しくみ図解 生活用品の化学が一番わかる

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著者
武田徳司たけだとくじ平松紘実ひらまつひろみ喜多泰夫きたやすお 著
定価
2,068円(本体1,880円+税10%)
発売日
2015.4.10 2015.5.7
判型
A5
頁数
176ページ
ISBN
978-4-7741-7216-3 978-4-7741-7341-2

概要

私たちがふだん使う洗剤や香料、化学調味料や台所用品などの日用品は、化学製品で囲まれていて、その種類は実に豊富です。「化学製品が一番わかる」では原材料寄りに総合的に化学製品を取り上げましたが、本書では、接する機会多い、消費財としての生活用品に的を絞り、引き続きその仕組みをわかりやすく解説します。専門で化学を学んでこなかった人で、化学メーカーや商社で化学製品を取り扱っている方、化学製品の名前に触れる機会の多い方を対象に、化学反応式や構造式はほとんど使わずに、生活用品の化学について解説します。

こんな方にオススメ

  • 化学製品と関係のある職業の方
  • 日用品関連の応用化学の専門知識を得たい方

目次

第1章 汚れを落とす化学製品

  • 1 汚れの種類と分類
  • 2 化学の力で汚れを落とすしくみ(皮脂、油)
  • 3 化学の力で汚れを落とすしくみ(泥、タンパク、その他)
  • 4 石けんの配合(固形、液体)
  • 5 衣料用洗剤の配合(粉末、液体)
  • 6 食器用洗剤の配合(手洗い用・食器洗浄機用)
  • 7 住居用洗剤の配合(おふろ用、トイレ用)
  • 8 漂白剤(塩素系、酸素系、還元系)
  • 9 その他の洗剤(クレンザー、重曹、電解水))
  • 10 化学の力で柔らかくするしくみ(柔軟剤)
  • 11 柔軟剤(ソフター)の配合
  • コラム1 衣料用洗剤コンパクト化の歴史

第2章 美容に役立つ化学製品

  • 1 美と健康の化学
  • 2 化学の力で肌を守るしくみ(スキンケア)
  • 3 皮膚洗浄剤の配合
  • 4 化粧水、乳液、クリームの配合
  • 5 化学の力で髪を守るしくみ
  • 6 シャンプー、コンディショナー、トリートメントの配合
  • 7 整髪料、染毛剤の配合
  • 8 化学の力で美しく見せるしくみ
  • 9 ファンデーション、口紅の配合
  • コラム2 薬事法(医薬品医療機器等法)と家庭用品品質表示法

第3章 健康に役立つ化学製品

  • 1 化学の力で歯を守るしくみ
  • 2 歯みがき、洗口液の配合
  • 3 歯ブラシの構造としくみ
  • 4 化学の力で熱を下げるしくみ
  • 5 冷却まくら、熱冷却シートの配合
  • 6 化学の力で傷を守るしくみ
  • 7 絆創膏の構造としくみ
  • コラム3 悪臭と消臭

第4章 ヒトや動植物を守る化学製品

  • 1 化学の力で害虫からヒトを守るしくみ
  • 2 蚊取り線香の配合
  • 3 エアゾールの配合
  • 4 電気蚊取りの配合
  • 5 新しい家庭用殺虫剤
  • 6 ディートとその他殺虫剤の配合としくみ
  • コラム4 感染症と化学の戦い

第5章 衣類や食品を守る化学製品

  • 1 化学の力で害虫から衣類を守るしくみ
  • 2 樟脳、ナフタリン、パラジクロルベンゼンの配合
  • 3 ピレスロイドの配合
  • 4 化学の力で湿気を防ぐしくみ
  • 5 乾燥剤・脱酸素剤の配合
  • 6 除湿剤の配合
  • 7 化学の力でニオイを抑えるしくみ
  • 8 消臭剤・芳香剤・脱臭剤の配合
  • コラム5 食品のおいしさを守る脱酸素剤の歴史

