いま,見ておきたいウェブサイト

第8回 UT ZOOM !,BMW UK : The new Z4 Roadster,SIGMA DP2 : Special Contents

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

「今年のゴールデンウィークは,どう過ごそうかな」と,さまざまな妄想が頭の中に渦巻きつつある今日このごろ,いかがお過ごしでしょうか。

今回も個人的に感じた素晴らしいサイトの特徴を,いくつかお話したいと思います。

奥へと無限に続く,現代の絵巻物

UT ZOOM !

ユニクロの2009年UT春夏コレクションのキャンペーンサイト,『UT ZOOM !』です。

図1 『UT ZOOM !』のトップページ

図1 『UT ZOOM !』のトップページ

credit: tha ltd.

「ZOOM」では,ユニクロのTシャツを着たモデルの画像や映像が,画面の奥から手前へと拡大されながら再生されていきます。マウスホイールや画面右側のスクロールバーを利用すると,再生の向きやスピードを操作することもできます。

図2 UTの春夏コレクションが次々とズーム表示される

図2 UTの春夏コレクションが次々とズーム表示される

小さな工夫の積み重ね

マンデルブロ集合のフラクタル動画(例:Fractal Zoom Mandelbrot Cornerを思わせるような,画面手前への拡大再生が印象的なこのサイトですが,やはりキャンペーンサイトということで,UTのTシャツをユーザーにできるだけ多く見てもらおうとする工夫が見えてきます。

商品を着用したモデルの体のすき間から,次の商品をちらりちらりと見せることで,次の画像をのぞいてみたくなる演出を行っていること,拡大再生時にAUTOを選択していた場合でも,マウスホイールを触るとすぐにマニュアル操作へと切り替わること,マウスホイールやスクロールバーで再生スピードを意識的に操作できることで,ユーザーがウェブサイトに滞在する時間を延ばしていることなど,さりげないながらも多くの工夫を積み重ねています。

派手で革新的な技術ではなく,小さな工夫を丁寧に組み合わせて最大の効果を生み出すことで,ウェブサイトの目的を実現しているウェブサイトの良い見本だと思います。

プロモーションにおけるAR技術

BMW UK : The new Z4 Roadster

2009年のデトロイトモーターショーで発表された,BMWの乗用車Z4 Roadsterのプロモーションサイト,『BMW UK : The new Z4 Roadster』です。

図3 BMW Z4 Roadsterのプロモーションサイト

図3 BMW Z4 Roadsterのプロモーションサイト

プロモーションの流れは、まずアーティストのRobin RhodeによるZ4 Roadsterを使ったペイントパフォーマンスをフィーチャーしたCMから,Z4 Roadsterのプロモーションサイトへとユーザーを誘導することから始まります。

プロモーションサイトにアクセスしたユーザーが,ダウンロードしたアプリケーション(現在Windows版のみ。Macintosh版は近日追加とのこと)上で,ウェブカメラを使ってマーカーを認識させると,画面上にZ4 Roadsterの3Dモデルが出現します。

画面上で3Dモデルをカーソルキーで操作すると,車輪の軌跡がペイントされていくという仕組みになっており,制作した作品はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のFacebookに投稿することも可能です。

図4 プロモーションの一連の流れを説明した動画

幅を広げたAR技術の使い方

今年になって,さまざまな企業が本格的にプロモーションに採用しつつあるAR(Augmented Reality/拡張現実)技術ですが,今回のBMWのプロモーションでは,CMなどのメディアと連動して,非常に効果的に使用されています。

さらに,今まで多くのウェブサイトで見られた"3Dモデルを表示する"という段階から,"3Dモデルを表示し,それが操作できる"段階へと,AR技術の使い方の幅を広げています。

今後,ますます増えると思われるAR技術を使った企業のプロモーションの中で,どのようにAR技術が組み込まれていくか,そしてどんな使い方がされていくのか,興味を持って見ていきたいところです。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

コメント

コメントの記入