知りたい!サイエンスシリーズDNAを操る分子たち
―エピジェネティクスという不思議な世界

書籍の概要

この本の概要

塩基配列の変化以外にDNAに何らかの変化をもたらすことで,遺伝子発現をコントロールするしくみ,そしてそれ自身が細胞から細胞へと代を通じて遺伝していくしくみ,それを(もしくはそのしくみを研究対象とする学問を)「エピジェネティクス」という。本書は「エピジェネティクス」というしくみを,分かりやすく説明し,DNAの配列だけでは語りきれない生命の不思議に導く。生物の世界にはセントラルドグマという考えがあるが,そこにはDNAがすべてを決定すると考えただけでは説明のつかないダイナミックなしくみが数多存在するのだ。

こんな方におすすめ

  • 遺伝子,DNAやRNAに興味のある人
  • 生物のふしぎに関心のある人

目次

第1章 エピジェネティクスを理解するための基礎知識

  • 1-1 DNAとセントラルドグマ
  • 1-2 エピジェネティクスとは何か
  • 1-3 DNAは衣服をまとい,装飾品で飾りたてる
  • 1-4 遺伝子の転写と高次クロマチン構造

第2章 ヒストンは装飾品を身につける

  • 2-1 ヒストンのアセチル化とは
  • 2-2 ヒストンのメチル化
  • 2-3 ヒストン・クロストークと「遺伝」の謎

第3章 DNAに生じる塩基配列以外の変化

  • 3-1 塩基の成り立ちとメチル化
  • 3-2 シトシンのメチル化

第4章 体細胞の分化とエピジェネティクス

  • 4-1 多細胞生物の細胞とホメオティック遺伝子
  • 4-2 転写をあやつる遺伝子群――ポリコームとトリソラックス

第5章 RNAのエピジェネティクス

  • 5-1 RNAとはなんだったか
  • 5-2 タンパク質をコードしないRNA

第6章 性差に関わるエピジェネティクス

  • 6-1 三毛猫のいる風景――X染色体の不活性化
  • 6-2 「かぐや」がいる風景――ゲノム・インプリンティング

第7章 加齢に関するエピジェネティクス

  • 7-1 がん細胞のエピジェネティクス
  • 7-2 一卵性双生児とエピジェネティクス

著者プロフィール

武村政春(たけむらまさはる)

1969年三重県生まれ。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。名古屋大学助手,三重大学助手等を経て,現在東京理科大学大学院科学教育研究科准教授。専門は生物教育学,分子生物学,複製論。著書に『DNAの複製と変容』(新思索社),『たんぱく質入門』『生命のセントラルドグマ』『DNA複製の謎に迫る』(以上,講談社ブルーバックス),『おへそはなぜ一生消えないか』『ろくろ首の首はなぜ伸びるのか』(以上,新潮新書),『マンガでわかる生化学』(オーム社)など。