LESSで3倍ラクするスマートフォンコーディング

第2回 LESS記法を身につける(初級編)

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

最低限おさえておくべき6つの記法

前回はLESSが解決してくれる悩みと,less.jsの利用法をご紹介しました。

今回はいよいよ実際にLESSを書いていきましょう。

とはいえ,LESSの記法の中でもよく使われるものと,あまり使われないものがあります。今回は初級編として,LESSを使うなら必ず覚えておきたい記法と,その活用法,注意点などを見ていきましょう。

LESSで基本として押さえておくべきは下記6点です。

  • ネスト
  • 変数
  • ミックスイン
  • 演算
  • コメント
  • インポート

これだけでもCSSのコーディング速度が1.5倍くらいになり,十分にLESSの恩恵にあずかれます。

順番に見ていきましょう。

なお,コードの見かたは以下のとおりです。

// LESSLESS記法
/* Compiled CSS */以降コンパイルされ,実際にブラウザが処理するCSS

ネスト ~CSSのセレクタを入れ子にする

ネストとは,以下のようにCSSのセレクタをどんどん入れ子にして書いていくことです。

// LESS
#header {
  h1 {
    font-size: 26px;
    font-weight: bold;
  }
  p { font-size: 12px;
    a { text-decoration: none;
      &:hover { border-width: 1px }
    }
  }
}


/* Compiled CSS */

#header h1 {
  font-size: 26px;
  font-weight: bold;
}
#header p {
  font-size: 12px;
}
#header p a {
  text-decoration: none;
}
#header p a:hover {
  border-width: 1px;
}

「こう書ければ楽なのになー」と,一度は考えたことはないでしょうか?

ネストを使うと,記述量が減るだけではなく,HTMLの文書構造に近づくため,メンテナンス性も高まるのが大きな利点です。

ネストの落とし穴

ネストは非常に便利なのですが,あまりに利用する必要がないセレクタを記述してしまうと,非常に冗長なCSSが生成されてしまいます。

たとえば,以下のようにHTMLの文書構造に合わせて書くと,見やすく思えるかもしれません

// LESS
#entrypage {
     #header {
          nav {
               ul {
                    li {
                         a#home {
                              background: #ff0000;
                         }
                    }
               }
          }
     }
}

しかし,生成結果は以下のようになります。

#entrypage #header nav ul li a#home {
     background: #ff0000;
}

全体の構成にもよりますが,せっかく#homeというIDが付いているのですから,以下で十分な内容です。

#home {
     background: #ff0000;
}

idを単体で指定したほうが,子孫セレクタを指定するよりも描画速度が速くなります。

ネストは非常に便利な機能ですが,うまく活用しつつも,生成結果を常に意識して利用するようにしましょう。

変数 ~繰り返す処理を一元管理

デザイナーの方は,ベースカラー/アクセントカラー/メインカラーなどをあらかじめ決めておいてデザインすることが多いのではないでしょうか。そしてコーディングの際,結果的にCSSの各所で色宣言をしていることでしょう。

そのような繰り返し宣言をせず,一元管理できるのが変数です。

たとえば以下のように@colorで宣言をした#4D926Fは,それ以降すべて@colorで呼び出すことができます。@以降の文字列は任意のもので構いません。

// LESS
@color: #4D926F;

#header {
  color: @color;
}
h2 {
  color: @color;
}

/* Compiled CSS */

#header {
  color: #4D926F;
}
h2 {
  color: #4D926F;
}

@colorのように一色に限らず,以下も宣言しておくと便利です。

  • @baseColor
  • @accentColor
  • @mainColor

筆者の場合は,統一したい余白の幅やフォントサイズを指定したりもしています。

これらはクラス名として宣言しておけば機能的には同様のことができるかもしれません。しかし,それはHTMLとCSSの原則である「構造とデザインの分離」を無視した宣言となってしまします。

また,⁠やはり特定のタグのみ色を変えたい」という時に,CSSとHTMLの両方を修正する必要があるため,保守性も悪くなります。

変数を使えば,構造とデザインの分離を実現しつつも,デザインの使い回しができ,非常に都合が良いのです。

また,アクセントカラーとメインカラーをあえて同じ色にする場合もあるかもしれませんが,同様のページを作る場合でもコードを流用することを考えて,以下のように記述を分けておくと便利でしょう。

//LESS
@mainColor: #4D926F;
@accentColor: @mainColor;

このように仮に同じ内容でも書き分けをしておくことで,デザインの変更があった場合でも工数を削減できるでしょう。CSS上での文字列一括置換ではできない,LESSならではの利点ですね。

著者プロフィール

宇野雄(うのゆう)

UI・UXデザイナー。

ヤフー株式会社にて,主にスマートフォンWebとアプリのUI・UX設計/デザイン/コーディングを担当。

全く新しいモノづくりよりも,既にあるモノを新しい視点でとらえるデザインが好き。犬派。

Twitter:@saladdays

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