生物ミステリー(生物ミステリーPRO)
化石になりたい よくわかる化石のつくりかた
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土屋健 著
前田晴良 監修 - 定価
- 3,828円(本体3,480円+税10%)
- 発売日
- 2018.7.14
- 判型
- A5
- 頁数
- 224ページ
- ISBN
- 978-4-7741-9927-6
サポート情報
概要
本書は、化石のタイプを12+αに分類。
それぞれの特徴や形成の仕方を、わかりやすく説明しています。
化石のできかたを学びたいと思ったら、まず最初に読んでほしい1冊です。
お値段は高めですが、「化石に興味のある方」から「専門家」まで、大いに参考にしていただけます。
博物館に展示されている化石。もうめちゃくちゃかっこいい。
「自分もあんな感じで飾られてみたい!!」
そう思った方、少なからずおられるのではないでしょうか。
- きれいな骨を残すにはどうしたらいいの?
- 100万年後の研究者を悩ますために、奇抜な痕跡を残すには?
- 苦しむのは嫌なので、お手軽に痕跡だけを残したい!
- DNAまで残して、華麗に研究されたい
- 愛しきペットと暮らした空間を残したい
- 美しさを追求するために、自分の骨をオパール化したい!
こんなワガママな要求、この本なら満たせます。
ちなみに、化石化が実現しても、未来人に"発見"してもらえなければ意味がありません。
発見されやすい場所もばっちり考慮に入れて、全人類の化石化を完全サポート。
100万年後、ともに博物館で出会いましょう!
こんな方にオススメ
- 100万年後に博物館に展示されたい方
- 化石が大好きな方
- 博物館が大好きな方
目次
第1章 入門編~化石化の基本のキ~
- そもそも「化石」って何?
- そもそも“化石になる”のは合法なのか?
- いかに死すべきか? 何がNGか?
- 「化石鉱脈」という“最適地”
第2章 洞窟編~人類化石実績No.1!~
- 良質人類化石が洞窟から見つかる
- ヒトだけじゃない!
- 洞窟が“良質物件”となる理由
- 壁画でメッセージを
第3章 永久凍土編~自然の“冷凍庫”で~
- 肛門の蓋まで残る
- “最後の晩餐”も残る
- 冷凍庫に長期保存したシチュー
- 全身が埋没しないと大変だ
- 敵は温暖化
第4章 湿地遺体編~ほどよい“酢漬け”で~
- まさに今、死んだかのように
- 脳も残るが……
- 酢に漬けた卵のように
- 湿地遺体をいかに“保存”するか
第5章 琥珀編~天然の樹脂に包まれて~
- 琥珀の中の恐竜化石
- 昆虫も花もきれいに残る
- 琥珀に包まれるということ
第6章 火山灰編~鋳型として残る~
- ローマ時代の“実績”
- 毛先の剛毛、雄の生殖器、子連れの“リード”
- 本体は残らない、その覚悟が必要だ
第7章 石板編~建材やインテリアとしても有用~
- 保存が良い化石の産地といえば……
- 最後の“あがき”を残す
- 無酸素の礁湖で……
- 建材として残る
第8章 油母頁岩編~プラスチック樹脂できれいに保存~
- 最後の晩餐が“細胞レベル”で残る
- 胎児、そして“営み中”の化石
- 石油を残す無酸素環境で
- 乾燥厳禁。“新鮮”なうちに樹脂加工を
第9章 宝石編~美しく残る~
- 赤や青、緑に輝く
- 乳白色の輝きをあなたに
- 愛した樹木を残す
- 黄金の輝きの中で
第10章 タール編~黒色の美しさ~
- ブラック・サーベルタイガー
- ミイラ取りをよぶミイラ
- コラーゲンが残る
第11章 立体編~生きていたときの姿のままで~
- “今、釣ってきました”
- メデューサ・エフェクト
- 顕微鏡サイズではまるっと残る
- ポイントは“汚物溜め”
第12章 岩塊編~岩のタイムカプセル~
- 化石を保存する岩塊
- さまざまなコンクリーションたち
- 意外と早くできる?
- 泥パックで沈む
- 番外編~再現不能の特殊環境?~
- 硬軟ともに保存率高し
- 遠くに運ばれながらも……
- 神経も脳も残る
- 当時の独特の環境が……
- あとがきにかえて~もしもあなたが後世研究者だったら~
- 残ってほしい部位は「頭部」
- ルーシーの“ミス・リーディング”
- “余計なこと”はしないでほしい……
プロフィール
土屋健
オフィス ジオパレオント代表。
サイエンスライター。埼玉県生まれ。
金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。
その後、科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て独立し、現職。
雑誌等への寄稿、著作多数。
近著に『楽しい日本の恐竜案内』(共著:平凡社)、『怪異古生物考』(技術評論社)、監修書に『MOVE COMICS 地球と生命の大進化』(講談社)など。
高校時代、「どうせ土屋は、将来、化石になりたいんだろ」と友人にいわれる。
その後も、大学、社会人と、環境も人も変わるのに、なぜか似たようなことをまわりから指摘され続けている。
前田晴良
監修者
九州大学総合研究博物館・教授。
東京都品川区出身。元高校球児(外野手)。理学博士(東京大学)。
アンモナイトにはまったのが運の尽きで、化石の道(=石ごく道どう)から足を洗えずに今日に至る。
中学生のとき、将来何になりたいかという課題の作文に「化石!」と書いて職員室によび出された先輩(現在、石油業界で活躍中)から薫陶を受けた。
仕事柄、目にした数多くの化石の死にざまから、糞にまみれて横死してでも後世に存在の証を残すか、それとも何も残さずに静かに土にかえるか、という人生における究極の二択を突きつけられ、今なお苦慮中。
えるしまさく
イラストレーター
多摩美術大学日本画学科卒業。
博物学をテーマにしたTシャツブランド「パイライトスマイル」のイラストレーター。
技術評論社「古生物の黒い本」シリーズで古生物復元イラストを担当。
生き物と鉱物が好き。
もしも化石をつくれるなら……後世の復元イラストの資料として、いろんな動物の毛や鱗など、見た目にかかわる部分を残したい。