Microsoft Web PIが変えるWebアプリケーションサイト構築

第1回 Web PIとは何か?

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

Windowsとオープンソースソフトウェア

ご存知のとおり,Microsoft Windowsファミリは現在PC上で最も利用者の多いOSです。Windows上ではさまざまなアプリケーションが開発されており,その種類も多岐にわたっていますが,中でも比較的「手薄」な印象を持たされるのが,いわゆるオープンソースソフトウェア(OSS)と呼ばれている,ソースコードフリーでコミュニティによって開発されているソフトウェア群です。

近年のWebアプリケーションの浸透の大きな原動力となっているのが,これらOSSと言えるでしょう。現在メジャーなWebアプリケーションやWebサービスサイトの多くでOSSが使われており,新たなサービスや技術も次々と生み出されています。今日のWebアプリケーションはOSS無しには成り立ちません。

こうしたOSS由来のソフトウェアの多くは,基本的にはプラットフォームや動作環境に依存しない「オープン」な性質をもっています。Linux上で開発されることが多いOSSですが,Windowsプラットフォームでそのまま動作したり,メジャーなものはたいていWindowsへの移植が行われており,インストールすれば使用できるものも数多くあります。使おうと思えば,Windowsプラットフォーム上でOSS中心のWebシステムを構築することは十分可能です。

では,なぜOSSはWindowsプラットフォームであまり使われている印象がないのでしょうか? ⁠使おうと思えば使える」というのが実はくせ者で,実際にWindowsプラットフォーム上でOSSのWebアプリケーションを利用しようとすると,蓄積された情報の少なさから,インストールに苦労したり,情報収集が必要なことが多いのです。

OSSに限らず,Webアプリケーションはたいてい単一のソフトウェアとして動作することはなく,多数のツールの集合体であったり,別のソフトウェアのインストールが前提とされている場合がほとんどです。たとえば,OSSのCMSとして有名なWordPressをインストールするには,Webサーバソフト(Apacheなど)はもちろん,DBMS(MySQL)やPHPが実行できる環境が必要です。またインストールするソフトウェアのバージョンによって,前提となるソフトのバージョンも合わせる必要があったり,日本語バージョンが存在する場合に特別なパッチが必要だったりと,ただインストールすれば動くというわけではありません。

Linuxの場合は,こうしたソフトウェアの依存関係やバージョンの組み合わせが最適化されたインストールパッケージが用意されており,コマンド一発でインストールできたり,OSと一緒にインストールされている場合もあり,ユーザレベルでインストールに苦労することはほとんどありません。しかしWindowsではこの部分は遅れており,コマンド1つでインストール完了とはいかないのが実情です。このあたりはメーカ製のプロプライエタリなプラットフォームと,多くの人々の手を経て開発が進んできたOSSとの「文化の違い」もあり,なかなか埋めるのは難しいかも知れません。

Web PIとは?

マイクロソフトとしても,こうした状況を黙って見過ごしていたわけではありません。多くのWebアプリケーションの開発言語/動作プラットフォームとして採用されているPHPを,Windowsの標準的なWebサーバソフトウェアIIS(Internet Information Service)上で動作させるための情報や拡張プログラムなどの提供を2007年から始めました。さらに,これを一歩進める形でWebアプリケーションソフトそのもののインストールを簡単にする仕組みの提供を開始しました。これがWeb PI(Web プラットフォーム インストーラー)です。

Web PIはOSSのインストールだけに特化したものではなく,もともとはVisual Web DeveloperやSQL Server,.NET Frameworkなど,マイクロソフトのWeb環境を構築するためのソフトウェアを簡単にインストール/バージョンアップするための仕組みです。2009年にリリースされたWeb PI 2.0から,PHPをはじめOSSのWebアプリケーションのインストールに対応するようになりました。

Webプラットフォームインストーラー(Web PI)
URLhttp://www.microsoft.com/web/downloads/platform.aspx

図1 Web PIの画面

図1 Web PIの画面

Web PIは見ておわかりの通り,GUIを使ったインストーラです。Web PIを使ってアプリケーションをインストールすると,そのソフトウェアが依存している別のソフトウェアのパッケージやインストールオプションなどもすべて適切に選ばれ,自動的にインストールされます。普通のWindowsアプリケーションのインストールとほぼ同じ感覚ですね。Web PIでインストールされたソフトウェアは,すぐに使用を始めることができるのです。

表1 Web PIの動作環境

Windows XP Professional SP2以降
Windows Server 2003 SP1以降
Windows Vista Business Edition,Ultimate Edition
Windows Server 2008,Windows Server 2008 R2
Windows 7

コメント

コメントの記入