はじめてのLiferay─短時間で高度なWebシステム構築

第4回Liferay SNSの紹介

概要

LiferayによりWebページの作成は、ポートレットと言う部品をページに配置することで行います。標準のLiferayには掲示板やお知らせのようなポータル向けの機能が含まれています。しかし、Liferay社からTwitterやFacebookのようなSNS的ポートレットも提供されています。以前はSocial Officeという別ソフトウェアとして配布されていましたが、Liferay 6.1からはLiferay用のポートレットとしてファイルされています。今回は日本語版Liferay SNSを使って簡単なSNSサイトを構築してみます。

Liferayのインストール/セットアップ

日本語版Liferay SNSは3月中に以下のサイトから順次に公開する予定です。本記事はまだ開発中の日本語版Liferay SNSを利用しているため、公開されるものと若干異なっている場合もあります。

日本語版Liferay SNSは日本語版Liferayと同じように①ダウンロード、②解凍、③実行すると起動します。詳細なインストールとセットアップ手順に付いては「⁠⁠第2回 Liferayで始めるWebサイト」を参照してください。

英語版のSNS機能はLiferay社からポートレットとして提供されていますので、まずは英語版のLiferay6.1をインストール/セットアップした後、MarketPlaceから「Social Office CE」「Social Networking CE」を入手してデプロイします。Social Office CEポートレットには「チャット⁠⁠、⁠ToDoリスト⁠⁠、⁠連絡先名簿⁠⁠、⁠プロジェクト」などの機能が入っています。Social Networkingポートレットには「友達管理」「壁」のようなポートレットが入っています。

日本語版はデータ構造などを変更していますので、英語版とは互換性がありませんので注意してください。

Liferay SNSの機能

Liferay SNSには以下のポートレットが同梱されています。これらのポートレットはソーシャル、共同作業、コミュニティに分類されています。ソーシャルは人のつながり、共同作業は情報の共有、コミュニティとはグループのことです。

本文は、和訳を修正する予定の箇所には取り消し線を引いています。

ソーシャル

ソーシャルポートレットとは、組織をまたがって他ユーザとグループを組んで活動を行えることを支援するポートレット集です。共通した関心事をもつユーザの集まりの情報を管理する機能を提供します。組織や公式のグループの堺を越えて、友達やファロのようにユーザが自主的にその場で組むグループです。

ソーシャルポートレットにはメンバーポートレットのようにグループ共有のページに配置できるポートレットと、壁ポートレットのようにグループメンバーの個人ページに配置できるポートレットがあります。

ポートレットをグループ共有ページに配置した場合は、メンバーが情報を共有して作業効率を向上することを支援します。ポートレットを個人ページに配置した場合は、ユーザ同士が個人的に連絡したメンバー間の繋がりを深めることを支援します。

図1「追加」メニューから選択できるソーシャルポートレット一覧です。表1はこれらのポートレットの説明です。

図1 ソーシャルポートレット・メニュー
図1 ソーシャルポートレット・メニュー
表1 ソーシャル・ポートレット一覧
No.ポートレット名説明グループ個人
1グループの統計情報サイトの活動統計情報を表示
2コンタクトセンター友達や追跡するユーザを管理
3プロフィールユーザプロフィールを表示
4メンバーサイトおよび組織のメンバー一覧を表示×
5メンバーの活動サイトおよび組織のメンバーの活動を表示×
6ユーザの統計情報ユーザの活動統計情報を表示
7個人情報個人情報を表示と編集
8友達友達一覧を表示×
9友達の活動友達の活動を表示×
10名刺入れ登録したユーザの連絡情報を表示×
11Facebook風のWall×
12所在地ユーザの所在地を示す地図を表示×
13打合せ予約打合せ予約の登録と表示
14承認待ち友達申請一覧。申請を承認か可否できる
15活動ポータルユーザの活動情報を表示

共同作業

ソーシャルポートレットは主にその場でユーザがグループを作成する環境を提供します。共同作業ポートレットは組織、公式なグループ、ソーシャルなグループが情報を共有する環境を提供します。

図2 共同作業ポートレット・メニュー
図2 共同作業ポートレット・メニュー

図2「追加」メニューから選択できる共同ポートレット一覧です。表2はこれらのポートレットの説明です。チャットポートレットは最初からすべてのページの右下から使えるようになっているため、メニューからは配置する必要はありません。

