ECの成長の鍵は検索にあり~あなたのサイトにもネットコンシェルジュを

第1回 ネットコンシェルジュとなる検索機能

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検索エンジンの重要性が高まってきた

今回から10回程度にわたり,これからのECサイトにおける検索の動向について解説してみたいと思います。よろしくお願いします。

ゼロスタートでは過去にさまざまな製品をリリースしてきました。

2006年SNSエンジン ZERO-SN(終売)
2007年レコメンドエンジン ZERO-ZONE Recommend
2009年ミニブログエンジン ZERO-miniblog(終売)
2010年サイト内検索エンジン ZERO-ZONE Search
2012年効果測定エンジン ZERO-ZONE Feedback
2013年ビッグデータ検索エンジン ZERO-ZONE Discover

現在はEC向けソリューション「ZERO-ZONE」シリーズのみに特化して製品展開をしています。

このうちサイト内検索エンジン(以下検索エンジン)ZERO-ZONE Searchを販売するまでは,自社製品群だけではビジネス規模がスケールしなかったため,受託開発やデータセンター,エンジニア派遣・紹介事業なども並行して展開していました(派遣・紹介事業は継続中)。

検索エンジンを製品ラインナップに加えたところ,そこから売上規模が拡大して現在は主にECソリューションの提供のみに特化集中することができるようになりました。これは,取りも直さずECサイトにおける検索エンジンの需要が高いということだと思います。そしてECサイトにおける検索エンジンはこれからさらに重要なポジションを占めていくと考えています。

初回である今回は,まず検索エンジンがより重要になると考えている背景について触れてみたいと思います。

これからの成長が見込めるEC市場

まず2012年の日本における個人消費は300兆円あります。これに対して2012年のEC市場は9兆円と言われています。比率にしておよそ3%です。そしてこの比率はこれで頭打ちではなくこれからさらに伸びていくことでしょう。

私などは,極端な例だとは思いますが消費の8割以上がEC経由です。EC経由でないのは飲食や一部の衣料品(スーツなど),あとは新幹線や飛行機以外の交通機関の利用位だと思います。

9兆円というとかなりの市場規模であると言えますが,まだまだ今後かなりの成長余地と成長期待があるといえます。すべてがEC向きということは当然ないのですが,ECには多くのメリットがあることもまた事実です。

小売事業者もECでの取り扱い品目を次第に拡大しています。

以前からEC上で取り扱いされていた書誌やCD,DVD,家電などに加えて,衣料品,日用品,食料品などECで取り扱っている品目はかなりの割合になっています。水やお米などのように,店舗で買って持って帰ると重い物はネットスーパーなどでの購入が今後盛んになっていくのではないでしょうか。

また,いまや店舗では在庫がないものがECだとあるというのはよくあるケースになってきました。

加えてECは基本的に24時間オープンしているため,店舗のように営業時間内に来店しないといけないということもありません。

EC市場を後押しするスマートフォン/タブレットの普及

別の観点では,スマートフォン(とタブレット)の普及というのも大きな要素です。

以前はECというとPCがその主要な利用端末でした。フィーチャーフォンもありましたがフィーチャーフォンで購入するのはフィーチャーフォンのためのコンテンツが多かったと思います。このため,PCをプライベートで所有していない場合は必然的にECを利用する機会が少なかったと言えます。

それがスマートフォンの普及によって,PCを持っていなくてもスマートフォンを持っていればたいがいのECサイトは利用できるようになりました。これによってECを利用するユーザーベース自体がそもそも拡大してきているといえます。

実際の例として,ZERO-ZONE Searchを導入していただいているECサイトでも,以前は昼の12~13時にアクセスが集中していたのが,スマートフォン対応した後は,それ以外の時間帯でのアクセスが増加し,トータルの取扱高が増えたということがありました。

おそらく,12~13時にアクセス集中していたのは,職場のPCでランチタイムを利用してそのECサイトにアクセスしていたのだろうということが推測できます。

それでもまだまだ店舗には及ばないECの機能

まるでEC万能説を唱えているようですが,わたしは「いまの」ECはまだまだ店舗に遠く及ばない部分が多いと考えています。

その大きな1つに,商品を探す機能というものがあります。

たとえば,多くのECサイトにおいて「0件です」という検索結果が出たり,出ても在庫切れが上位表示されたりすることはよくあります。0件の検索結果というのは,リアルの店舗において,お客さんの「すみません◯◯ありますでしょうか」という質問に「ありません。以上です」という対応をしているようなものです。

またそもそも的外れな商品ばかり出るケースも見受けられます。「もち」と検索して「おもちゃ」が出るケース,「ベルト」と検索して「ベルト付きバッグ」が出るケース,「水」と検索して「化粧水」が出るケース,これらは実際に過去にあった実例ですがユーザが探したいものが出ていないことは明白です。

実際の店舗であれば,店員がユーザの意図を汲み取り適切な商品を案内してくれることでしょう。この「商品を探す」という点においてはECはまだまだ実際の店舗には及ばない点が多いのです。

ECがリアル店舗に及ばないポイント

なぜ及ばない点が多いのか,理由はいくつかあります。

まず「店員がいない」という点は大きなポイントです。また「商品を物理的に見て回ることができない」という理由もあるでしょう。ただでさえ実際の店舗にくらべてECのほうが取り扱い品目数が多い傾向があるので,余計「商品を探す」ということの難易度は上がります。

ECが今後より成長していくにはこのデメリットの克服は大きな課題となります。ましてはユーザベースが伸びていくということは,それだけ「商品を探すスキルが下がっていく」ということでもあります。

EC市場を拡大させる鍵となる「検索の進化」

わたしはその回答として「検索の進化」が重要だと思っています。

そしてこれが,ECサイトにおいて「検索エンジンがより重要になる」と考えている背景でもあります。

次回以降では,では検索の進化がなぜその回答となるのか,そして具体的にはどういった対策があるのかなどについて解説していきたいと思います。

著者プロフィール

山崎徳之(やまざきのりゆき)

青山学院大学卒業後,アスキー,So-netなどでネットワーク,サーバエンジニアを経験。オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)のデータセンターである「データホテル」を構築,運営。2003年にベイエリアにおいてVoIPベンチャーであるRedSIP Inc.を創業。2006年6月に株式会社ゼロスタートコミュニケーションズ(現 株式会社ゼロスタート)を設立,代表取締役就任(現任)。ECソリューションの「ZERO-ZONE」シリーズとして検索エンジンやレコメンドエンジンを開発,販売している。

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Twitter:http://twitter.com/zaki/

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