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第71回 TOYOTA 86 PROTOTYPE MODEL for TOKYO MOTOR SHOW 2011,UNIQLO CREATIVE,MINI COUPÉ ハンティング大作戦

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朝晩の寒さに対抗するため,こたつを設置し,暖まりながら「日本に生まれて良かった」とつぶやいてしまう今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

"さりげない"ソーシャル化

toyota.jp|TOYOTA 86 PROTOTYPE MODEL for TOKYO MOTOR SHOW 2011

TOYOTAが第42回東京モーターショー2011に出展する,小型FRスポーツカーのプロトタイプモデル「86(ハチロク)⁠の公式サイト,⁠TOYOTA 86 PROTOTYPE MODEL for TOKYO MOTOR SHOW 2011』です。

図1 小型FRスポーツカー,⁠86」の公式サイト

図1 小型FRスポーツカー,「86」の公式サイト

ウェブサイトのトップでは「86」の各部・装備の画像が表示されますが,これらはFacebookのユーザーによる「Like!(いいね!)⁠の数に応じて,表示領域の大きさが決まっています。また,各画像の上にマウスを合わせると,Facebookから寄せられたコメントが表示されます。

図2 各部・装備の表示領域は,Facebookの「Like!」の数で決まる

図2 各部・装備の表示領域は,Facebookの「Like!」の数で決まる

「ソーシャルカタログ」という名前の通り,⁠86」のデザインや装備など,かなり細分化された項目にまで,ユーザーが「Like!」できるようになっているのが特徴です。

"当たり前"のその次へ

このウェブサイトの制作に携わっているnuuoの林智彦さんは,Twitterで「スペシャルコンテンツを作るのではなく,⁠一番みられるベーシックなco.jpサイトをソーシャル化する」⁠車種公式ページをFBで展開する」⁠実はまだあまりない)の実現に注力しました。」と述べています。

その言葉通り,⁠TOYOTA 86 PROTOTYPE MODEL for TOKYO MOTOR SHOW 2011』は,あくまで,企業のウェブサイト内における「コンテンツのひとつ」であり,スペシャルサイトのような特別な作りとなっていません。

図3 デザインや装備の細かい項目まで「Like!(いいね!)⁠できる

図3 デザインや装備の細かい項目まで「Like!(いいね!)」できる

このように,ソーシャルメディアの存在を特別視する必要がないのは,すでにユーザーの生活の中に自然に入り込んでいるからでしょう。ウェブサイトの前面に,自慢げにソーシャルメディアへの対応を押し出しながら表現することは,もう必要ないのかもしれません。

ソーシャルメディアの性質を最大限に引き出す方法として,新しい形を提案しているこのウェブサイト。これからは,ユーザーが意識しない,より自然なソーシャルメディアの使われ方が試行錯誤されていくのかもしれません。

※:『TOYOTA 86 PROTOTYPE MODEL for TOKYO MOTOR SHOW 2011』については,1PAC.INC.宇都宮勝晃さんが,よりわかりやすく,詳しい考察をされています。ぜひ参照してください。

すべてのクリエイティブ,まとめました

UNIQLO CREATIVE

2008年からUNIQLOが行ってきた,広告やグラフィックデザインが集められたウェブサイト,⁠UNIQLO CREATIVE』です。

図4 UNIQLOのクリエイティブをまとめた『UNIQLO CREATIVE』

図4 UNIQLOのクリエイティブをまとめた『UNIQLO CREATIVE』

ウェブサイトだけでなく,店舗の空間設計やタイポグラフィ,パッケージや情報デザインなど,UNIQLOが展開してきた,多岐にわたるクリエイティブを集めたアーカイブサイトとなっています。

図5 ウェブサイト以外のクリエイティブもアーカイブされている

図5 ウェブサイト以外のクリエイティブもアーカイブされている

アーカイブから,見えるもの

以前から,UNIQLOはスペシャルプロジェクトというコンテンツを用意しています。ここでは,ウェブ上におけるスペシャルサイトやクリエイティブプロジェクトのみが紹介されています。

図6 ウェブ上のクリエイティブを集めた「スペシャルプロジェクト」

図6 ウェブ上のクリエイティブを集めた「スペシャルプロジェクト」

『UNIQLO CREATIVE』では,こうした「ウェブ上」という制限を取り払って,UNIQLOが行っているすべてのクリエイティブを紹介しています。

このコンテンツから見えてくるものは,UNIQLOにおける"デザインの基準"です。明確な考えを基に,一貫したクリエイティブを行ってきたという"自信"がなければ,こうしたコンテンツは作れないでしょう。

個人的には,画像中心の内容であるため,ウェブサイトの動きが確認できないことが残念ですが,それでも企業側のこうした動きは大歓迎です。今後,自信をもって積み上げてきたコンテンツを,アーカイブとして公開する企業が増えてくることを期待したいと思います。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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