未来のサービスを作る基礎技術

第1回 未来のサービスをどうデザインするか

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未来のサービスをデザインする「ATL」

ATL(Advanced Technology Lab.)は,多くのサービスを持つリクルート図1の中で,新しい技術の開拓や次のトレンドをいち早く察知し,未来のサービスにいかせるソリューションを生み出す部署です。

図1 リクルートのサービス領域

図1 リクルートのサービス領域

ATL発足のきっかけ

従来リクルートのWebサービスでは,とくにミドルウェアなどにおいて商用製品を中心に活用してきていました。たとえば某商用の検索エンジンを利用していた時期,維持コストに見合うような満足な結果はなかなか出せないでいました。そこで,以前から基礎技術のリサーチを進めていたオープンソースの検索システムであるSolrを導入してみたところ,大きなコストメリットを出すことができました。今ではリクルートの検索エンジンは,そのほとんどがSolrを利用したものとなっています。

また,「ビックデータ」の代名詞としても有名なシステムHadoopに関しても,3年以上も前から基礎技術のリサーチを行っており,今ではリクルートのデータ集計を支える重要な基盤となっています。

Hadoopをフィジビリティスタディとして始めた当初はコストを十分にかけられず,サーバもきちんとしたものを購入することができませんでした。そこで秋葉原のジャンクショップでサーバを購入したり,既存のシステムで余ったサーバなどを流用してクラスタを構築していたりしました。

また,Hadoop周辺のエコシステムに関しても同様にリサーチ/トライを行い,MapReduceをSQLライクに扱うことのできるHive,OracleなどのDBからHDFSにデータを転送することができるSqoop,機械学習のライブラリであるMahoutの3つのエコシステムを有効活用するに至っています。

今ではリクルートのさまざまなサービスにおいて,データ分析・集計バッチの高速化・リコメンド・自然言語処理などに活用されています。

こういったSolrやHadoopのように,数年後にはリクルートのサービスの中核を担うような基盤技術を開拓するために,専属組織としてのATLが発足されました。

ATLが所属するMITの組織構成

まずは簡単に,ATLが所属する「MIT(MIT(Marketing & IT)システム基盤推進室」の組織構成をご説明します。このシステム基盤推進室には,リクルートのインターネットサービスのインフラレイヤからアプリレイヤまで,「基盤」を幅広く支援する部隊が集っています図2)。

図2 MITシステム基盤推進室の組織構成

図2 MITシステム基盤推進室の組織構成

ATLのほかにも次のようなグループがあります。

ASG(APソリューショングループ)

主にWebサービスのアプリ基盤の開発・支援を行っています。スマートフォンサイトをより効率的に開発するためのフレームワークの構築や,Webサービスの性能チューニングなどを専門にしている部署です。

PEG(プロフェッショナルエンジニアグループ)

リコメンドや自然言語処理など,Hadoopを活用したソリューションを実際のサービスに展開したりしています。ATLで開拓したソリューションを具体的に展開する部署,といえます。

ISG(インフラソリューショングループ)

データセンターの運用構築など,インフラ周りを専門にしている部署です。クラウド活用について数年前より先進的な取り組みをしてきており,インフラコストの劇的な削減などを実現しています。

APG(アナリティクスプラットフォームグループ)

Webサイトの分析を行うSiteCatalystの導入展開,ユーザー教育など,ログ分析の基盤などを管理している組織です。昨今ではスマートフォン利用シーンの増大に合わせた計測方針のブラッシュアップをするなど,環境の変化に合わせた基盤チューニングを常に行っています。

これらのグループで構成されるシステム基盤推進室では,図3の大きく2つの目的を掲げており,ATLはこのうち「B.世の中の先進技術からソリューションを創り出す」という機能を担っています。まさに先端技術のR&Dを行う「研究所」といえます。

図3 システム基盤推進室の目的

図3 システム基盤推進室の目的

――新しい技術要素を仕入れ,未来のサービスにどう組み込んでいくのか――このような,ある意味で「未来をデザインする動き」は非常に重要です。そのため,ソリューションに仕立てるためのフレームを用意し,自ら手を動かし,仮説を立てながらリサーチ/トライを行っていきます。ATLには,自ら新しいソリューションを創りだせるようなスタンスが求められています。

未来のサービスをデザインするのは猛獣の集団

私たちのような,新しい基礎技術を研究開発するエンジニアは,社内で「猛獣」という言葉でたとえられたりもします。猛獣というのは決して悪い意味だけではありません。ただリクルートの中では特異な,一筋縄ではいかない(?)タイプであるせいか,このようにと呼ばれているのでしょう。

写真1 ATLの活動風景

写真1 ATLの活動風景

でも,この「猛獣」集団こそがリクルートの技術を支え,未来のサービスを磨いていくのだ,というプライドを持って日々の仕事に臨んでいるのです。

著者プロフィール

高林貴仁(たかばやしたかひと)

2011年9月入社。リクルートでは,Hadoop関連の業務に携わる。2012年4月より,ATL(アドバンスドテクノロジーラボ)配属。脳波を利用したアプリケーションの開発や,Node.jsなどを利用したアプリケーション開発に携わる。

2012年10月から,リクルートテクノロジーズ)として,R&Dの業務に携わる。

Twitter:https://twitter.com/tatakaba

Facebook:https://facebook.com/tatakaba

注)リクルート MIT Unitedは,2012年10月1日の分社化に伴い,リクルートテクノロジーズという機能会社に生まれ変わりました。詳しくはコチラをご覧ください。

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