WEB+DB PRESS plusシリーズGPUを支える技術
――超並列ハードウェアの快進撃[技術基礎]
――超並列ハードウェアの快進撃[技術基礎]
2017年6月30日紙版発売
2017年6月30日電子版発売
Hisa Ando 著
A5判/320ページ
定価3,564円(本体3,240円+税10%)
ISBN 978-4-7741-9056-3
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書籍の概要
この本の概要
GPUの基本構造と技術動向に焦点を当てた解説書。3Dグラフィックス,ゲーム,モバイル,VR/AR,科学技術計算,そして人工知能/ディープラーニングに至るまで,幅広い分野でGPU/並列計算の重要度は高まる一方です。その背景にあるハードウェアおよび計算処理への要求とは,どのようなものでしょうか。
本書ではGPUの今を主軸に,ハードウェアおよびソフトウェアの観点の基本事項,超並列処理の根幹部,重要技術の動向まで徹底解説。先端の実製品例,各分野での具体的な導入事例なども豊富に盛り込み,現場で活かせる技術知識を凝縮してお届けします。
こんな方におすすめ
- GPUがどのようになっているのかを知りたい方
- GPUの仕組みを知って,より高性能のプログラムを書きたい方
- GPUの仕組みと現在の使われ方を理解して,より良く使いたい方,新たな使い方を考えたい方
知的好奇心からGPUがどうなっているのかを知りたいという方も歓迎です。
補足情報
本書の構成
本書は,以下のような構成で解説を行っています。
第1章 [入門]プロセッサとGPU
どのようにして画像表示を行うのかというグラフィックスの基礎から,グラフィックスの歴史,3Dグラフィックスの考え方,CPUとGPUの違いなど,グラフィックスの基礎知識を解説しています。さらに,グラフィックシステムの基本的な構造やGPUの実行方式など,第2章以降に読み進むための基礎を説明します。
第2章 GPUと計算処理の変遷
第2章では,グラフィックス処理ハードウェアの歴史から,GPUの科学技術計算への利用について説明しています。特に,SIMT実行やプレディケート実行など,今日のGPUの並列処理の方法について解説しています。
第3章 [基礎知識]GPUと計算処理
第3章では,3Dグラフィックスとはどのような処理をするのか,そのための表示パイプラインを説明しています。そして,ゲームにおける最近の3Dグラフィックス処理について解説しています。そして,GPUによる科学技術計算とは,どのような用途に使われるのかを解説しています。
第4章 [詳説]GPUの超並列処理
第4章は本書の中心で,GPUの構造はどのようになっているのかを詳しく解説しています。本章を注意深く読んでいくと,なぜGPUが高い演算性能を持っているのかをしっかりと理解できるでしょう。また,科学技術計算ではエラーの発生が最終結果を誤らせてしまうという問題があり,エラーの検出や訂正が重要になります。第4章では,エラー検出や訂正の方法も説明を行っています。
第5章 GPUプログラミングの基本
GPUハードウェアは高い演算能力を持っているのですが,それらの計算資源を有効利用するプログラムがなければ性能を発揮できません。
第5章は,超並列のGPUプログラムを記述するプログラミングの基本事項について説明しています。
第6章 GPUの周辺技術
GPUが高い性能を発揮するためには,データの供給と演算結果を格納する高バンド幅のメモリが必要です。また,CPUとGPU,あるいはGPU同士で高速にデータを転送することが必要になります。本章では,GPUのデバイスメモリやデータ転送の技術を解説しています。
第7章 GPU活用の最前線
GPUは3Dグラフィックス表示から汎用の科学技術計算へと適用範囲を拡大してきました。その3D表示はより品質を高め,製品開発の過程で試作を省くというような効率化を実現しています。また,VRやARのように,より高度な表示も使われ始めています。さらにはGPUの計算能力をAIの計算に使って自動運転を目指すというように,GPUの適用範囲が広がっています。第7章は,GPUがどのように使われていくのかの展望を持つのに役に立つでしょう。
第8章 プロセッサとGPUの技術動向
第8章は,これからCPUやGPUがどのように発展してくのかについて筆者の主観を交えつつ概観します。
必要となる前提知識について
本書を読むために必要となる特別な前提知識はそれほどはありません。以下のような基礎知識があれば,より読みやすいでしょう。
- 命令フェッチから演算に至るプロセッサの動作原理
- C言語の基礎知識
- 並列処理を行う場合の問題点
本書に関するお知らせ
本書に関連する記事を公開しております。
- 著者プロフィール
Hisa Ando
シリコンバレーで,1990年代に先端プロセッサの開発に従事。現在はフリーのテクニカルライターとして,プロセッサやスーパーコンピュータ関係の報道や解説を中心に活動している。『コンピュータ設計の基礎』(マイナビ出版,2010),『プロセッサを支える技術』(技術評論社,2011)などコンピュータアーキテクチャ関係の6冊の著書がある。また,ブログでプロセッサ関係の話題を紹介している。博士(工学)。
西川善司(にしかわぜんじ)
特別寄稿。
トライゼット
テクニカルジャーナリスト。高校時代からパソコン誌へのプログラムの寄稿,商業ゲームソフトの移植業務を受託。その後,日立製作所を経て記者業務に転向。ゲーム開発技術以外に,映像技術,自動車技術にもフォーカスした取材を行っている。
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- 本書について
- 本書は,GPUの解説書です。スマートフォンなどのカラフルな画面を作り上げているのはGPUですから,GPUは私達の生活に一番密着しているプロセッサとも言えます。
- 超並列ハードウェア"GPU"の基礎知識
- 最近,自動運転やスマート検索などのAI(人工知能),各種スマートフォン,VR(仮想現実),最先端の迫力ある3Dグラフィックス... と幅広い文脈で,「GPU」というキーワードが登場しています。
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