知りたい!サイエンス
正しく理解する気候の科学
- 論争の原点にたち帰る
- 中島映至 ,田近英一 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2012.12.27
- 判型
- 四六
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-7741-5432-9
サポート情報
概要
近年問題となっている地球温暖化という気候変化現象は、地球という大きく、さまざまな構成要素から成り立つものと関わるため、その複雑な本質を理解することは、決してたやすくない。そこで本書は、視点を一度、全地球史が見えるまで拡げたうえで、温暖化の問題がその中でどのように位置づけられるか、どのメカニズムが同じで、どれが違うかについて、明確なイメージを提供することを試みるものである。
こんな方にオススメ
- 地球温暖化論争にもやもやを感じていた方
- 気候学の基本を知りたい方
目次
第1章 地球気候の形成原理
第2章 全地球史のなかの気候の変遷 - 数十億年スケールの俯瞰
第3章 数十億年から数億年スケールの気候変動
第4章 最近の百万年スケールの気候変動
第5章 近年の気候変化を理解する
第6章 21世紀の気候予測と次世代気候モデル
プロフィール
中島映至
1950年生まれ。1977年東北大学地球物理学専攻博士課程修了、1981年理学博士。1994年から東京大学気候システム研究センター教授。2004年より同センター長。IPCC第3次報告書主執筆委員、ADEOS-II/GLI衛星センサー、EarthCARE衛星計画などの研究に従事。専門は雲およびエアロゾルの気候影響、大気放射。監訳書に『変わりゆく地球 衛星写真にみる環境と温暖化』マイケル・D・キングほか編(丸善)。
田近英一
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻教授。理学博士。1963年東京生まれ。1987年東京大学理学部地球物理学科卒業、1992年東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了。東京大学気候システム研究センター研究員(日本学術振興会特別研究員)、東京大学大学院理学系研究科地質学専攻助手、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻准教授を経て、2010年から現職。専門は地球惑星システム科学、比較惑星環境進化学。地球環境の進化や変動、地球と生命の共進化、惑星環境の進化や安定性について、おもに理論的な立場から幅広い研究を行っている。一方で、全球凍結イベントや大量絶滅イベントに関する学術調査プロジェクトも推進している。2003年第29回山崎賞受賞、2007年日本気象学会堀内賞受賞。おもな著書に『地球環境46億年の大変動史』(化学同人)、『凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語』(新潮社)、『進化する地球惑星システム』(東京大学出版会、共著)、『地球惑星科学講座13 地球進化論』(岩波書店、共著) などがある。