表2 共同作業ポートレット一覧
No.ポートレット名説明
1ToDoリスト自分の作業管理と他者への作業依頼の管理
2Wiki共同で作成できる文書
3アクティビティユーザの投稿やファイル操作を追跡情報
4カレンダー自分およびグループの予定の管理
5コンタクトセンター友達、フォローするユーザの管理
6ダイレクトメッセージ他ユーザへ直接メッセージを送信。開読状態を管理できる
7ブログユーザ一人が作成出来る文書ページ
8ブログの購読集複数のブログを表示
9予定今日の予定を表示
10動的データリスト表示動的リストの作成と表示
11掲示板複数ユーザが共通しが課題について投稿できる環境
12最新のタスク最新更新されたタスク
13最近新のブログ最新更新されたブログ
14短文メッセージTwitterのような短文メッセージの送受信
短文メッセージ一覧短文メッセージ一覧

コミュニティ

最新版のLiferayでは「コミュニティ」「サイト」に置き換わっています。コミュニティとは構成されたグループです。ソーシャルグループと異なり、コミュニティには管理者がいます。コミュニティ管理者の判断によって、参加には承認が必要な場合もあります。旧Liferayバージョンでは、組織およびコミュニティのみがWebページをもつことができました。個人ページは1人のコミュニティとして扱われていました。

ソーシャルグループでもWebページをもつことができるように、最新バージョンではWebページは「サイト」となり、構成されたグループは「コミュニティ」と再定義されました。残念ながらコミュニティポートレットにはまだこの二つの概念のポートレットが含まれています。

図3「追加」メニューから選択できるコミュニティポートレット一覧です。表3はこれらのポートレットの説明です。

図3 コミュニティポートレット・メニュー
図3 コミュニティポートレット・メニュー
表3 コミュニティポートレット一覧
No.ポートレット名説明ページグループ
1おすすめページユーザがページを評価できるように星を表示
2アクティビティポータルユーザの活動を表示
3サイトサイト一覧を表示 
4ブックマーク個人およびグループのお気に入りを管理
5ページコメントページにコメントを入力できるようにする 
ページフラグ管理者にスパム報告をします 
名簿グループメンバーの名簿を管理
招待ページのURLをメールする

ソーシャルオフィス・レイアウト

Liferay SNSにはSNS用のポートレットの他にページレイアウトが同梱されています。通常のLiferayページは図4のようにページの上にページメニューが表示されますが、ソーシャルオフィス(Social Office)の場合は図5のようにページの右側に表示されます。Liferay SNSでは、新規にサイトを作成するとソーシャルオフィス用のページレイアウトが適用されます。

図4 デフォルト・レイアウト
図4 デフォルト・レイアウト
図5 ソーシャルオフィス・レイアウト
図5 ソーシャルオフィス・レイアウト

Webサイトの例

Liferay SNSに同梱されているポートレットを使って、構築可能なWebサイトの例を説明します。

企業ポータルサイト

Liferayを使った企業の外部Webサイトの例を説明します。実際の企業ポータルサイトはプログラムやスタイルシートは作成して見栄えを重視しますが、今回はLiferayの標準な機能のみを利用して短時間で作成します。

インターネットを利用している一般ユーザが閲覧できる企業Webサイトを作成しました。構成としては最初に表示する「ホームページ⁠⁠、⁠会社情報ページ⁠⁠、⁠部署紹介ページ⁠⁠、⁠リクルート情報ページ⁠⁠、⁠製品紹介ページ」です。ページ名後の括弧に記述されているのでページを作成するのに使ったポートレット名です。

ホームページ(利用するポートレット:スライドショー、RSS)

図6のような社外ホームページは、⁠第3回 Liferay IDEで始めるポートレット開発」で作成したjQueryスライドショー・ポートレットとRSSポートレットで作成できます。開発を行わずにスライドショーを表示する場合は第3回で紹介してようにWebコンテンツポートレットを使うこともできます。

図6 社外向けページの例
図6 社外向けページの例

デフォルトのページレイアウトは30%-70%の2列表示なため、レイアウトを変更します。実際のサイトでは「第3回 Liferay IDEで始めるポートレット開発」で紹介したLiferay IDEのウィザードを使って1-3 Columns(33-33-34)レイアウトを作成すると良いと思いますが、今回は開発を行わずにWebサイトを作成することにしたため、標準で提供されている1-2 Columns(30/70)レイアウトを使います図7⁠。

