いま,見ておきたいウェブサイト

第22回 Teamgeist | Every team needs a jersey with a story,JORDAN MERO M6,HYPE

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表現拡大への新たな一歩

『HYPE』

Branden HallとJoshua Davisの共作によるビジュアル・フレームワーク,HYPEのウェブサイトです。

図7 HYPEはActionScript 3で構築されている

図7 HYPEはActionScript 3で構築されている

credit:Joshua Davis ,Branden Hall

ActionScript 3で構築されているこのビジュアル・フレームワークは,簡単な記述によって,自分のビジュアルイメージを手早くスケッチすることを目的に構築されています。ウェブサイトでは70個近い多数のサンプルを確認できますが,見ているだけでも楽しめます。

図8 ビジュアル表現のサンプルが多数用意されている

図8 ビジュアル表現のサンプルが多数用意されている

もちろん HYPEの導入方法や動画サービス vimeoを使っての解説も用意されています。またHYPEを使った最初の コンテスト開催(12月13日締切)も発表されるなど,公開後も活発な活動が続いています。

図9 現在,HYPEのコンテストも開催されている

図9 現在,HYPEのコンテストも開催されている

進化の過程で失ったもの

個人的な話ですが,私がFlashに興味を持ち始めた2000年ごろ,インターネット上では多種多様なFlashを使ったウェブサイトが存在していました。当時はFlashになかった機能を,手間をかけ,強引な手段で実現してしまう人たちが現れるなど,Flashについてのさまざまな実験や試行錯誤も盛んな時期だったと思います。

それから現在まで,Flashはバージョンを重ねながら着実に進化してきました。近年では3D・物理演算系のライブラリや制作を助けるフレームワークなどが提供されることで,以前と比べると信じられないほど多彩な表現が可能となりました。

その反面,プログラマー寄りのアップデートやActionScriptがプログラム言語として整理・洗練されたことで,プログラムにあまり縁のない,開発者以外の層が新たにFlashの世界へと足を踏み入れる機会が減ってきているのも事実です。またウェブサイト上の表現においても,ブラウザ上の処理速度が速くなったJavaScriptが担当する領域が広がったことで,⁠Flashを使わなければならない⁠という領域や表現方法を,模索・拡大しなければならない時期に来ていると感じています。

HYPEのウェブサイトのトップページには,"We made HYPE to help bring back the playfulness that once defined our community."(かつてのコミュニティの特徴だった陽気さを取り戻すために,われわれはHYPEを作りました。)と書かれています。Branden HallとJoshua Davisの試みによってFlashコミュニティが拡大し,新しい表現を持つ個性的なウェブサイトが生まれてくることに期待したいと思います。

というわけで,今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。