樹
  • メルトダウンする言葉  内田樹
  • Don't trust over 30  岩田健太郎

著者プロフィール

鷲田清一(わしだきよかず)

哲学者。大阪大学総長を経て,現在,大谷大学文学部教授。著書に『「ぐずぐず」の理由』(角川学芸出版)など。


内田樹(うちだたつる)

武道家。神戸女学院大学名誉教授。著書に『最終講義──生き延びるための六講』(技術評論社)など。


上杉隆(うえすぎたかし)

ジャーナリスト。自由報道協会暫定代表。著書に『ウィキリークス以後の日本』(光文社新書)など。


岩田健太郎(いわたけんたろう)

神戸大学都市安全研究センター,大学院医学研究科教授。著書に『ためらいのリアル医療倫理』(技術評論社)など。


藏本一也(くらもとかずや)

神戸大学大学院経営学研究科准教授。消費者問題に関する論文多数。2009年内閣府消費者担当大臣賞受賞。