HDRで広がる写真の世界~一味違った写真を楽しもう

後編:HDR写真の作成方法

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

前編ではHDR写真の概要について説明しましたが,後編ではHDR写真の具体的な作成方法について説明していきます。

手順は,

  1. 三脚使って,ブレないように[明るい(+2)・暗い(-2)・普通(+-0)]の露出でブラケット撮影。画質はRAW形式
  2. PhotomatixというHDR合成用のソフトでHDR画像生成
  3. さらにLightroomでノイズリダクションやトリミングや明るさなど調整して現像して完成

となります。

HDR写真作成に必要なもの

画像

  • オートブラケット機能があってRAW撮影できるカメラ(必須)
  • 三脚(無くても撮影可能)
  • HDR合成ソフトPhotomatix Pro
  • RAW現像ソフトAdobe Lightroom

HDRの写真撮影では,シャッタースピードを変えながら写真の露出を変えてまったく同じ風景を複数枚撮影するため,露出を手動で設定できるカメラであることが最低条件です。

また「オートブラケット機能(露光を自動的に調節して一度に複数枚異なる露出の写真を撮影してくれる機能)」があること,「RAW」形式で撮影できることがかなり推奨機能です。

三脚に関しては,同じ構図で異なる露出の写真を複数枚撮影するために必要ですが,高機能のセンサーを搭載していてオートブラケット機能が優れているカメラであれば手持ちでも撮影できます。

撮影した露出が異なる複数枚の写真をHDR合成するソフトウェア 「Photomatix」と,HDR合成した写真の仕上げを行うために使用する「Adobe Photoshop Lightroom」が必要となります

①HDR用写真の撮影

画像

デジタルカメラで(可能なら三脚を用いて),撮影画像がブレないように露出を[明るい(+2)・暗い(-2)・普通(+-0)]のに設定し,まったく同じ風景を3枚以上ブラケット撮影します。

HDR写真撮影を行う際に毎回設定すべき5つのポイントは以下のとおりです。

  1. 写真画質をRAWにする
  2. A優先(絞り優先)モードにして,適切なF値を設定
  3. オートブラケットモードにする。露出は[+2,0, +-0.0, -2.0]の3枚撮影モードが一般的
  4. ISO値も固定する.カメラの性能に非常に左右されるが,暗い場所ではISO1200までを目安に設定する
  5. ホワイトバランスは設定しておいたほうが良い(ただしオートWBでもあまり問題は無い)

②Photomatix Pro を使ってHDR合成をする

HDR写真の合成のソフトの中でも,老舗で最もポピュラーなソフトウェアであるPhotomatix Proを用います。

無料体験版には製品版のすべての機能が含まれますが,1万1,000円のライセンスキーを入力するまではHDR合成したイメージに「透かし」が入ります書籍『HDR写真 魔法のかけ方レシピ 撮ったあと生まれ変わる,写真のあたらしい楽しみ方』の購入者特典としてPhotomatix Proの30%オフクーポンが提供されています)。

画像

ブラケット撮影した画像ファイルを3枚読み込みます(画像は1枚でも2枚でも読込可)。

画像

  • イメージのズレを調整する
  • ゴーストを減らす
  • ノイズを減らす

などの設定が読み込み時に可能です。これで多少ブレた写真もかなりピタッと修正され,ノイズも軽減することができます。

画像

あとは各設定変えて好みのHDRイメージを作っていきます。右側のプリセットのHDR合成イメージから気に入った画を選び,左側のツールで明るさや強さを調整していきます。

ただし[超現実的][グランジ][クリエイティブ]などのプリセットの使い過ぎには注意しましょう。写真の雰囲気がガラッと変わりいかにもHDRっぽい個性的な写真に仕上がるような気がしますが,これは初心者がとくに陥りやすい「加工中毒」の罠です。

非現実的で不自然な加工が施されたHDR写真がインターネットに大量にアップされているため,このような雰囲気の写真を「HDR」写真と考えている方が多いかもしれませんが,これはHDR写真の合成後に得られる加工効果のひとつでしかありません。

イメージができあがったら「書き出し」を行い,TIFF形式で保存しておきましょう(Lightroomで加工しない場合やそのままWeb等にアップする場合はJPEGで保存します)。

③Adobe Photoshop Lightroomでさらに調整

Lightroomで最後の仕上げをするとHDR写真が驚くほど見違えます。

また,JPEG形式ではなく,RAW形式で画像を扱うことの真価がLightroomでの仕上げ(現像作業)によって大きく発揮されます。

「Adobe Photoshop Lightroom」(Creative Cloud フォトグラフィプラン月額980円でPhotoshopとLightroomが利用可。または製品版で9,600円)RAW現像ソフトの中でも最も人気があるソフトです。

LightroomでHDR写真を仕上げる際に覚えておきたい基本の6つのパラメーターは以下のとおりです。

  1. ハイライト
  2. シャドウ
  3. 白レベル
  4. 黒レベル
  5. 明瞭度
  6. 自然な彩度

ハイライトとシャドウの調整だけで写真の明るい力と暗い力を極限まで引き出し限界まで調整し,明瞭度と彩度の調整だけで写真のメリハリが出て,パキッと美しいHDR写真に仕上げることができます。

Lightroom現像前

Lightroom現像前

Lightroom現像後

Lightroom現像後

以上,HDR写真の作り方を簡単に説明しました。

書籍HDR写真 魔法のかけ方レシピでは,私が世界中を旅して撮り下ろしたたくさんのHDR写真の作例とともに,より詳しい手順や,失敗の防ぎ方まで紹介,この本1冊で,HDR写真のほとんどすべてについて理解できるはずです。

少しでもHDR写真に興味を持っていただけたのなら,手にとっていただけると嬉しいです。

10月16日(木)19:30より渋谷にて「HDR写真 魔法のかけ方&Photoshop Lightroom 徹底活用講座」セミナーを開催いたします。ぜひご参加ください。

お申し込み等,詳しくはこちらから↓

HDR写真 魔法のかけ方
with Adobe Photoshop Lightroom
http://opencu.com/events/hdr-photoshop-lightroom
日時2014年10月16日 19:30~21:30
場所loftwork lab 10F(渋谷)

HDR写真 魔法のかけ方レシピ好評発売中!

筆者が世界中を旅して撮り下ろしたたくさんのHDR写真の作例とともに,写真に「HDRの魔法」をかける楽しさと,「魔法のかけ方」をお伝えしていきます。

画像

  • 特殊判型判/128ページ
  • 定価(本体1,780円+税)

著者プロフィール

石川真弓(いしかわまゆみ)

ロフトワークの広報PR兼プランナー。FabCafeの広報担当、メディアリレーションの他ロフトワークのコミュニケション戦略プランニングと実施、コラボレーション企画などを行う。またクライアントプロジェクトにおいてもコミュニティデザイン、オウンドメディアからイベント企画、ソーシャルメディア活用やプロモーションなどの企画立案と実施も担当するハイブリッド型PR。

前職はWEB制作会社のWEBプロデューサーとWEBディレクターを経て、シックス・アパート株式会社でマーケティング・マネジャーとして広報・マーケティング活動全般を5年間担当。個人ブログを続けて11年、本業の傍らギズモード・ジャパンなど多数Webメディアのライターを務める。執筆した書籍に『HDR写真 魔法のかけ方レシピ』(2014年 / 技術評論社)。

コメント

コメントの記入