デジタルブランドマネジメント

第21回 ブランド・ロイヤルティが可能にするビジネス成長

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既存顧客のリピート購入に比べ,新規顧客の獲得は一般的に5~6倍の費用がかかると言われています。また,ロイヤルティが高く,ブランドを知人に勧める顧客は1人あたり3人の新規顧客の獲得につながるという調査結果も存在します。理論的にはロイヤルティの高い顧客のリピート購入率と,新規顧客の紹介率を高めることで,ビジネスは効率的に,かつ加速的に成長させることが可能なはずです。

しかし,現状では既存顧客と新規顧客は関わりのない全く別の存在として認識され,いまだ多くのブランドのマーケティング予算は主にマスメディアを通じた新規顧客の獲得だけに充てられています。

デジタルマーケティングでは詳細なターゲティングや顧客の囲い込み,ユーザーの特性に適した個別のコミュニケーションが可能であり,既存顧客のロイヤルティの向上に適していると言えるでしょう。ではブランドはロイヤルティ向上のために,テクノロジーをどのように活用すれば良いのでしょうか?

パッケージ×モバイル

ブランドはその商品やサービスを通じて,既にすべての顧客にリーチしています。製品パッケージはマーケティング施策の中でその重要性を見落とされがちですが,顧客全員に情報を伝えることができるおそらく最も効果的なメディアです。スマートフォン所有率が40%を超えている今,コンシューマー製品のパッケージ上のキャンペーン告知は他の手法に比べ非常に高い費用対効果で顧客の囲い込みを実現します。

購入履歴

ロイヤルティは期待を超えるブランド体験によって生まれます。しかし,すべての顧客を特別に扱うことはできません。eコマースやポイントプログラムなどから顧客の購買行動を知り,よりロイヤルティの高い顧客に優れたブランド体験を提供しましょう。

アンケート+ソーシャルメディアリスニング

顧客の声に耳を傾ければ,カスタマーエクスペリエンスを改善する貴重なインサイトの獲得や,エンゲージメントを通じたさらなるロイヤルティの向上が期待できます。オンラインのアンケートは様々なデジタルのタッチポイントに簡単に設置でき,瞬時に何万もの回答の収集を可能にします。またソーシャルメディアを検索することで,消費者のブランドに対する意見を知ることができます。

eコマース/e-CRM

ロイヤルティの高い顧客との関係をビジネス成長に役立てるためには,できるだけリピート購入や新規顧客の紹介をしやすい環境を提供する必要があります。彼らは高い確率でブランドの要求に応えてくれるため,強く働きかけるのではなく,新しい商品を試す機会やオンラインでの購入,知人へのクチコミを可能にするツールなどの提供を通じて,その自主的な行動を促します。ユーザーにとって最も便利なタイミングと手法でリーチし,簡単に購入・紹介できる場所へと誘導しましょう。

多くのブランドは様々なテクノロジーの活用方法を学び,ロイヤルティの高い顧客への効率的なマーケティングを習得することで飛躍的にビジネスを成長させることができるはずです。次にマーケティング戦略を見直す際は,今一度既存顧客の重要性に目を向けてみてください。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

デジタルマーケティングエージェンシー,FICC inc. 代表取締役社長。
デジタルがブランドをどのように強化し,その役割はブランド毎にどう異なるのか? デジタルブランドマネジメントの仕組みを検証する。

URLhttp://www.ficc.jp/

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