スマホ時代のCGMサイト 企画・UI/UXのポイント

第2回 リリース前に理解しておきたいCGMの構造と役割

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

スマートフォンに最適なCGMの設計や施策を紹介する前に,⁠CGMの構造と主要な役割」について確認しましょう。

一般的に,CGMは「投稿者ユーザー」⁠閲覧者ユーザー」⁠運営」の3つの役割でできています。

CGMは「投稿者ユーザー」⁠閲覧者ユーザー」⁠運営」の3つの役割でできている

CGMは「投稿者ユーザー」「閲覧者ユーザー」「運営」の3つの役割でできている

投稿者ユーザー

コンテンツを生み出す投稿者こそがCGMのキモで,これがなければCGMは成り立ちません。

全体のユーザー数に占める投稿者の割合は,投稿ハードルの高いサービスであれば5%,投稿のハードルの低いサービスであれば20%程度。スマートフォンのような投稿に適したデバイスを中心にしたサービスの場合,この比率は倍近くに高まることもあります。

反対に食べログ・クックパッドのように,特に閲覧者が多いサービスであれば,1%以下ということもあります。

サービス開始1年以内のCGMサービスであればだいたい5~20%に収まるでしょう(⁠反対に投稿しないと閲覧できないよ」といった制限を設けて,投稿者率を高めているサービスもありますが,それは別章で取り上げたいと思います)⁠

筆者は情報交換のためCGMを運営している方十数人とお話をしていますが,成功しているCGMの運営者は,この投稿者に肉薄して,ユーザー像の把握に努めていることが多いです。

個人的な意見ですが,グロースハッカーや投稿数改善チームのメンバーは,まず最初にこの「投稿者の把握」から始めるべきであると思います。すべての施策は,対象となるユーザーがいて,そのユーザーを知らなければ,施策もまと外れとなるからです(施策が打ち放題,思いついたらすべて実行してABテストをすれば良い,という恵まれたチームの方にとっては不要ですが)⁠

投稿者ユーザーを分類する

一言で投稿者と言っても,それを把握するのは難しいです。いくつかの基準を自分のサービスにあてはめて考えてみましょう。

分類としては,⁠投稿数や投稿頻度」を基準にして考えるものが一般的でしょう。いわゆるヘビー・ミドル・ライト投稿者という分類です。

投稿数や投稿頻度による分類としては,たとえば,Rettyのユーザーさんにも,

  1. 月1回くらい投稿する方
  2. 週に1回くらい投稿する方
  3. ほぼ毎日投稿する方

というパターンがあり,3.が一番少なく,1.が多いです。

その他にも,サービスを利用する「目的」「地域」⁠投稿の内容」を基準にした分類などもあります。

目的による分類
  • 自分のログを貯めて,便利に使いたい方(ツール派)
  • 他のユーザーと情報交換をしたい方(情報収集派)
  • 他のユーザーとのやり取りを楽しみたい方(コミュニケーション派)
その他の分類
  • 首都圏の方,東北の方,関西の方など(地域基準)
  • ビアバーの投稿が多い方,カフェの投稿が多い方,ラーメンの投稿が多い方など。ファッション系サービスであれば,ガーリー,コンサバ,フェミニンなど(ジャンル基準)
  • 投稿の文字数が多い方,写真の投稿が多い方など(内容基準)

また,スマートフォンという特性から,⁠シーン」という切り口もあるでしょう。

シーンの分類
  • 写真を撮影してすぐに投稿する方,まとめて後で投稿する方
  • 出勤の途中に投稿する方
  • お昼休みに投稿する方
  • 就寝前にベットから投稿する方

サービスの種類や成長段階によって最適な分類基準は変わってくるでしょう。

運営者としては,これらのユーザーそれぞれのボリュームを把握しつつ,個性や感じ方,求めるメリットなどを知り続ける努力が欠かせないと思います。

  • 「機能追加がコアユーザーの満足ばかりに偏っていないか?」
  • 「地方のユーザーさんには満足してもらっているか?」
  • 「Androidユーザーには,難しい操作なのではないか?」

以上のような自問自答を日々行えるように,ユーザー像の把握に努めることが重要です。

閲覧者ユーザー

投稿者が5~20%だとすれば,その他すべてのユーザーが閲覧者です。

閲覧者は,ユーザーに占める割合が圧倒的に数が多いため,ユーザーフィードバックなどの意見も多くなりがちです。運営者としては,それが閲覧者としての意見なのか,投稿者としての意見かを切り分けることができなければ,誤った施策を行うことにもなってしまいます。

サービスの立ち上げ直後の場合,限られたリソースを,投稿者に向けるべきなのか,閲覧者に向けるべきなのかを的確にジャッジすることが求められますので,この点は充分注意したほうが良いでしょう。

Rettyもサービス開始後は「お店を検索する」という機能が無く,ユーザーさんからの数多くのご要望をいただきました。グルメサービスとして当然あるべき検索機能ですが,本当に行きたいと思えるお店が見つかる機能を提供するのは,非常に難しいことです。その観点から「検索」は涙をのんで後にし,まずは投稿をしていただける方への利便性を追求するというジャッジを行いました。

とは言え,多くのサービスは,最終的には閲覧者をテコになんらかのマネタイズを展開することが多いと思います。そういった意味でも,長期的に閲覧者をどう獲得するかを考えるのは非常に重要です。本連載の主旨と外れますが,閲覧者の獲得方法とマネタイズもCGM運営の初期から構想すべき課題だと思います。

閲覧者ユーザー分類のポイント

閲覧者の分類としては,⁠見たいコンテンツの種類」⁠流入元」⁠地域」などがありますが,⁠閲覧者を投稿者にチェンジすること」が重要な初期フェイズでは,どんな閲覧者を集めるかによっての,投稿者の質も変わってきます。

その意味で,⁠投稿者となりうるか否か」という視点で閲覧者を分類することも大切です。たとえば,40代の大人ユーザーに投稿してもらいたいのに,学生ユーザーを集めてもしようがないので,大人向けのコンテンツを増やすなどが有効かもしれません。この場合は「年齢」で閲覧者を分類するわけですね。

著者プロフィール

内野友明(うちのともあき)

現在,グルメサイトRetty(200万ユーザーのCGM)でディレクターをしています。前職はコミュニティ・ファクトリーで,現在2,000万ダウンロードのDECOPICをディレクターとして立上げました。

「グルメサイトRetty」

ユーザーからの口コミを,スマートフォンを中心に閲覧することのできるサービスで,2011年から現在までに80万件の口コミが集まっています。飲食店の口コミ件数では食べログについで業界2位,スマートフォンから集まった口コミに限れば業界1位と言えると思います。

「DECOPIC」

DECOPICは,スマホで撮影した写真をかわいくデコレーションできるアプリで,リリースから順調にユーザー数を伸ばして,2013年に2,000万ダウンロードを突破しました。

コメント

  • 武蔵小杉について

    秋に完成グランツリーに期待してます、回転寿司活や美味しいお店が入るとか楽しみです!

    Commented : #1  住民さん (2014/08/05, 18:08)

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