実店舗の売り上げの向上はWEBサイトに大きく求められる要素である。とは言ってもECとの連動ほど簡単にはいかない。WEBサイトへの集客が正しくできていれば,必要なタスクは店舗への誘導と,リピート購入促進の2つであり,最終的なゴールはWEBと実店舗の双方から集客を行い,リピート購入のサイクルを作る事だ。今回はWEBと店舗を連動させ,顧客化のプロセスについて説明する。
WEBから店舗へ
まずはWEBサイトから集客したユーザーを店舗へと誘導してみよう。これには店舗情報はもちろん,来店メリットを理解させる必要がある。対面販売が可能な直営店である場合は比較的簡単だ。割引や限定商品等のモバイルクーポンを配信し,来店のインセンティブとすればいい。
また,店舗でしか手に入らないデジタルインセンティブ(待受け,アプリ,MP3,映像コンテンツ等‥)もブランド次第では効果があるだろう。その場合は店舗にFELICA端末などを用意し,来店してくれた方だけに特別なデジタルインセンティブを提供する。
最近ではデジタルサイネージとFELICAを組み合わせた什器などもある。来店した客に対して再度強力なインセンティブのコミュニケーションが可能となる。
ランコム:
ランコムのサイトでは定期的に商品サンプルクーポンを配信し,売り場へ集客を行っている。
誘導先が量販店である場合,クーポンに対するオペレーションの確保やFELICA端末の導入などが困難となる。
特定のチェーンなどと連携して誘導に必要な要素を確保する事も考えられる。インセンティブの魅力しだいで集客は期待できるが,対面販売でないが故にコンバージョンがあまり期待できない。
最も効果が期待できるのはインスタントウィンのクローズド懸賞である。購入製品のパッケージなどに個別のQRコードやシリアルナンバーを印刷し,購入者だけが応募できるキャンペーンを実施する。筆者の経験からこの場合,インセンティブが魅力的である必要はそこまで無い(もちろんインセンティブが魅力的である事に超したことは無いが,可能であれば大量当選を可能とする賞品が好ましい)。
ユーザーを巻き込むためのインヴォルブメントデバイスとしてのゲームなどが楽しければ大半の消費者は参加してくれる。また,ほとんどの参加者はモバイル経由となるだろうが,取りこぼしのないためにPCからの参加も可能にしておくべきだ。
ダノン:
ダノンビオのパッケージに印刷されたQRコードとシリアルナンバーからメールマガジンへの登録を促進。
これらの来店・購入メリットをWEBやメールで告知する事で来店へとつなげる。シンプルな考え方だが,WEBがターゲットユーザーの集客を行っていれば来店は十分に期待できる。クーポンでWEBから店舗へとユーザーを誘導する場合はモバイル経由で転送可能にしておくべきだろう。新規顧客の個人情報を取得するチャンスは来店時にもあるので,より多くの来店者の確保を優先すべきだ。
店舗からWEBへ
デジタルインセンティブやクローズド懸賞など,店舗側で来店メリットを提供する場合は登録を必須とする必要がある。店舗への来店の7割はリピートにつながらないため,この時点での個人情報の取得が最後のチャンスになる可能性が高いのだ。初回の客からはできるだけ多くの登録を獲得し,コンタクトをとれるようにするべきである。