図7 1-2 Columns(30/70)レイアウト
図7 1-2 Columns(30/70)レイアウト

「第2回 Liferayで始めるWebサイト」で説明した要領でスライドショー・ポートレットをページの上の部分に配置します。続いてページの下の2列のそれぞれにRSSポートレットを配置します。RSSポートレットに最新ニュースとイベント情報を表示するために、RSSフィードのURLを設定します。RSSポートレットごとに「開く」「設定」を選択して該当するRSSフィードのURLを入力してください。

部署紹介ページ(利用するポートレット:Webコンテンツ)

部署の紹介ページはWebコンテンツ・ポートレットのみで作成できます。ページのレイアウトを1 columnに変更して、⁠第2回 Liferayで始めるWebサイト」で説明した要領でWebコンテンツ・ポートレットを配置して、内容を入力します。図8は内容を入力し終わったページの例です。

図8 部署紹介ページの例
図8 部署紹介ページの例

会社の場所案内(利用するポートレット:グーグルマップ)

会社情報ページは部署紹介ページと同じようにWebコンテンツ・ポートレットで作成することができます。会社の地図案内ページは、図9のように日本語版Liferay SNSに同梱されているグーグルガジェットのグーグルマップ・ポートレットを配置することができます。

図9 会社の地図案内ページの例
図9 会社の地図案内ページの例

リクルート(利用するポートレット:Webコンテンツ、RSS、掲示板、アンケート)

一般的なリクルート情報ページは、Webコンテンツ・ポートレットで作成することができます。学生向けページには図10にようにリクルート情報を表示するためにRSSポートレットと簡単なアンケートを配置しました。リクルート用のRSSフィードが他システムから提供されない場合は隠しページを作成して、そのページに掲示板ポートレットを配置します。

掲示板ポートレットは投稿された内容をRSSフィードとして提供する機能があります。そのRSSフィードのURLをRSSポートレットに設定すると、掲示板に投稿された内容がRSSポートレットに表示されます。

図10 リクルートページの例
図10 リクルートページの例

製品一覧(利用するポートレット:カテゴリ)

図11のような家電ショップの製品情報表示ページは企業ポータルには不要かもしれませんが、これはプログラム無しでページを作成することができるので説明します。

図11 製品一覧ページの例
図11 製品一覧ページの例

カテゴリの定義(カテゴリ)

製品情報表示ページを作成する場合は、左側に表示する項目(カテゴリ)を定義して、表示する製品の写真ファイルを文書およびマルチメディアにアップロードします。アップロードしたファイルごとに定義したカテゴリを設定します。

カテゴリの定義は「管理ページ」「カテゴリ」ページから行います。図12はカテゴリを定義したページの例です。

図12 カテゴリ定義ページ
図12 カテゴリ定義ページ

文書およびマルチメディアにアップロードした各ファイルを開きタイトル、説明、該当するカテゴリを選択して保存します。図13の例では冷蔵庫の写真にカテゴリ「キッチン」を設定しています。すべての画像ファイルにカテゴリを設定したら準備が完了です。

図13 ファイルの属性設定の例
図13 ファイルの属性設定の例

製品一覧の表示(利用するポートレット:カテゴリナビゲーション、コンテンツ一覧)

製品一覧を表示するページにカテゴリナビゲーション・ポートレットをコンテンツ一覧ポートレットを配置します。図14はカテゴリナビゲーション・ポートレットをページの左側に配置して、コンテンツ一覧ポートレットを右側に配置した例です。カテゴリナビゲーション・ポートレットには定義したカテゴリ一覧が表示されます。

カテゴリを選択すると、コンテンツ一覧ポートレットにそのカテゴリを設定した画像イメージと説明一覧が表示されます。別のカテゴリを選択すると、選択されたカテゴリを設定した画像イメージ一覧に切り替わります。

図14 製品一覧ページの例
図14 製品一覧ページの例

製品検索(利用するポートレット:検索)

製品検索をする場合は、カテゴリナビゲーション・ポートレットの上に検索ポートレットを配置します。図15は検索結果ページの例です。該当する画像ファイル一覧が右側に表示されます。左側には該当した製品数とその下にカテゴリごとの件数も表示されます。その下にファイルの更新日時別の件数も表示されます。

図15 製品検索ページの例
図15 製品検索ページの例

個人ページ - 公開(利用するポートレット:プロフィール、承認、アクティビティ)

