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第115回 Processing Hour of Code,Mercedes-Benz connect me Hamburg. ,のらもじ発見プロジェクト

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街にある文字が,フォントに生まれ変わる

のらもじ発見プロジェクト

古い町並みにたくさんある,個性的でステキな文字たちを「のらもじ」と名付け,それらを発見・分析してフォント化を進めていく「のらもじ発見プロジェクト」のウェブサイトです。

図5 ⁠のらもじ発見プロジェクト』のウェブサイト

図5 『のらもじ発見プロジェクト』のウェブサイト

credit:下浜 臨太郎西村 斉輝若岡 伸也

現在,9つの店舗の個性的な「のらもじ」のフォントが公開されています。各店舗の下に用意されたテキストボックスに文字を打ち込むと,フォント化された「のらもじ」が試し打ちできるのですが,入力した文字が多くなると,お店の看板と店舗が横に広がっていく様子がユニークで楽しいです。

図6 文字を入力すると看板と店舗が横に広がっていく

図6 文字を入力すると看板と店舗が横に広がっていく

また,各店舗の看板から制作されたフォントの説明や書体見本(五十音)⁠⁠のらもじ」がある各店舗の関係者へのインタビューなど公開している「FONT」⁠TwitterやInstagramにハッシュタグ「#noramoji」を付けて投稿された,ユーザーからの「のらもじ」画像をまとめた「PHOTOSTREAM」というコンテンツも用意されています。

図7 看板文字が生み出された経緯なども公開されている

図7 看板文字が生み出された経緯なども公開されている

対価の還元が生み出す,再生の仕組み

「のらもじ発見プロジェクト」では,実際に「のらもじ」の所有者に許諾を得た上で,フォントの制作が行われています。制作された「のらもじ」は代金(100円,500円,1,000円から選択)を支払うか,SNS(TwitterかFacebook)でシェアすることで,ダウンロードが可能です。

「のらもじ発見プロジェクト」の概要を説明した動画

また,制作されたフォントを使ってデザインされたTシャツも販売(3,500円)されており,これらの売り上げは「のらもじ」フォントを制作する元になった店舗へと支払われる(一部は「のらもじ発見プロジェクト」の活動資金に充てられる)仕組みとなっています。

図8 制作されたフォントでデザインされたTシャツの売り上げは,看板文字のある店舗へと還元される

図8 制作されたフォントでデザインされたTシャツの売り上げは,看板文字のある店舗へと還元される

都市部では,このプロジェクトに登場するような個人経営の店舗をあまり見かけなくなってきました。昔ながらの商店街も,地域住民のライフスタイルや生活圏の変化によって,じわじわと消えつつあります。

こうした中で,その店にしか存在しない文字をフォントとして再生させて今後に伝えるだけでなく,店舗へとフォントの対価を還元させることで,少しでも長く実際の文字を存在させるという意味でも,非常に意義のあるプロジェクトではないでしょうか。

というわけで,今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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