第6章 生活を大きく変化させた高分子化学

  • 1 生活用品とプラスチック
  • 2 ポリエチレンプラスチック (PE)の構造・特性と用途
  • 3 ポリプロピレンプラスチック (PP)の構造・特性と用途
  • 4 ポリ塩化ビニルプラスチック (PVC)の構造・特性と用途
  • 5 ポリスチレンプラスチック (PS)の構造・特性と用途
  • 6 ABSプラスチック (ABS)の構造・特性と用途
  • 7 ポリエチレンテレフタレート (PET)の構造・特性と用途
  • 8 ポリカーボネートプラスチック (PC)の構造・特性と用途
  • 9 ポリアミドプラスチック (PA、ナイロン)の構造・特性と用途
  • 10 アクリルプラスチック (PMMA)の構造・特性と用途
  • 11 シリコーンプラスチック (SI)の構造・特性と用途
  • コラム6 高分子の父、プラスチックの父

第7章 進化するプラスチック

  • 1 強化プラスチックのしくみと化学
  • 2 光学用プラスチックのしくみと化学
  • 3 感光性プラスチックのしくみと化学
  • 4 高吸水性プラスチックのしくみと化学
  • 5 形状記憶プラスチックのしくみと化学
  • 6 バイオプラスチックのしくみと化学
  • 7 機能性プラスチックフィルムのしくみと化学
  • 8 接着剤のしくみと化学
  • コラム7 プラスチックとリサイクル

第8章 化学製品の製造工程

  • 1 液体製品の製造工程
  • 2 エアゾール製品の製造工程
  • 3 クリーム状製品の製造工程①
  • 4 クリーム状製品の製造工程②
  • 5 粉体製品の製造工程
  • 6 顆粒状、打錠製品の製造工程
  • 7 プラスチック製品の製造工程① 射出成形
  • 8 プラスチック製品の製造工程② 押出成形
  • 9 プラスチック製品の製造工程③ ブロー成形
  • 10 プラスチック製品の製造工程④ 真空熱成形
  • 11 プラスチック製品の製造工程⑤ 発泡成形

プロフィール

武田徳司たけだとくじ

日本合成洗剤株式会社及び日本石鹸株式会社研究開発部部長。工学博士。1968年大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻修士課程修了。同年より大阪市立工業研究所勤務、2002年同研究所所長、2004年定年退職。2004年より現職。著書に『有機工業化学(分担執筆 生活環境化学)』(朝倉書店)、『洗浄事典(分担執筆 複合洗剤)」(朝倉書店)など。

平松紘実ひらまつひろみ

京都大学大学院農学研究科修士課程修了。サイエンスライター。食・料理に関する科学を中心に、科学を楽しく分かりやすく伝える文章の執筆を行う。理系ライターズ「チーム・パスカル」所属。著書に『「おいしい」を科学して、レシピにしました。』(サンマーク出版)、執筆協力に『日常の「ふしぎ」に学ぶ楽しい科学』(ナツメ社)、『深海がまるごとわかる本』(学研パブリッシング)など。

喜多泰夫きたやすお

1952年大阪府生まれ。大阪大学大学院工学研究科修士課程修了後、大阪市立工業研究所プラスチック課研究員、米国アリゾナ大学客員研究員、京都工芸繊維大学客員教授、地方独立行政法人大阪市立工業研究所理事長、一般社団法人大阪工研協会理事長等を経て、現在は一般財団法人化学研究評価機構特別顧問。工学博士。専門分野は高分子化学、プラスチック成形加工。著書に『混練分散の基礎と先端的応用技術』(テクノシステム)、『最新プラスチックリサイクル総合技術』(シーエムシー出版)、『界面活性剤の選択方法と利用技術』(サイエンス&テクノロジー)、『ポリマーの混練分散技術とその評価』(技術情報協会)、『プラスチック読本』(プラスチックス・エージ)、『二軸押出機による樹脂混練』(技術情報協会)、『新版複合材料技術総覧』(産業技術サービスセンター)など。