Liferay社にアカウントを作成した場合に作成される個人ページを作成すこともできます。図16のようにページの左側にプロフィール・ポートレットを配置します。右側には承認待ちポートレットとアクティビティ・ポートレットを配置します。

プロフィール・ポートレットはユーザの登録されているユーザ情報を表示します。図16では承認待ちの友達申請がないため、承認待ちポートレットが表示されていませんが、申請がある場合は申請者名と「承認⁠⁠、⁠拒否」ラジオボックスが表示されます。

アクティビティ・ポートレットにはFaceBookのニュースフィードと類似している機能をもちます。グループ・メンバー又はユーザがポータルで行った作業の追跡情報を表示します。アクティビティ・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • アクティビティ・ポートレットの内容からRSSフィードを作成することができます(作成されたRSSフィードはRSSポートレットで表示することができます⁠⁠。
  • 時間順に表示されます。
  • 行った作業を確認できるように、関連するコンテンツへリンクが張られます。
図16 個人の公開ページの例
図16 個人の公開ページの例

個人ページ - 非公開(利用するポートレット:グーグルガジェット、承認、壁)

ユーザは個人しか見ることができない非公開の個人ページを持つこともできます。個人でよく利用するポートレットをページに配置することができます。図17は朝日ニュース・ポートレット、グーグル単語トレンド・ポートレット、壁ポートレットを配置した例です。

壁ポートレットはFacebookのwallと類似した機能をもちます。友達の壁にコメントを書いたり、内容を共有することができます。壁ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • 友達の壁に書いたり、連動させることができます。
図17 個人の非公開ページの例
図17 個人の非公開ページの例

グループ情報共有サイト

コントロールパネルのサイトページからデフォルトソーシャルオフィスサイトを追加するとグループ情報共有サイトが作成されます。デフォルトでは「ホーム⁠⁠、⁠カレンダー⁠⁠、⁠文書⁠⁠、⁠フォーラム⁠⁠、⁠ブログ⁠⁠、⁠Wiki⁠⁠、⁠メンバー数」ページが作成され、それらのページにポートレットが配置されます。管理者は必要に応じてこれらのページを削除したり移動することができます。またページのレイアウトを変更したり、配置されているポートレットを削除したり、ページにポートレットを追加することができます。

今回は文書ページとカレンダーページの順を変えて、短文メッセージページと打合せページを追加しました。デフォルトで追加されるページはサイトテンプレートで指定することができます。

ホームページ
主な役割:グループの最新情報表示
利用するポートレット:打合せ予約、今日の予定、最近利用したファイル、ブックマーク

グループホームページとは、グループのメンバーが共有するホームページです。一般的にはメンバー全員にお知らせしたい情報を表示します。図18の例ではグループの「打合せ予約⁠⁠、⁠今日の予定⁠⁠、⁠最近利用したファイル⁠⁠、⁠ブックマーク」ポートレットを配置しました。

打合せ予約ポートレットとは、グループのメンバーが非公式の打合せを募集する場合に使います。打合せだけではなく、皆で一緒に昼に行く場合、飲み会の誘い、勉強会の誘いなどにも使うことができます。件名、説明、実施日時、定員、予算、写真を登録することができます。参加希望のメンバーは参加登録を行うことができます。

今日の予定ポートレットは、グループのカレンダーに登録された今日のスケジュールを表示します。グループが計画している公式のイベント一覧を表示します。

最近利用したファイルポートレットは、メンバーが最近利用したファイルを表示します。他メンバーがどのようなファイルを利用しているのかを把握することができます。グループでは共通した作業を行っていることが多いので、他メンバーが利用されているファイルは他メンバーにも役立つ場合があります。対象となるファイルを文書およびマルチメディアに登録されたファイルです。

ブックマークポートレットは、グループ共有のお気に入り集です。ポータル内の掲示板やブログのURLを登録したり、外部サイトのURLを登録することができます。

図18 グループ(部/課/チーム)ページの例
図18 グループ(部/課/チーム)ページの例
ファイル管理ページ
主な役割:ファイルの共有、ファイルの管理
利用例:コンテンツ管理
利用するポートレット:文書とマルチメディア

