Webデザイナーなら知っておくべき サーバ知識相談室

第4回 ドメインってなに? Whoisで個人情報が丸見え? ドメインの仕組みを学んでトラブルを回避しよう

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「ドメイン」という言葉は知っていますか? Web制作の仕事をしていると,ドメインはちょくちょく出てくる身近な存在です。でもドメインについてきちんと理解している!と胸を張って言える人は,なかなかいませんよね。

今日は皆さんと同じように,ドメインに対して,はっきりとしない分からなさを抱えたWebデザイナーが,サーバ知識相談室を訪れているようです。

プロローグ:独自ドメインでポートフォリオサイトを始めたいけど,何をすればいい?

ここは企業のWebサイトの構築を専門としているA社の一室。納品も済んで,今日は個人的な質問をしにきたWebデザイナーと,その話を聞くインフラエンジニアがいました。

Webデザイナー「この間はSSL証明書の件,どうもありがとう」

エンジニア「いいのよ,納品は無事に済んだ?」

Webデザイナー「うん! でさ,ちょっと仕事が落ち着いたのもあって,前々から考えてたんだけど,個人的なポートフォリオサイトを開こうと思うんだよね」

エンジニア「ポートフォリオサイト? ええと,過去に作った作品とか,やった仕事とかを紹介するサイトのこと?」

Webデザイナー「そうそう。やっぱり個人としての名前を売っていくには,ポートフォリオが必要だなと思って」

エンジニア「おおー,上昇志向ー!」

Webデザイナー「やっぱり指名で仕事が来たらいいなと思うしね。でさ,最初はTumblrとかでやろうかなと思ったんだけど,有名なクリエイターのサイトを見ると,みんな独自ドメインでやってるんだよ」

エンジニア「あー,○○.tumblr.comみたいなのとか,d.hatena.ne.jp/○○とかじゃなくて,自分専用のドメイン取ってるってこと?」

Webデザイナー「そう!例えば有名どころだとWebクリエイターボックスのManaさんのポートフォリオサイトはja.webcreatormana.comだし,FireworksマニアのYUKI YAMAGUCHIさんのポートフォリオサイトはyuki930.v-colors.comってドメインだし」

エンジニア「確かにどこかに間借りしてるより,独自ドメインの方が本格的な感じするよね」

Webデザイナー「そうなんだよ。それにさ,○○.comってドメインにしたとしてさ,ポートフォリオはportfolio.○○.comにして,ブログはblog.○○.comにして,素材配布サイトはsozai.○○.comにしたりしてさー!」

エンジニア「夢が広がってるねー」

Webデザイナー「うん,でさ,どうしたらいいの?」

エンジニア「は?」

Webデザイナー「ドメインを,えー,あー,どうしたらいいの?」

エンジニア「ええー,……そこ分からないで夢語ってたのか!」

Webデザイナー「頼む! 独自ドメインでサイト始めたかったら,まず何したらいいのか教えて! できるだけ簡単に!」

エンジニア「しょうがないなぁ,じゃあドメイン買うところから説明するわね」

というわけで,今回はドメインの仕組みやルールを学んだ上で,自分だけの独自ドメインを取得してみましょう。

ドメインはどこで買う? お店によって値段は違う?

ドメインとDNS全体の仕組みを理解するため,ドメインを購入してから,サイトが見られるようになるまでを,順を追って紹介します。ストーリーになっていたほうが分かりやすいと思うので,次の設定で説明していきます。

皆さんはまもなくスタートする株式会社IMJ銀行の広報担当者です。IMJ銀行の「imjbank.co.jp」というドメインを取得し,Webサイトを開設するのが直近のミッションです。

それでは,まずドメインを購入するところから始めましょう。「ドメイン」で検索すると,お名前.comYahoo!ドメインムームードメインFC2ドメインなどが出てきました。いっぱいありますね。どこで購入すればいいのか迷ってしまいます。

できれば安いところで購入したいですよね。取りあえず「imjbank.co.jp」の値段(執筆当時)を,一つひとつ見ていってみることにしましょう。

お名前.comで「imjbank」と入力して検索してみます。⁠imjbank.co.jp」は,お名前.comでは1年で3,780円でした。

お名前.comでは,imjbank.co.jpは3,780円だった

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次にYahoo!ドメインで「imjbank.co.jp」を購入しようとすると……,あれ? プルダウンメニューにco.jpがありません。取得できるドメインの種類を見てみると,どうやらco.jpで終わるドメインは取り扱っていないようです。Yahoo!ドメインでは「imjbank.co.jp」は購入できません。

Yahoo!ドメインでは,imjbank.co.jpは取り扱っていない

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ムームードメインはお名前.comと同じ価格で,1年で3,780円でした。

ムームードメインでも,imjbank.co.jpは3,780円だった

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最後にFC2ドメインで「imjbank.co.jp」を調べてみると,お名前.comやムームードメインより140円高い,3,920円でした。

FC2ドメインでは,imjbank.co.jpは3,920円だった

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まとめると次のようになります。たった140円の違いですが,値段だけで判断するなら,お名前.comかムームードメインを選ぶのが良さそうです。

  • お名前.com:3,780円
  • Yahoo!ドメイン:取り扱いなし
  • ムームードメイン:3,780円
  • FC2ドメイン:3,920円

でもここでちょっと疑問があります。Yahoo!ドメインはなぜ「imjbank.co.jp」を販売していないのでしょうか。それにたった140円ですが,値段によってドメインの何かが違うのでしょうか

値段やお店によってドメインの「品質」は違う?

第3回でSSL証明書について説明したときに,同じ「SSL証明書」という名前でも,RapidSSLの安い証明書と,シマンテックの高い証明書は全然違うという話を取り上げました。SSL証明書にはEV証明書,OV証明書,DV証明書の3種類があって,それぞれやってくれることが違うという話でしたね。

もしかしてSSL証明書のようにドメインの場合も、同じ「ドメイン」という名前でも,どこで購入するかによって役割や品質に差があったりするのでしょうか?

いいえ,ドメインはどこで購入しても品質に差はありません。ダイソンの同じ型の掃除機はどこで購入しても同じものですが,ヤマダ電機とヨドバシカメラで値段は違います。それと同じように,ドメインもどこで購入しても同じですが,お店によって値段が違うのです。

では,どこで購入しても品質が同じということは,単純に値段だけでお店を決めればよいのでしょうか? いいえ,それも違います。

著者プロフィール

堀越良子(ほりこしよしこ)

株式会社アイ・エム・ジェイのインフラエンジニア。ウェブインテグレーションの下支えとなるサーバホスティングサービスの構築と運用を担当している。

モバイルサイトのエンジニア,SIerとソーシャルゲームの広報を経て,2013年より現職。「分からない気持ち」に寄り添える技術者になれるように日々奮闘中。

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