文書ページには図19のように文書とマルチメディア・ポートレットが配置されています。文書とマルチメディア・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • 階層的フォルダを作成することができます。
  • PDF、MS Office文書、画像をプレビューすることができます。
  • PDFやMS Officeファイルの内容も検索対象になります。
  • Solrプラグインを利用した場合は、日本語辞書を使って検索することができます(最新版のSolrに対応しています)。
  • フォルダおよびファイルごとに権限を設定することができます(ユーザに参照権限が無いファイルは、検索結果にも表示されません)。
  • バージョン管理されます。古いバージョンに戻ることもできます。
  • ファイルのメタ情報も登録されます。
  • フォルダおよびファイルはWebDAVおよびURLからもアクセスでます。
  • ファイルをチェックアウト/チェックインすることができます。
  • AlfrescoのようなCMSにファイルを格納することもできます。
図19 文書管理ページの例
図19 文書管理ページの例
カレンダーページ
主な役割:グループのスケジュール管理
利用例:グループスケジューラー
利用するポートレット:カレンダー

カレンダーページには図20のようにカレンダー・ポートレットが配置されます。カレンダーを使ってグループのスケジュール管理を行うことができます。カレンダー・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • グループ用のカレンダーを設けることができます。
  • 予約されてた予定の前にメール通知を送るように設定できます。
  • 繰り返し登録を行うことができます。
  • 関連しているポータルのコンテンツと関連付けることができます。
図20 グループ(部/課/チーム)スケジュール・ページの例
図20 グループ(部/課/チーム)スケジュール・ページの例
フォーラムページ
主な役割:グループメンバー間で共通した関心事の連絡
利用例:Q&A、連絡
利用するポートレット:掲示板、パンクズリスト

フォーラムページには図21のようにパンくずリストと掲示板ポートレットが配置されています。このページをグループ内のQ&Aや連絡に使うことができます。

パンクズリストポートレットには親ページ名が表示されます。ページ名をクリックすると、そのページに移動します。

掲示板ポートレットはグループのメンバーが共通した関心ごとに付いて連絡する場を提供します。掲示板ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • 階層的にフォーラムを設けることができます。
  • 投稿内容はHTMLエディタを使って作成することができます。
  • 投稿にファイルを添付することができます。
  • 特定ユーザの参加を禁止することができます。
  • ユーザの投稿統計情報を表示することができます。
  • 投稿内容をメールで送信することができます。また、メールで返信することもできます。
  • 投稿された内容をRSSフィードとして配信することができます。
図21 Q&Aページ/連絡ページの例
図21 
ブログページ
主な役割:各ユーザが自由に作成できる公開ページ
利用例:製品紹介、プロジェクト紹介
利用するポートレット:ブログ、最新ブログ

ブログページには図22のようにブログポートレットと最新ブログポートレットが配置されています。ブログとは一人のユーザが任意に作成できるページです。たとえば、開発担当者がプロジェクトや製品の紹介をする場合にブログを使うことができます。ブログ・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • HTMLエディタで内容を記述することができます。
  • 内容をRSSフィードとして発信することができます。
  • 他ユーザがコメントを追加することができます。
  • ブログにコメントが追加された場合はメール送信で通知するように設定できます。
  • 他ユーザが評価することができます。
  • ページにキーワード(タグやカテゴリ)を設定することができます。

最新ブログ・ポートレットは、最新作成/更新されたブログ一覧を表示します。

図22 製品紹介ページの例
図22 製品紹介ページの例
Wikiページ
主な役割:共同ページ政策
利用例:マニュアル作成
利用するポートレット:Wiki

Wikiページを選択すると図23のようにWikiポートレットが配置されたページが表示します。Wikiとは、グループ・メンバーが共同でページを作成する機能です。一人のメンバーが作成したページを他メンバーが編集したり、関連ページを追加することができます。Wikiポートレットは以下の特徴をもちます。

  • HTMLエディタを使って文書を作成することができます。
  • 全文検索を行うことができます。
  • ページにタグやキーワードを設定した場合は、そのタグやキーワードで検索することができます。
  • ロールによる参照、編集など権限を設定することができます。
  • Wikiが作成/編集した場合にメールで連絡することができます。
  • 内容をRSSフィードで提供することができます。
  • ページにコメントを記述したり、内容を評価する(星数を選択)ことができます。
図23 オンライン・マニュアルの例
図23 オンライン・マニュアルの例
短文メッセージ・ページ
主な役割:リアルタイムの状況連絡
利用例:状況連絡(ツイート)
利用するポートレット:短文メッセージ

短文メッセージとは、グループ・メンバー間がリアルタイムにメッセージを更新する機能です。Twitterのように投稿された短文なメッセージが時系列に表示されます。短文メッセージ・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • リアルタイムでメッセージが表示されます
図24 状況連絡ページの例
図24 状況連絡ページの例

グループメンバー情報

ソーシャルユーザサイトを追加すると「ダッシュボード⁠⁠、⁠コンタクトセンタ⁠⁠、⁠マイクロブログ⁠⁠、⁠メッセージ⁠⁠、⁠作成したドキュメント⁠⁠、⁠タスク」ページがあるサイトが生成されます。

ダッシュボード
主な役割:最新のソーシャル情報の表示
利用するポートレット:短文メッセージ表示、アクティビティ、今日の予定、ToDoリスト

ダッシュボードページを選択すると図25のように「短文メッセージ表示⁠⁠、⁠アクティビティ⁠⁠、⁠今日の予定⁠⁠、⁠ToDoリスト」ポートレットが配置されたページが開きます。

短文メッセージ表示ポートレットには、自分および他者がつぶやいた短文メッセージが表示します。アクティビティ・ポートレットには自分、友達、フォローしているユーザがポータルで行った作業が時系列で表示されます。今日の予定ポートレットには、カレンダーに登録された今日のスケジュールが表示されます。ToDoリストポートレットには、自分に割り当てられた作業が表示します。

図25 ダッシュボードの例
図25 ダッシュボードの例
コンタクトセンターページ
主な役割:ソーシャル情報の表示
利用例:関係するユーザ管理:友達、フォロー
利用するポートレット:コンタクトセンター

コンタクトセンターページを選択すると図26のようにコンタクトセンターポートレットが配置されたページが表示します。コンタクトセンターから友達やフォローしているユーザを表示することができます。コンタクトセンター・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • ポータルのユーザを検索してフォロー(追跡する)に追加することができます。
  • LinkInやGoogle+に類似した機能
図26 関係するユーザの管理ページの例
図26 関係するユーザの管理ページの例
メッセージ・ページ
主な機能:特定ユーザへの連絡とメッセージの開読確認
利用例:業務連絡
利用するポートレット:ダイレクトメッセージ

メッセージページを選択すると、図27のようにダイレクトメッセージポートレットが配置されたページが開きます。このページから特定のユーザに業務連絡などメッセージを送信することができます。メッセージ・ポートレットは以下の特徴をもちます。

  • 送信したメッセージが未読か確認することができます。
  • メッセージを削除することができます。送信後でもメッセージを削除すると送信宛でもメッセージが読めなくなります。
図27 業務連絡ページの例
図27 業務連絡ページの例
ToDoリスト・ページ
主な役割:ユーザのToDoリストおよび他ユーザへの作業依頼
利用例:ToDoリスト、作業依頼
利用するポートレット:ToDoリスト

タスクページを選択すると、図28のようにToDoリストポートレットが配置されたページが表示します。このページで自分の作業を管理するToDoリストや、他メンバーに作業を依頼することができます。ToDoリストポートレットは以下の特徴をもちます。

  • 自分の作業を登録することができます。
  • 他ユーザへ作業を依頼することができます。
  • 期限、重要度を設定することができます。
  • 作業を分類するために、タグを設定することができます。タグで検索することができます。
図28 ToDoリスト・ページの例
図28 ToDoリスト・ページの例

日本版Liferay SNS固有のポートレット

日本版Liferay SNSには以下のポートレットが同梱されています。

グーグルガジェット・ポートレット

グーグル用に公開されているガジェットのポートレットが同梱されています。他ポートレットと同じようにページに配置することができます図29⁠。図30は現在で作成されたガジェット・ポートレットです。ガジェットはインターネット・オンラインサービスのため、サービスが終了された物もあります。

グーグルガジェットは2013年11月をもってサービスを終了します。

図29 グーグルガジェットの例
図29 グーグルガジェットの例
図30 グーグルガジェット・メニュー
図30 グーグルガジェット・メニュー

最後に

今回はLiferay SNSの紹介を行いました。Web上で人とのつながり、情報の共有、グループの作成を支援するLiferayの機能を説明しました。Liferayには本記事で説明した以外の機能もあります。例えばユーザ活動のランキング機能、追跡機能、チャット機能もあります。これ以外にも第三者から提供されている機能もあります。これらのポートレットを有効に活用してWebサイトおよび現場での活動の活性化を図ることができます。

日本ユーザ向けのポートレットも以下のサイトで随時作成されていますので、ぜひLiferayを試してみてください。

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